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by misaki80sw
北朝鮮情勢緊迫・・米国の武力行使と日本の国益_a0018138_21292692.jpg


米、北の核実験阻止へ先制空爆立案

 米NBCテレビは6日、
 北朝鮮が準備していると伝えられる核実験を阻止するため、
 米軍が実験場など核施設への
 「先制空爆」を行う緊急作戦計画を既に立案していると報じた。

 NBCによると、国防総省は昨年9月以来、
 グアムとインド洋のディエゴガルシアに駐留する、
 レーダーに捕捉されにくいB2ステルス爆撃機と、
 F15戦闘機を「警戒態勢」に置き、
 核施設「除去」の緊急作戦計画が発動されれば、
 いつでも北朝鮮空爆を実施できる状態にしている。

 しかし、韓国などは軍事作戦に強く反対している。
 米軍は、北朝鮮が核実験を行った場合には、
 北朝鮮有事に備えた「作戦計画5029」について、
 実験直後に北朝鮮攻撃を可能にする内容に
 更新することを求めているが、
 韓国側が激しく抵抗しているという。

   (産経新聞)


共同発のこのニュースは激震を巻き起こしましたね~

まあ、当たり前と言えば当たり前のニュースで、
北朝鮮が核保有宣言のみならず、核実験までやるとなれば
米国は現国際秩序を揺るがす問題として
軍事力の行使を想定するのが当たり前だわね。

もともと米国にとっては
ブッシュ再選時や北の核保有宣言の頃から
最終的に武力を行使してでも
北朝鮮の核兵器破壊と金正日政権を打倒することは
既定の路線だったでしょう。

それに至る道筋として六ヶ国協議が存在し、
そこで埒があかなければ安保理付託、
そして経済制裁、経済封鎖、
そして最後は軍事力行使と段階を踏む予定だったと思う。

ところが北朝鮮が核実験を行う可能性が出てきたことから、
一気に階段をすっ飛ばして
軍事行使の選択肢を選ぶ可能性が出てきた。
おそらく北が核実験を行えば
即、軍事行使に至ると思うよ。

ある意味、今回の北の核実験騒ぎは
米国にとっては「思う壺」みたいな部分がある。
特に米国内の対北強硬派にとってはね。
これで攻撃の大義名分が出来る。

仮にこの「北の核実験騒ぎ」がデタラメで
結局、実験なんて行わなかったとしても
米国の、北の核兵器破壊と金正日政権打倒の意志は
揺るがないでしょうね。
要は軍事力行使に至るステップを短縮できるか、
そしてその大義名分をハッキリ得られるか否かの差に過ぎない。

私は今後の北朝鮮情勢の行く末は、

1,米国の空爆

2,中国の金正日政権打倒
  
   軍事侵攻又はクーデター使嗾

3,北朝鮮の譲歩

   核開発の中止と核兵器破棄

4,米国と北朝鮮の妥協

この4つのどれかだと思っています。

米国が手を出すか、
中国が手を出すか、
北朝鮮が「負けました」と言うか、
米朝がほどほどのところで手打ちにするか。

以下、個別に解説します。


<米国の空爆>

米国がイラクの泥沼にはまることなく、
在イラク兵力の大部分を
あっさりと引き揚げることが出来ていたなら、
すでに北朝鮮問題なんて
とうにカタがついていたと思います。
軍事力を背景に
さっさと金正日政権を打倒していたでしょう。

米国はイラクにおいても軍事力を行使し、
フセイン政権を打倒しましたが、
この北朝鮮の問題とイラク戦争の違いは
北朝鮮が「韓国」という人質を持っていること。
これが大きな違い。

北朝鮮は38度線沿いに並べた長距離砲によって
ソウルを30分で火の海にできる実力を持っている。
当然、多くの市民が犠牲になり、
韓国は大損害を受けるわけで、
この「人質」をどうするかで米国は頭を悩ますでしょう。

当の人質である韓国にとっては
米国が武力行使をしたばっかりに
ソウルに砲弾が雨あられと降ってきてはたまらないわけで、
こういう心理的圧迫が
金大中政権以来の太陽政策の底流に流れている。

さて、ここからは政治というより軍事の話しになりますが、
米国は武力行使を決意したとして
どこまでそれをエスカレートさせるのか?

それは目的の設定によっても違うのでしょうが、
軍事行使の目的は以下の2つのどちらかです。

1,核施設と核兵器の破壊

2,金正日政権そのものの打倒

政略レベルでの長期目的はあくまで2でしょうが、
当面の軍事行使の目的を
1と2のどちらに置くかによって、
作戦の内容がガラリと違ってくる。

仮に1に限定したとして、
単に爆撃で核施設を破壊して
ハイ終わりとなるかというと
意外にそれでは終わりそうもない。

何故かというと、
北朝鮮がこれに呼応して戦線をどれだけ拡大するのか、
それを米国がどこまで正確に読み切れるか、
ここらへんにかかっている。

米国が北の核施設を空爆して、
北朝鮮がそれで収まるか、
やられっぱなしで収まるか、
問題はここなんですな。
つまり、北はこれを「開戦」と見なす可能性がある、と。

北の対抗処置として考えられるオプションは、

1,日本への弾道ミサイルの発射

2,韓国へのミサイル発射と長距離砲撃

さすがに韓国への南侵にまでは踏み込めないだろうが、
日本と韓国への攻撃が想定されるのなら、
米国は、単に北の核施設への空爆だけではなく、
弾道ミサイル基地や
38度線沿いの砲兵陣地を予防的に潰さないといけない。
そうすると空爆の規模が大規模になっていく。

また「韓国への長距離砲撃」が実際に行われたら
ほとんど南北全面戦争の領域に一気に突入する。

北朝鮮がどれだけ反撃するかによって
また、米国がそれをどこまで正確に読み切れるかによって
選択肢と対応策が無限に増えていく。
米国の首脳陣も頭を悩ますと思うよ。

暗夜密かに少数の爆撃機と攻撃機によって
北の核施設を破壊するだけですますのか、
あるいは考えられる全ての可能性を念頭に入れて、
日本海に空母を入れて大軍を集結させた上で
外交的恫喝を行いつつ、
湾岸戦争やイラク戦争の時のように
期限付きの要求を北朝鮮に突きつけて、
期限切れと共に大空爆をやらかすか。

私もここらへんは読み切れませんなあ。


<中国の金正日政権打倒>

中国に関しては先日の記事にも書いたとおり、

北朝鮮、6月に核実験か?・・情勢緊迫と各国の意図

北朝鮮を自国の勢力圏だと見なしている。

よって、米国による空爆が避けられない情勢となれば、
直接、金正日政権打倒に走り、
これを米国との取引材料にする可能性がある。
他人にやられるんだったら
いっそ自分の手でという発想ですね。

理由は2つで、

1,単純に面子と威信の問題

2,自勢力圏の防衛のため

もともと米国は
中国を六ヶ国協議に引っ張りこんだ時から、
中国の北朝鮮に対する影響力行使として
この種の荒技も期待していたからね。

この中国による武力行使の可能性と
米国による武力行使の可能性、
果たしてどちらが大きいかと見ると、
中国パターンの方が可能性は高いんじゃないかな。


<北朝鮮の譲歩>

全面的に追いつめられれば
この可能性も無きにしもあらずだね。
ただ、可能性としては低い。
極端に低いと思う。

あるいは譲歩を表明して、
実は時間稼ぎをするとかね。

北朝鮮にとって核兵器とは最後の頼みの綱。
これを持つことによって
今の窮状を打開できると思っているし、
これを手放せば列強によって
いいようにやられてしまうと思いこんでいる。
自分の価値基準で他国を計っているわけだけど、
所詮、あの北朝鮮という国は
国家というより「軍閥」だから、
そういう発想しかできない。


<米国と北朝鮮の妥協>

これは朝鮮半島というより、
他地域の情勢次第です。
たとえばイラク情勢。

イラク情勢が今後、急速に悪化していけば、
米国は二正面作戦を嫌い、
北と手打ちをする可能性はあるでしょう。

逆に言うと、米国が今、
北朝鮮に対して強気の発言が飛び出してるのも
イラク情勢が小康状態を保っているから。

ここで別な因子が登場する。
アルカイダ。
北朝鮮情勢が緊迫すれば
アルカイダはイラクを中心とする中東全域で
活発に反米テロを仕掛けていくでしょう。

何故ならば、アルカイダにとって北朝鮮は、
いわば「反米の同志」。
これが叩き潰されることは彼らの利害に反する。

ビン・ラディンの戦略思考は、
全世界各地で反米の火の手をあげて、
米国の国力を削いでいくこと。
「大軍をして奔命に疲れさせる」
世界規模でのゲリラ戦。
これが彼らの基本的発想。

そこで反米の火の粉の一つである北朝鮮が
あっさりと消されることを彼らは好まない。
間違いなく、これからアルカイダによるテロが
イラクを中心とする中東全域で
激しくなっていくと思われる。

そしてその激しさに米国が耐えかねたら、
朝鮮半島において、
米国と北朝鮮がかつてのクリントン政権時代のように
中途半端な妥協をする可能性がある。


さて、最後に日本の国益の観点から書いておきます。

先日の記事にも書きましたが、

北朝鮮、6月に核実験か?・・情勢緊迫と各国の意図

日本の国益は北の核放棄であり、
最終的には金正日政権の打倒です。

彼らが弾道ミサイルに核弾頭を搭載する時期が
刻一刻と近づきつつあり、
この後におよんで「対話と圧力」なんて
悠長なことを言ってる場合ではありません。

北朝鮮が核弾頭付きミサイルを実戦配備すれば
これは日本ののど元に
剣を突きつけられたに等しい状況となります。
完璧に防ぐ手段が無いからです。

そうなる前に彼らを潰すこと。
核という道具を潰すか、
彼ら自身を潰すか。

他の手段によって
彼らが外交的譲歩をしてくれるのなら
それはそれで検討の余地があるけど、
北朝鮮の場合は、
こと核に関しては譲歩はしないでしょう。

よって潰す必要がある。
言葉はきついかもしれませんが、
それが現実です。

日本は自前の軍事力で局面を打開できない以上、
米国の軍事行使に期待するしかありません。
また、米国の軍事行使の兆候にビビった中国が
金正日政権の打倒に走るのを期待するしかありません。

やれることは
米国を軍事行使の方向へと誘導すること。
それをやりやすい政治的環境を整えること。

たとえば日本が単独経済制裁を行い、
全世界に対して北朝鮮国内の人権問題と
自国民の拉致問題の卑劣さを訴えること。

また、朝鮮総連に対して強制捜査を行い、
彼らの過去の悪行の数々を全世界に曝すこと。
これによって世界世論を喚起することです。

要は日本のためにやることです。
他国のためじゃない。
日本の国益のためにも
一刻も早く、核という牙を抜き取り、
かの国の政体を崩壊に追い込むことです。



北有事の共同作戦 韓国、米に廃棄要求
 盧政権「核施設攻撃」を懸念


北朝鮮、5―6個の核兵器保有か…IAEA事務局長

在韓米軍作戦計画「OPLAN 5026」

在韓米軍作戦計画「OPLAN 5029」


娘通信♪関連過去記事
北朝鮮、6月に核実験か?・・情勢緊迫と各国の意図
「北朝鮮始末記」その4・・日本の経済制裁。
「北朝鮮始末記」その3・・「開城団地」という踏み絵。
「北朝鮮始末記」その2・・中朝の間隙。
「北朝鮮始末記」その1・・米国・中国・韓国の思惑。
北朝鮮、核兵器保有を宣言・・自己過信と自爆。
北朝鮮、リビアにウラン輸出・・対北強硬論と経済制裁
北の核と米国の軍事行使・・彼らの発想と原則。

韓国「親日財産還収法」と在韓米軍縮小。
# by misaki80sw | 2005-05-09 21:31 | 韓国・北朝鮮関連
国家と情報機関 その1・・敵を知り、己れを知れば_a0018138_234159.jpg



防衛庁情報本部の元本部長の太田文雄氏が
「情報と国家戦略」という本を書いた。
なかなか秀逸な本で、
内容豊富な割に平易な言葉で書かれていて読みやすい。

情報収集や分析方法から、
情報と国家戦略、戦略的思考、
さらに孫子の兵法に至るまで書かれている。

具体的なエピソードも興味深い。
アフガン戦争やイラク戦争、
中国の東シナ海海底ガス田開発、
さらに北朝鮮工作船撃沈事件に絡む秘話など。

この本の冒頭に印象的な喩えが載っている。

 卑近な例として、
 皆さんが買い物に出かけたとしましょう。
 目的の店に入ったところが、
 そのお店が休みだったということがよくあります。
 事前に電話して、閉店日の情報を入手しておけば
 時間と足代を無駄にすることもなかったのに、
 と思うでしょう。

 これが戦争に関連した軍事情報になると、
 時間と費用どころか、確度の高い一片の情報が
 数個師団の戦力を生み出すということがあります。

氏はこの後、
「確度の高い一片の情報が
数個師団の戦力を生み出す」実例として
ゾルゲ事件について筆を進める。

ゾルゲ事件とは、ソ連生まれのドイツ人で、
ソ連のスパイであったリヒャルト・ゾルゲが
戦前の日本を舞台に行った日本最大のスパイ事件のこと。

1941年、ドイツがソ連に侵攻し、
ソ連は緒戦で大敗、首都モスクワまで
数百キロまで迫られるという状況に陥った。

ソ連の関心事は、ドイツの同盟国である日本が
これに呼応してソ連極東地方に侵攻するか否かということ。
もし日本がソ連と戦端を開くなら
ソ連も極東に一定の軍事力を貼り付けておかねばならない。

ゾルゲは近衛文麿のブレーンであった尾崎秀実から
1941年9月6日に行われた御前会議で
日本軍は、南方及び米国への進攻を軸とする、
「帝国国策遂行要領」を決定したという情報を入手、
これをソ連に通報した。

この情報を得たスターリンは
極東から数個の精鋭師団を引き抜いて欧州戦線に投入し、
ドイツ軍を押し返すことが出来た。

一片の情報が国家の運命を左右する。
あの時、ゾルゲが日本の南進情報を入手しなかったら、
あるいはゾルゲというスパイ自体が存在しなかったら、
歴史は大きく変わったでしょう。
ソ連は、たった1人のスパイがもたらした情報に救われた。

これぞ、重要情報の入手が国家の運営にとって
死活問題であるということの実例。
皮肉なことに日本はまんまとやられた側ですが・・。

そして、この種の国益に絡む重要情報を
全世界からかき集めるのが情報機関の役目。
多くの国では情報機関に数千から数万もの人員を配置し、
日々、情報と格闘している。

さて、有名どころの情報機関の名をあげてみましょうか。

 米国のCIAにFBI、旧ソ連のKGB。

ここらへんは超有名ですな。
映画にもさんざん出てくる。

 イスラエルのモサド、イギリスのSIS(MI6)

ここらへんになるとツウの領域ですか。
スパイ小説ファンならご存知でしょうね。

さて、ここに何故か、
日本の情報機関の名が出てこない。
はて、どうしてでしょうか?

実は日本には政府直属の巨大な情報機関は存在しない。
そういうものは日本には存在しないのです。
あっても小粒か、軍事情報専門か、
公安警察のような治安機関か、
公安調査庁のような意味不明の混迷機関か。

これが現代日本の弱点!
「スパイ防止法」も無ければ、
まともな情報機関も無い。
これであなた、国家と言えるのかいな。

とまあ、ここら辺を枕詞に
今日は「入門編」みたいな感じで
4つの柱を立てて、情報機関のイロハについて書きます。

◇情報機関とは何か?

◇情報収集の方法

◇情報収集と分析・評価

◇日本の情報機関


<情報機関とは何か?>

情報機関とは何か?
そもそもどういう仕事をしているのか?

まず、情報の収集が仕事の初歩。
その守備範囲は広い。
国益に絡むことなら何でもかき集める。
公開されている情報から、あっと驚く極秘情報まで。
文字情報から電波情報に至るまで。
国益に必要とあらば何でも取り揃えいたします。

さらに、情報を収集するだけが能ではありません。
世界中から仕入れた情報を分析・評価して
情報の加工までも行います。

 データ
   ↓
 インフォメーション
   ↓
 インテリジェンス

ごっそりとかき集められた膨大な粗雑データがが
情報機関の中を通ると、
あら不思議、キラキラ輝く重要情報に加工されてしまう。
この「情報の分析・評価」も情報機関の役割。

それだけではありません。
他国の情報機関とのいざこざも、
チャンチャンバラバラの駆け引きも
情報機関の立派な任務でございやす。

さて、これはちょいと外聞を憚ることですが、
薄汚い裏世界の仕事も引き受けます。
偽情報の流布、宣伝戦、心理戦、
脅迫に要人暗殺、さらには国家転覆までもが守備範囲。

とまあ、これぞ情報機関のお仕事。
なんか口調が寅さんみたいになっちゃったけど(笑)、
要するに仕事内容は以下の3種類ですな。

1,情報収集、分析・評価

  情報収集を行い、その情報を分析・評価する。

2,対諜報活動

  他国の情報機関の
  情報収集活動と情報工作の封じ込め。
  テロ組織・過激派組織の監視。

3,情報工作・謀略

  欺瞞情報の流布、非合法な謀略活動

米国でいうと、CIAは1と3が専門。
たまに2にも関わる。
FBIは2が専門。
謎に包まれた巨大機関NSA(国家安全保障局)は
1が専門の機関。

とまあ、これが情報機関の仕事でございやす。


<情報収集の方法>

情報機関の情報収集の方法に関しては
以下の4つに大別される。

◇公開情報:OSINT(Open-Source Intelligence)

 意外な話しだけど、
 全世界の情報機関が最も重視する情報がこれ。
 即ち、公開情報。

 しばしば情報機関の活動というと
 スパイもどきの活動を想像しがちだが、
 現代の情報機関の情報収集は、
 90%はこの公開情報から行っている。

 CIAなどは、あの冷戦期においても
 共産圏からの重要情報の80%以上を
 この公開情報から得ていたという。

 「本物のインテリジェンスの英雄は
 シャーロック・ホームズであって、
 ジェームス・ボンドではない。」

 これは前掲の「情報と国家戦略」に載っていた言葉。
 公開情報を丹念に収集していき、
 ノウハウを蓄積していると、
 他者が気づかないような視点から、
 あっと驚く重要情報をつかむことが出来る。

 たとえば、中国の公的機関が発表する情報は
 意図的に粉飾してあったり、
 バイアスがかかってる情報が多いが
 だいたい以下のパターンがある。

 1,体制にとって困る情報は流さないか否定する。

 2,事が大規模になったら、やむなく流すが、
   意図的に過小に言いつくろうか、
   小さなプラス面を過大に言いつのる。

 これを念頭に中国の官情報を読み取ればいい。
 要はパターンと癖を覚えること。

 中国の公開情報なんて
 素直に受け入れると目が曇ってくる。


◇人的情報:HUMINT(Human Intelligence)

 これぞ情報機関の花、
 即ちスパイなどを使った情報収集。

 ついでに言うと、米国などはこれを軽視しがち。
 技術偏重・科学偏重で、
 後述するSIGINTやIMINTを重視する傾向がある。

 逆にイスラエルのモサド、
 イギリスのSIS(MI6)などはこれを重視する。


◇電波情報:SIGINT(Signals Intelligence)

 有名なのが米国のNSA(国家安全保障局)。
 
 その主な任務は外国暗号の解読、外国通信の解析。
 全世界に電波情報収集の通信アンテナを立て、
 さらに通信傍受衛星を打ち上げて、
 全世界の電波情報の傍受と解析を行う。

 このNSAが他国と共同で構築したのが「エシュロン」。
 英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの
 アングロサクソン系諸国と共に
 五ヶ国で五万六千人、全世界120ヶ所で
 世界の電波情報を収集している。

 日本の三沢の米軍基地内にある、
 巨大な通信アンテナが実はこれ。


◇画像情報:IMINT(Imagery Intelligence)

 偵察衛星、航空機による画像情報の解析。

 日本だと防衛庁情報本部の画像・地理部や、
 内閣情報調査室内の「内閣衛星情報センター」が
 これに該当する。


<情報収集と分析・評価>

さて、情報機関の行う、

 情報収集
   ↓
 情報の分析・評価

この一連の流れですが、
これって小難しい話しに感じるかもしれないけど、
実は我々普通人が日常的に行っていること。

仕事や日常の中において
飛び交う情報の軽重を判別し、
その中から自分にとって重要情報をピックアップして
分析・評価を加える。

たとえば、ある物品を購入するとして、
それに関わる各メーカーや販売店からカタログ情報を収集し、
多くの同種の物の中から、
価格・性能・デザインなどを比較考慮した上で、
「これに決めた!」と物品の購入を決定する。

 1,情報の需要の発生
    ↓
 2,情報の収集
    ↓
 3,情報の分析・評価
    ↓
 4,行動方針の決定

この4つの流れの中で、
「情報機関」が行っているのが2と3なわけ。

もう一つ卑近な例を挙げるならば、
この私の「娘通信♪」にしてもそう。

多くの時事系ブログがそうであるように

  情報の収集
    ↓
  情報の分析・評価

これ流れで記事を構成している。

巷間の一次情報を仕入れてきて、
これにそのブログ独自の分析・評価を加える。

結果は、個々のブログによって様々で、
深いところもあれば、浅いところもある。
右に偏るところもあれば
左に偏るところもある。
よく当たるところもあれば
よく外れるところもある。
得意分野を持っているところもあれば、
オールマイティに全てこなすブログもある。

で、読者の方は
そういうブログの内容を見て、
自らの愛読ブログを選択する。

各国の情報機関が
情報収集と、情報の分析・評価で行っているのは、
基本的にこの時事系ブログの手法と一緒。

  情報の収集
    ↓
  情報の分析・評価

これを国家的規模で
全世界に対して行っているというわけ。


<日本の情報機関>

先にも触れたように、
現在、日本には政府直属の巨大な情報機関は存在しない。
米国のCIAのような
世界中から情報をかき集めるような情報機関は無い。

一応、官庁には
いくつかの情報機関は存在する。
以下、簡単に解説します。

◇内閣情報調査室

 1952年9月、吉田内閣時に
 内閣総理大臣官房に調査室という名称で設置され、
 1957年8月に内閣官房に移されて内閣調査室となった。
 1986年7月に内閣官房の改編に伴い、
 内閣情報調査室に名称変更。

 内外情報の収集と分析・評価を行う。
 人員は二百数十名。
 情報収集衛星のデータ解析を行う、
 「内閣衛星情報センター」を部内に持っている。

 しばしば「日本版CIA」のような言われ方をするが、
 それは過大評価のし過ぎ。
 CIAから抗議されかねない(笑)。
 たった二百数十名のマンパワーでは
 やれることなど限られている。
 むしろ、世間で一人歩きしている虚像の方が大きい。

 もっとも、秘密裏に
 民間の団体や企業に複数の外郭団体を作り、
 そこに情報収集を委託している可能性もあるけどね。


◇防衛庁情報本部

 防衛庁の統合幕僚会議の下に設置されている。
 人員は2千人。
 3自衛隊ごとに設置されていた情報部門を集約。
 主に日本周辺地域の軍事情報を収集し、
 分析・評価を加える。
 2006年3月から防衛庁長官直属となる予定。

 総務部、計画部、分析部、緊急・動態部、
 画像・地理部、電波部から構成されている。

 ここは軍事組織の中の情報機関であり、
 いわゆる「CIA的な」政府直属機関ではない。
 情報もやはり軍事情報がメインであり、
 日本の国益に関わる情報を根こそぎ収集ってわけじゃない。
 米国で言えば国防省のDIAがこれに相当する。


◇公安警察

 正式には警察庁警備局と
 その傘下にある各都道府県警察の警備部。
 これが「公安警察」と呼ばれている。

 治安に関する情報の収集と犯罪捜査及び逮捕を行う。
 人員はハッキリとは公表されておらず、
 推計で5~6万人と言われている。
 予算も全く公表されていない。

 担当範囲は、共産党・左翼団体・右翼団体・
 アレフ(旧オウム真理教)・朝鮮総連、
 さらに北朝鮮などの旧共産圏諸国がメイン。

 米国でいうとFBIのカウンターパートがここになる。
 実態は謎に包まれてるけど、
 最近、あれこれと暴露本が出てきて、
 謎の一端が世間の耳目に触れるようになってきた。

 純然たる情報収集機関とは言い難く、
 警察の中の一機構であり、治安機関である。
 上述の「情報機関の仕事3分類」で言うと、
 2の「対諜報活動」機関に該当する。


◇公安調査庁

 法務省の外局。
 「破防法」「団体規制法」の規定に基づき、
 暴力主義的破壊活動を行った団体と
 無差別大量殺人行為を行った団体の調査を行う。
 
 人員は千五百名。
 情報収集分野は「国内外を問わず、テロリズムや
 日本に対する治安上の脅威となる事柄に対して
 情報収集を行う」となっているが、
 対象範囲は無茶苦茶広く、
 北朝鮮・中国・ロシアから、
 オウム真理教・右翼・左翼・労働組合、
 反戦・反基地運動、反核運動(原水禁、原水協など)、
 原発反対運動、新興宗教、消費税反対運動、
 市民オンブズマンなど行政監視グループ、
 部落解放・女性解放など人権擁護運動、
 生活協同組合や産直運動、環境保護団体、
 言論団体(日本ペンクラブ等)など、
 おいおい、ここまで調べるのかよ!というぐらい、
 広く浅く収集している。

 いずれ一つの記事として書きますが、
 この組織は永らく「リストラ官庁」と揶揄されてきて、
 組織自体が組織目的を探しあぐねてるようなところがある。
 そのために組織存続の願望を込めて、
 手当たり次第に内から外まで情報を収集している。


さてさて、情報機関の入門編をザァーっと書いてきた。
この第一回目を導入部として
次回以降は個々の情報機関の詳細な解説に入る。
まずは日本の機関から。
公安警察、防衛庁情報本部等々。
それが終われば外国の情報機関へ。
CIA、KGB(現FSB)、モサド、SIS等々等。

まあ、あれこれ解説しますが、
根底に流れてるテーマは一つ。

即ち、

 情報機関無き、日本の現状を憂う!

これが主題。

日本にとって
これだけ内外の情勢が激動している時に
この資源無き加工貿易立国が
ここまで情報を軽視するのは
国家の命運を左右しかねない。

ろくに国家戦略を持たず、軍事力過小で、
しかも情報軽視の三拍子とくれば、
これは国家的規模の怠慢といっていい。

日本はこの情報収集機能と、
対諜報活動にもっと力を入れるべき。
対諜報活動は「スパイ防止法」とセットでね。
外にあっては情報を収集せず、
内にあってはスパイ天国じゃ話しにならないよ。

古人曰く、

 敵を知り、己れを知れば、百戦あやうからず。
 敵を知らずして、己れを知れば、一勝一負す。
 敵を知らず、己れを知らざれば、戦うごとに必ずあやうし

孫子謀攻篇の有名な言葉。
情報収集のエッセンスそのもの。

何故、情報が必要なのか?
情報を軽視してはいけないのか?
答えは「敵を知り、己れを知れば、百戦あやうからず。」
これに尽きると思う。



「情報」と国家戦略:太田 文雄 (著)

情報と国家―収集・分析・評価の落とし穴:
 江畑 謙介 (著)


情報機関 - Wikipedia

GENDAI NET:日本の「軍事情報」収集能力


追記:この記事は5月7日の深夜に上梓されましたが、
   あまりに文章構成がいまいちだったので、
   5月9日に大幅改訂させていただきました。
   雑な文章をお目にかけて申し訳ありませんでした m(__)m
# by misaki80sw | 2005-05-07 23:47 | 日本(政治経済)

風邪ひいてしまいました。

よって本日(5月6日)の更新は見合わせ、
明日に延期します。
コメント欄のレスもその時に。

やっぱ季節の変わり目は要注意ですなあ。
あとGW中の不摂生とか、暴飲暴食とか。
バチが当たったとしか思えません (ーー;)

明日は、前々から告知ししていた、
「日本の情報機関」シリーズを書き始めようと思っています。
日本もここまで内外の激動情勢にあぶられてると、
自前の情報機関の必要性、
重要情報の入手、その必要性を痛感させられます。

かつての戦国時代、
有能な武将はイコール優秀な情報マンでした。
ああいう実力主義の時代にあって
彼らは情報の重要性を理解していました。
一歩判断を誤れば自らが滅びるわけですから。

桶狭間の信長もそうですし、
厳島合戦での毛利元就、
彼らは情報を駆使して勝ったようなものです。
武田信玄も情報を重要視したことで知られています。

まあ、あんまり調子に乗って書いてると記事になるんで
ほどほどにしておきますが(笑)、
この「日本の情報機関」シリーズで
日本の現有情報機関の解説、
公安警察・公安調査庁・内閣情報調査室、
さらに防衛庁情報本部。
そして他国の情報機関の実態、
CIA、NSA、かつてのKGB(現FSB)、モサド、等々等。
これらを俎上にあげていこうと思っています。

あと、電波情報やネット情報の観点から、
エシュロンとかテロ組織のネット戦略とかね。

まあ、素人解説ですから、
あっと驚く極秘情報なんて出てきませんが、
公開された情報をまとめて解説していきたいと思います。

・・・さ~て、寝るか。
おやすみなさい (v_v)
# by misaki80sw | 2005-05-06 20:56 | その他

<本日の更新>

毎日小学生新聞の「萌え」解説!

中国の環境汚染、2つの事例・・貧困と経済至上主義


GWもそろそろ終わりですね~
名残惜しや。
私は本日は読書に専念していました。

今日の記事のラインナップですが↑
なんでしょうか、このアンバランスぶりは?
「環境汚染」と「萌え~!」ですから、
世の中を舐めてるとしかいいようがありません (;^_^A
まあ、娘通信♪らしいけどね。

さて、今日も歴史雑談をします。

私は最近、PS2の
「三国無双」というゲームにはまってます。
関羽・張飛・趙雲というお馴染みのキャラが
所狭しと暴れまわるゲームですが、
今、こいつは売れに売れています。

コーエーという会社が作ってるゲームですが、
今さらながらに日本での
三国志の愛されぶりに驚かされますね。
本場の中国では、三国志も確かに人気はあるけど、
それ以上に南宋の岳飛とか、
あっちの方が人気は高いようです。

西暦でいうと3世紀ぐらいの
中国の3分割された地方政府に属する武将達が
この後世の現代日本において
かくも人気を誇るとは不思議な気がしますね。

やっぱり三国志は名場面が多いですからね~。
私が好きな場面を上げるとするならば、
もう定番中の定番すぎて
あえて言うのも恥ずかしい気もしますが、
やはり「長坂の戦い」での張飛と趙雲でしょう。

あの長坂橋に1人仁王立ちし、
曹軍百万を睨みつける張飛の胆力はハンパじゃありません。
かっこよすぎです。
「燕人張飛かくありき」です。

さらに幼主阿斗を小脇に抱えて
曹軍百万の中を疾駆する趙雲子竜。
かっこよすぎです。
まさに英雄そのものです。

あれが史実であるか否か?
そんな野暮な話はよしましょう。
そういう興醒めなことを言う輩は
青竜円月刀で叩っ斬ってやります。

まあ、物語的な名場面もいいのですが、
やはり三国志とくれば軍略も語りましょうぞ。

軍略とくれば諸葛孔明、
諸葛亮とくれば「天下三分の計」ですな。

あの「三顧の礼」と呼ばれる草櫨対の名場面。
諸葛亮は、当時荊州に寄寓していた劉備相手に
天下三分の計を語ります。
諸葛亮は二十九歳。
劉備は四十半ばを越えています。

魏呉に二分された天下に
新たに第三勢力を作り出し、
呉と盟を結び、魏を討ち、天下を圧する。

ああ、見事なもんです。
雄大そのものです。
戦略構想を語り、
現実をそのとおりに動かしていったわけですから。

この草櫨対から6年後、
荊州を掌中に収めた劉備は
成都を落とし、益州を制圧し、
ここに中国大陸は三国鼎立の時代を迎えます。

ただし、天下三分の計は
半ば成功し、半ば失敗しました。
戦略構想としては正しかったのでしょうが、
実行の段階で齟齬が起きました。
荊州の失陥です。

荊州を任せていた関羽が政略をあやまり、
魏と呉の両者を敵に回してしまい、
荊州は両国によって分割され、
関羽は呉軍によって斬られます。
この時、天下三分の計は半ば破錠してしまいました。

諸葛亮の構想では
益州と荊州を併せ持った上で、

1、呉との同盟

2、魏を西と南の二方向から脅かす

これが戦略の根本条件となっていました。

しかし、荊州の失陥によって
侵攻拠点は魏の西部にあたる漢中方面からのみとなり、
荊州からの呉軍との共同出兵が不可能となりました。
おそらく、諸葛亮はこの時、
落胆と共に戦略的敗北を悟ったと思います。

この後、彼は五度に渡る北伐を行いますが、
戦略的敗北を戦術的勝利で覆すのは難しいものです。
結局、彼は志ならずして五丈原で没しますが、
三国志の正史の作者である陳寿に、
軍略の才能に疑問を付けられてしまいます。

しかし、これは陳寿が軍略を知らなさすぎるのです。
荊州を無くした片手の状態で魏に挑みかかり、
強大国である魏を相手に
互角の戦いを演じ続けたわけですから、
もの凄い才能だと思います。

与えられた所与の劣勢条件を、
局面局面の勝利の連続によって覆そうとする彼の試みは、
ある意味、無謀だったのかもしれませんが、
忠義なる人物が彼の立場にいたならば
百人が百人、彼と同じ行動をするのではないでしょうか?
明敏な諸葛亮は自らの無謀さを自覚していたでしょう。

所詮、蜀漢とは
この劉備・諸葛亮のコンビが創り上げた幻のような帝国です。
座して滅亡を待つよりは
一縷の可能性にかけて出兵を選んだ彼の選択は
間違っていたとは思いません。

同じ蜀内でも文官たちの間には、
北伐などをせず、
内政に力を入れるべきとの意見もありましたが、
諸葛亮はこれを退けています。
彼には己の器才が見えていたでしょう。
驕るわけでもなく、高ぶるわけでもなく、
ごく客観的に己が不世出の器量であることを
自覚していたと思います。

そういう逸材はそうそう世に現れるわけではなく、
自分の存命中に魏を攻撃し、
わずかな望みであってもその成功に賭けてみようと
諸葛亮は計算を弾いたのだと思います。

彼の五度に渡る北伐は
その底辺に悲愴感が漂っています。
それは国勢的に勝利を想定し難い蜀という、
小国を背負った諸葛亮のつらさそのものです。


さて、本日の補欠ニュースです。


<国際>

中国、中南米諸国に急接近 米への脅威懸念も

 これ、米国は相当神経を尖らせてるね。
 自分とこの裏庭だもんね。

 (1)中国はキューバと軍事交流を強め、
    旧ソ連が米国に対して
    電子情報収集の拠点としていた、
    通信基地などの使用を始めた

 (2)中国はキューバ北東部の基地で
    米軍の衛星通信を捕捉し、
    東部の基地では
    米国の電話の傍受を主に続けている
 
 (3)中国はアルゼンチンに
    中国製の戦闘爆撃機を売る交渉を進めている

 (4)中国はベネズエラに特殊部隊を送り、
    左派の現政権を支持している

 (5)中国はブラジルと偵察衛星打ち上げの合意を結び、
    米国の宇宙での軍事関連情報活動を
    妨害できる立場を得ようとしている

 特にキューバとベネズエラは大きい。
 ベネズエラの場合は原油が目当て。

 かつてのソ連の役割を中国が果たそうとしている。
 米国は中国を
 「敵国」と明確に思い始めているでしょう。


日米が戦略対話格上げ 長官が提案、外相級に

 外相級に格上げすると共に、
 事例によっては
 オーストラリアの外相を交えた、
 三者対話も行うとのこと。

 日米豪枢軸ですか。


<中国>台湾にパンダ一つがい贈ると表明
 融和ムードを演出


 珍獣のいる国はお得ですね。


ブッシュ政権2期目100日 支持率低下
 内憂外患…正念場


 ガソリン代の高騰が
 支持率を下げてるとのこと。

 私は、何故かは分からないけど、
 ブッシュ政権は原油高騰を
 意図的に放置してるような気がする。


姜帝圭監督「中・日の歴史歪曲、韓流ブーム消すため」

 韓国の世論がこういうレベルならば
 この国はいつまでたっても恐くない。

 「気違いに刃物」という意味では面倒だけど、
 理知的な競争相手という意味では
 自他を客観視できない韓国は全く恐くない。


日米と中国のバランサー アジアで存在感増すインド

 インドが注目を浴びてる理由は3つ

 1,経済発展

 2,IT系に特異な才能がある。

 3,米中対立、日中対立の漁夫の利


反日デモ:当局が抗日記念日に必死の抑えこみ
中国、反日デモを阻止 天安門広場を一時封鎖

 中国もガチガチの統制で押さえ込んでます。

 これが反体制運動と
 年間5万件以上と言われる農民デモに
 波及することが恐いのでしょう。


【時論】北核問題、戦略的決断をする時
核問題は「重大局面」 韓国外相、北に協議復帰を要求
「非常に挑発的」と強く批判 北の核移転発言で米大使

 北朝鮮の核問題。
 徐々に緊迫を増しています。
 
 韓国もようやく事の大きさに気づいたみたい。
 もう北東アジアのバランサーなんて
 アホなことを言う余裕もないでしょう。
 

<国内・政経>

空自に新輸送団 大規模改編 海外派遣へ即応

 空自の南西シフト着々と。

 遅々とした歩みだけど
 対中・対北朝鮮シフトに移行している。


<IT系>

携帯で「ジーコジーコ」
 黒電話モチーフのカスタムジャケット


本日の雑談&補欠ニュース 2005/05/04_a0018138_2593691.jpg


 これは渋いです。
 渋すぎです。

 メーカーサイトはこちら↓

 *NIPPON STYLE:P901i専用黒電話カスタムジャケット

   家の玄関脇や居間の隅で黒い光沢を放ち、
   突然大音量で鳴り出し自己主張を始める、
   そのモノリスにも似た物体は、
   現代日本人の心象風景の一部を
   形作っていると言っても過言ではありません

 この宣伝の文章も渋すぎです(笑)


みんなが欲しい音楽携帯は……ウォークマン携帯?

 私が希望する音楽携帯は

 ◇512MBぐらいのフラッシュメモリ搭載。

 ◇iTunesと連動が可能。

 ◇miniSDカード装着可能

 ◇MP3が使える。

 こんなとこでしょうか。


<仰天・面白系>

亀を背中にしょって機内持込みが発覚

 亀仙人様が頭に浮かんだよ (^^;)


<他のサイト・ブログ紹介>

中岡望の目からウロコのアメリカ:
 突出する日本の米財務省証券への投資
 外貨準備増加は何を意味するのか


 2005年2月末の海外の国別の
 米財務省証券の保有額の順位
 (単位:10億ドル)

 日本           702.0
 中国           196.5
 英国           171.0
 韓国           67.1
 OPEC          65.3 
 ドイツ           59.5
 台湾           59.1
 スイス          53.2

 この日本の数字は異常だよ。
 
 どうせ為替リスクで目減りして
 最終的にはドル暴落で
 吹っ飛んでしまうような気がする。


Adazakura's Weblog:CXの開発を急げ

 ミリオタ心をくすぐる徒桜さんの記事。

 でも、CX(次期輸送機)って双発だったの!?
 今さらながらに知りました。
 なんで四発にしなかったんだろ?

 今回のPX(次期固定翼哨戒機)とCXの
 機体や搭載機器の共用化ですが、
 私が防衛庁に望みたいのは
 共有化に伴うコストの削減と
 共有化に伴う性能の低減と
 そのメリット・デメリットの部分を
 明らかにすることだね。

 全くメリットだけってことはあり得ないでしょう。
 運用の全く違う機種の
 一部とはいえ機体の共有化をやったわけで
 一定のデメリットは出てるはず。

 ここらへんを納税者に対して
 きちんと明らかにすべき。


人権擁護法案を考える市民の会:御礼

 5月1日の人権擁護法反対のデモと集会は
 なんと500人が集結したとのこと。
 よかったよかった (^。^;)ホッ!

 参加した方々、主催者の皆様、
 お疲れ様でございました m(__)m


川崎市の教育を考える会(仮):
 フジ報道2001・性教育&ジェンダーフリー大論争1[雑感]


 フジの「報道2001」で
 ジェンダーフリーの特集をやっていたそうで
 私、全然知らなかった (>_<)

 これをBruckner04さんがテキスト化している。
 同問題に興味有る方必見!

 *フジ報道2001
  性教育&ジェンダーフリー大論争・2[承前]


 *フジ報道2001
  性教育&ジェンダーフリー大論争・3[性教育編1]


 *フジ報道2001
  性教育&ジェンダーフリー大論争・4[性教育編2]


 *フジ報道2001
  性教育&ジェンダーフリー大論争・5[性教育編3]


 *フジ報道2001
  性教育&ジェンダーフリー大論争・6[性教育編4]



<今日のAA>

反日デモ 当局が抗日記念日に必死の抑えこみ

日米と中国のバランサー
 アジアで存在感増すインド その1


日米と中国のバランサー
 アジアで存在感増すインド その2


日米と中国のバランサー
 アジアで存在感増すインド その3


【韓国】町村外相の「日本の謝罪は独より多い」発言に
 市民団体が猛非難


天安門広場を4日早朝から半日閉鎖予定
 不測の事態警戒か 北京 その1


天安門広場を4日早朝から半日閉鎖予定
 不測の事態警戒か 北京 その2

# by misaki80sw | 2005-05-05 03:13 | 補欠ニュース

私の愛読メルマガに「中国最新情報」ってのがあって、
普段日本人には縁のない中国の国内紙を翻訳して
ニュースを載っけている。
ブログにもなっていて
これがなかなか情報豊富で重宝している。

中国最新情報

この「中国最新情報」で
3月中旬から4月末にかけて
中国の環境汚染の実態が連載されていた。

これはかなりの衝撃だった。
データ云々よりも
ああいうルポ記事形式で書かれると凄く生々しくて
毎号毎号、思わず見入ってしまった。

今日はその記事を紹介します。
ただし、他人様のメルマガなんで
一部引用と概略紹介にとどめておきます。
興味の湧いた方は本文を読んでみてください。


環境系記事は2つで
連載は6回に渡って行われた。

まず、貴州省のフッ素・ヒ素中毒の実態の記事。

中国最新情報 No.297 2005年3月15日
 ~貴州省西部の石炭燃焼がもたらす健康被害 上


中国最新情報 No.298 2005年3月22日
 ~貴州省西部の石炭燃焼がもたらす健康被害 下


 「南方都市報」3月2日付け記事の翻訳。
 後にこの内容が台湾系メディアで報じられて
 大反響を巻き起こした。

 中国西部に位置する貴州省で、
 同省総人口の約半分に当たる1900万人に
 フッ素中毒やヒ素中毒などの症状が出ている。

 貴州省疾病管理センターの安冬・副主任によると、
 典型的な症状は、
 ◇歯が黄色または黒色に変色する。
 ◇足がO脚やX脚に彎曲する(杖なしでは歩けない)。
 ◇腰が曲がったり、背骨が彎曲してラクダのようになる。
 ◇下半身マヒ。
 ◇腕が曲がったまま、真直ぐに伸ばせなくなる。

 中毒症状は1970年代から
 同省西部地区においてみられるようになり、
 特に同省北西部に位置する織金県荷花村が
 最も深刻な状況にある。

 同村では上記の症状が一般的にみられるほか、
 村民の身長が175cmを越えるケースはなく、
 70歳まで生きる人もごく稀にしかいないという。
 
 当初は奇病とされていたが、
 その後、ヒ素やフッ素を多量に含んだ質の悪い石炭を
 日常生活で使用していることが原因と判明。
 石炭を燃やす多目的コンロも
 不完全燃焼の起きやすいものが使われており、
 また住居の風通しが悪く、
 煙が室内にこもり易いというのも一因とされている。

 貴州省は中国でも有数の貧困地区。
 経済成長の立ち後れが廉価な有毒炭の使用や
 省当局による中毒対策の遅れにつながっているとみられる。

 『普通の石炭であぶったトウモロコシを与えたマウスに
 死亡したものはなく、成長も正常であった。
 しかし、砒素含有量の高い石炭であぶったトウモロコシを
 与えたマウスは15日以内にすべて死亡し、
 しかも腸、肝臓、腎臓に明らかな損傷が見られたという』

 『「歩くと足から流血する。
 数年前からこんな状態で、ベットから離れられない」
 邵先進さんは話すうちにおえつし始めた。
 まるで枯れた井戸からあふれ出る水のように涙にむせび、
 涙が顔いっぱいに重なり合っているしわににじんだ。
 伸ばした手はヒキガエルの皮のようで、
 ただれて化膿している。』

 『荷花村では、
 骨がまだ損傷を受けていない若い人さえも腰を曲げ、
 猫背で歩く人がそこかしこで見られる。
 村人の身長は1メートル70センチ以下で、
 しかも大部分がやせこけている。
 「ここの人が外へ働きに行っても、雇ってもらえない」
 と侯基文さんは言う。
 彼は35歳で、身長は1メートル60センチに満たず、
 足は外へ湾曲している。
 年齢が高くなると、体の障害が労働能力を喪失させ、
 歩行も困難になる。
 転んだら立ち上がることもできず、
 ベットで死ぬのを待つだけである。』

 『「異常な死に方をする人はとても多く、
 転んで亡くなる人が多い」と王徳頂課長は言う。
 村では70歳まで生きる人はほとんどいない。
 普通は50、60歳で亡くなるという。』

 ちなみに元記事はこちらです↓

 *貴州全省一半人口フッ素中毒
  
 写真が悲惨すぎて言葉を失ってしまう・・


次に天津・西堤頭鎮の化学工場による環境汚染の記事。

中国最新情報 No.300 2005年4月5日
 ~天津の西堤頭鎮 工業汚染でがん患者大量発生1


中国最新情報 No.301 2005年4月12日
 ~天津の西堤頭鎮 工業汚染でがん患者大量発生2


中国最新情報 No.302 2005年4月19日
 ~天津の西堤頭鎮 工業汚染でがん患者大量発生3


中国最新情報 No.303 2005年4月26日
 ~天津の西堤頭鎮 工業汚染でがん患者大量発生4


 「中国質量万里行雑誌社」の
 3月1日付け記事の翻訳。
 
 天津近郊にある西堤頭鎮の2つの村、
 西堤頭村と劉快庄村では癌で亡くなる人が急増している。

 『西堤頭村の人口は6777人前後であり、
 劉快庄村は6100人前後である。
 2村のがんの発病率は、
 西堤頭村が10万人当たり1313.26人、
 劉快庄村が10万人当たり2081.97人である。
 中国疾病予防制御センターーの呉凡主任によると、
 中国におけるがんの発生率は
 およそ10万人当たり70人である。』

 『1軒の家に3人のがんの患者がいて、
 隣り合っている5軒の家に8人のがん患者がいて、
 1つの村に百二十数名のがん患者がいる。』

 原因は、村を包囲するように建設されている、
 100社近い化学工場。
 これが汚染された水、汚染された空気、
 汚染された排出物を処理せずに垂れ流されている。

 『化学工場の排煙はそのまま排出されており、
 排水も同様である。
 西堤頭村には、永定新河に平行した溝がある。
 村民は、この溝は企業が
 汚染物質排出に使用していると教えてくれた。
 近づいて見ると、溝の水は赤色で、
 そのため村民はこの用水路を小紅河と呼んでいる。
 小紅河の汚水はどこから来ているのだろうか?。
 永定新河の堤防から1本のパイプを見える。
 このパイプは直接小紅河に突き出しており、
 何社かの化学工場がある方から伸びて来ている。
 パイプから小紅河に
 真っ赤な汚水が排出されている。』

 『調査では、
 汚染物質排出に使われている豊産河、
 八米河、小紅河は
 最終的には永定新河に流れ込んでおり、
 永定新河は直接渤海に流れ込んでいる。』

 『2004年12月31日、初めて西堤頭を取材した。
 「においをかいでください!」
 車の窓を開けて、頭を外に出してみると、
 車内と車外の差がはっきりとしている。
 車外の空気は悪臭が充満しており、
 香料のにおいも入り混じっている。
 村民の案内で、西堤頭村を車で一周したところ、
 この村のどこでも、
 はっきりと鼻につく刺激臭が感じられた。』

 『「汚染物質の排出口に行くと、
 もっとひどいにおいがする」
 という村民の王徳華さんの案内で、
 現代化学工場の古い工場地区にある豊産河の
 汚染物質の排出口に行ってみた。
 まだそんなに近づいていないところから、
 はっきりとした悪臭が鼻についた。
 さらに近づくと、濃い悪臭で窒息しそうである。
 たちまち呼吸困難になり、脳の左側が痛んだ。』

 『12社の化学工場に対し
 無作為に臭気濃度の抽出検査を行った結果、
 すべて国家標準を上回っており、
 ひどいものは12倍にもなっていた。』
 
 『劉快庄村においては、
 がんで死んだりがんになったりすることは、
 村民にとって特別なニュースでも何でもない。
 「多過ぎるんです」と村民の李子江さんは教えてくれた。
 今年49歳の李子江さんは肝臓がんの末期患者で、
 今ではがんが肺、心臓にまで広がっている。
 「今は生きているだけです。それだけです」。
 李子江さんは今既に治療を放棄しており、
 そのときを待っているだけだという。』

 『記者は20人以上のがん患者と接触したのだが、
 田洪樹さんのような経験はよくあるとだとわかった。
 がん判明・治療費の用意・費用の高額化・治療放棄。
 がんに対し、村民は最終的には
 どうしても沈黙と忍耐に戻るしかない。』

 『「集団所有制のころから野菜をつくり始めた。
 あのころは、西堤頭産の白菜といえば特によく売れた」
 と以前のことを劉立軍さんはとても誇らしげに語った。
 「今では趙沽里(天津の野菜市場)で白菜を売ろうとしても、
 西堤頭産と聞くだけで、野菜を買う人がないだけではなく、
 となりの野菜売りまで違う場所に売り場を変える」
 「みんな西堤頭の野菜には毒があると言うんです。』

 地元政府は、この環境汚染に対して
 手をこまねいている状態で、
 彼らのやったことは
 「安心な水」を有料で村民に売り出すことと、
 溝に垂れ流していた汚染物質を
 地下パイプを通じて川に流し込むこと。
 これだけ。

 記事を読んでると
 企業側と地方政府の間に
 何らかの癒着があるように感じられる。


以上、「中国最新情報」の
環境汚染記事の概略と一部引用でした。

2つめの天津・西堤頭鎮の汚染水は
もろに渤海湾に流れ込んでおり、
実は渤海湾と言えば
最近、人工衛星の画像からも汚染がハッキリと見えほどの
海水汚染で知られるようになった。

近海の汚染が依然深刻:国家海洋局が公報を発表

中国:近海の水質汚染が深刻に、国家海洋局

環境対策無しの経済発展。
実利優先の産業政策と人権など意に介さない国家運営。

かつてソ連邦が崩壊した時、
その環境汚染の実態が公開され、
世界は衝撃を受けた。
共産主義独裁下での国土の汚染。

こういう民意無視の一党独裁国家が
経済成長至上主義に走りだした時、
誰も歯止めをかける者は無く、
この西堤頭鎮の化学工場群のような事例が
中国各地に無数にあって
かの国の土壌・大気・河川・海洋は
年を追うごとに汚染が拡大している。



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