生きた魚を針で眠らせ出荷「快眠活魚」・・歴史的な発明!
2004年 08月 29日
☆活魚を針で眠らせ出荷
生きている魚を針で刺して眠らせ、
新鮮なまま出荷する鮮魚商が村上市に登場した。
魚を眠らせることができる「針師」は全国で5人しかいないといい、
その1人が同市内で割烹(かっぽう)を営む伴田浩市さん(34)。
水槽付きの専用車で出荷する活魚と比べ
食味が落ちないのが特長だという。
「眠る活魚」の商品化には、岩船漁協も全面協力するといい、
漁業者も県内初の試みに期待を寄せている。
針で魚を睡眠状態にして出荷する技術は、
大分県の人が98年に考案、「快眠活魚」と商標登録されている。
畳針のような長さ20センチほどの針を魚のある個所に刺すと、
魚は運動神経がまひし、呼吸はするものの泳げなくなる。
この技術を伝授されたのは、
北海道、東京都、和歌山県のそれぞれ1人と伴田さんだけ。
「活魚」を売り物に、
店内に大きな水槽を置いて魚を泳がせている店は多い。
しかし、これだと魚はエサを食べず、
泳いでエネルギーを使うだけなので、
「やせて食味は落ちるはず」と県水産海洋試験所。
また、活魚の運搬には
水槽付きの専用車が必要など費用も余計にかかる。
「快眠活魚」の場合、魚は呼吸をしているが泳がないため、
海水と空気を入れたポリ袋に魚を詰め、
冷蔵付きの宅配便で簡単に発送できる。
さばく際も魚が跳ねないため料理もしやすい。
「料理屋でも大きな魚の保管場所はいらない。
氷などでの水温の管理と空気を入れてもらえれば
1~2週間は大丈夫」と言う。
快眠活魚を発売するため、伴田さんはこの20日、
「おさかな日本海」と名付けた会社を同市内の3人と設立した。
出荷は9月15日から。
一般の人も同社(0254・56・6733)や
岩船漁協で購入できる。
(アサヒ・コム)
げげっ、こういうことって可能なの!?
驚きだね (@_@;)
上記ニュースの伴田さんは新潟県村上市の人。
大分県鶴見町の卜部俊郎さんから、この秘術を伝授された。
まあ、秘術っていうとなにやら怪しげだけど、
この「快眠活魚」という技術は
この世界ではけっこうメジャーらしくて、
グーグルで検索するとかなりのサイトが引っかかった。
卜部さんがこの技術を編み出した動機は、
「生きた魚を日本のどこでも安く
食べてもらえる方法はないのだろうか」
と思ったことだという。
その結果、針で魚の運動神経だけをマヒさせ、
生きたままで動けなくする方法を考案した。
まさに「お前はもう死んでいる!」状態(笑)。
こうしておいて、魚をケースに並べ、海水の循環を保つだけで
従来の10倍以上の量の活魚輸送が可能になったとのこと。
呼吸するだけなので魚のストレスも少なく、
海水の汚れも少ない。
卜部さんの偉いとことは、この技術を独占せず、
来る者拒まずで他の人にも伝授した。
今は「おさかな企画」という会社を仲間と立ち上げ、
新鮮な魚を店頭や消費者に届けることに
情熱を燃やしているとのこと。
ちなみに、上記ニュース中の
伴田さんの「おさかな日本海」は
「おさかな企画」の北陸・甲信越地区の代理店。
凄いニュースだと思うよ。
漁業の世界では世界史的な発明じゃないの。
偉い人もいるもんだね。
*有限会社「おさかな企画」サイト
*FNSドキュメンタリー:「眠る魚を東へ西へ 夢追人の挑戦」
*大分合同新聞:
「日本一新鮮な魚屋さん“快眠活魚”を道の駅で」