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by misaki80sw

ジェンダーフリー考 その2・・尻尾の無い狐


さて、「ジェンダーフリー考」の第二弾です。
このシリーズはあまり間隔を開けずに
ダダダっと連打していきます。

前回の「堂本県政の狂思想」で
現在、千葉県で進行中の狂った思想統制を通して
ジェンダーフリーというものの異質さ、
常識から外れた狂気を書きました。

ジェンダーフリー考 その1・・堂本県政の狂思想

今日は、この思想の淵源となっている、
数人の思想家を俎上に上げてみたいと思います。


日本のジェンダーフリーの論客で
今は故人となった山本直秀という人がいる。
あの宮台真司氏などと複数の共著がある。

この人物、性教育にえらく熱心で
教育研究協議会(略称・性教協)という教育団体を創設し、
ジェンダーフリー譲りの性教育と性的自己決定権を
年端もゆかぬ小中学生に鼓吹してまわった。
一連の過激性教育の風潮は、この人物の影響が大きい。

彼の年来の主張は

  「人類の21世紀におけるユートピアは
  『エロスコンミューン』の実現にある」

  「エロスとは、全ての人間の根底にある、
  人とのゆるぎない性的ふれあい」

  「コンミューンとは
  管理や抑圧や統治されることから自らを解放する、
  自覚的な個人と個人の共同体」

  「いつ誰とどんな状況で性交するかは
  まったくその人の生き方であって、
  人から指示されたり規制されたりすることのない、
  主体性にかかっている」

  「男と女とは、たとえ結婚に結びつかなくても、
  婚前でも、婚外でも、たとえ親子の不倫でも、師弟でも、
  まさに階級や身分や制度を越えて
  愛し合うことが可能なのである」

婚前でも、婚外でも、はたまた親子でも・・
絶句としかいいようがない。
それって近親相姦ってことでしょ。
こういう人物が教育現場で子どもに性教育を教えていた。

さて、この山本直英氏が信奉していたのが、
ジェンダーフリーの淵源の一人、ヴィルヘルム・ライヒ。

ヴィルヘルム・ライヒ。
フロイトのもっとも有能な弟子の一人。
マルクス主義と精神分析を総合し、性の全面開放を訴えた。
性的エネルギーの開放を阻害する道徳・制度などが、
性障害や神経症の原因であり、
抑圧を解き、性を開放することが
社会革命の根本と説いた。

ライヒ曰く、

  「結婚まで純潔を
  守らなければならないという考え方は
  ブルジョアが発明したものだ」

マルクス主義の影響がプンプンと臭っているね。

彼は家庭を壊すことが革命につながると考え、
家庭を壊すために性を解放する必要があると語った。

  「まっさきに保守主義の
  イデオロギー的雰囲気がはぐくまれる場所が
  権威主義的な家庭だ」

  「保守主義の考え方によれば
  家庭こそ基盤、つまり人間生活の中心というわけだ」

彼は意図的・戦略的に家庭を崩壊させ、
国家秩序・資本主義、
そして社会道徳の解体を構想した。

狂ってます。
狂ってるとしか思えません。

以下、続々と狂気の思想家が続きます。


次はクリシティーヌ・デルフィ。
ジェンダーフリー教徒の神様みたいな存在。

日本の体制内に
ジェンダーフリーの思想が入り込んだのが
平成11年の男女共同参画社会基本法の成立。
ジェンダーフリー派はこの法律を拠り所に
各都道府県にて同様の男女共同参画条例を制定させ、
思想の浸透を図っている。

この法律を制定する際に
原案作成の審議会のメンバーに
ジェンダーフリー論客の大御所的存在、
東大教授の大沢真理氏が選ばれた。
法案は、ほとんど彼女が主導する形で作成され、
やがて国会にて満場一致で可決された。
まあ、この成立過程は後日詳しく書きます。

で、この大沢真理氏の
思想的なバックボーンになっているのが
上記のクリシティーヌ・デルフィ。

クリシティーヌ・デルフィ。
フランスのマルクス主義フェミニスト。
「ジェンダーフリー」の創始者。
かの上野千鶴子東大教授が、
「八〇年代のジェンダー論に決定的な転換をもちこんだ」
と評した人物。

ラジカル・唯物論フェミニストと呼ばれ、
男女の権力関係を分析する概念としてジェンダー論を展開。
フランスの組織「女性解放運動」(MLF)の中心的存在で、
男性に対する強烈な敵愾心を持つ活動家だった。

デルフィの思想は
従来の「セックスとジェンダーは別ものだが、
まずセックスがありジェンダーがある」という見方を否定し、
「ジェンダーがセックスよりも先行する」と、
ジェンダーからの解放を訴えた。
デルフィは、社会的にも生物学的にも
男女を区別することを否定するという、
ラジカルな理論を構築した。

セックス(sex)とは「生物学的性別」、
ジェンダー(gender)とは「社会的文化的性別」をさす。

つまり図解すると、

  セックス(性別)があるから
     ↓
  ジェンダーが生まれた
  
のではなく、

  ジェンダーがあるから
     ↓
  セックス(性別)があるのだ

どう考えても倒錯してるんですが・・。

男性と女性は作られるのであって、
生まれながらのものではない。
男女に本質的な違いなどない。
そういう発想。

どう考えても無茶苦茶なんですが・・。

大沢真理氏の言葉で言うならば

  「セックスが基礎で、
  その上にジェンダーがあるのではなくて、
  ジェンダーがまずあって
  それがあいまいなセックスにまで
  二分法で規定的な力を与えている」

  「女で妊娠したことがある人だったら、
  自分はメスだと言えるかもしれないが、
  私などは妊娠したことがないから
  自分をメスだと言い切る自信がない」

いや、あなたはメスですよ。
厳然とした女性ですよ。

このデルフィの思想は
男女の生物的な違い、生得的な違いを
全く無視してしまっている。
「そんなもん無いよ」と自ら目をふさいでいる。

この発想の根本にあるのは
彼女の男性に対する憎しみと劣等感。
それを心理的に補償し、
己の劣等感を無意識に正当化させるために
こういう理論を考え出したんでしょう。
  
フロイト的に言うならば
性とは何と恐るべきものか。
歪みが劣等感を作り、劣等感が補償を求める。
そして自ら「男女の違いなんてない」という、
現実無視の、現実逃避の理論を構築してしまう。
そしてそれが似たような傾向性を持つ人間の心を捉え、
狂気の思想が社会に拡散していく。

さらにデルフィは語る。

  「セクシュアリティはまさに階級闘争の場である。
  それは二つの集団が対決する場の一つであるが、
  それらの集団とは労働者と資本家ではなく、
  社会における男性と社会における女性である。」

  「唯物論を女性の抑圧に応用することと、
  マルクスの資本論の分析を
  家父長制の分析にもとづいて再検討することである」

  「階級、搾取という概念は唯物論の鍵概念である」

  「明らかにマルクス主義は唯物主義である。
  そのかぎりにおいてマルクス主義は
  フェミニズムに応用できる」

マルキストの本領発揮。
彼女の思想はマルクス主義の
階級憎悪・階級闘争の発想とパターンが同じ。


さて、次はフランソワ・マリー・フーリエ。

「空想的社会主義者」フランソワ・マリー・フーリエ。
フェミニズムという言葉を作った人物。
究極のユートピア「ファランステール」
と呼ばれる共同体を夢見た。

「ファランステール」においては
一夫一婦制は無意味となり、
恋愛や結婚は従来の拘束から解き放たれ、
風俗の自由が提唱され、
夫婦が「2組、3組、あるいは4組」で交際することが可能になる。
さらに家族が廃止されるので、料理、育児等が外注化される。
「スカートとズボンという対照的な衣服で
男女を区別すること」が避けられる。

これはカルト思想そのもの。
このフランソワ・マリー・フーリエの思想は
後のマルクス主義に大きな影響を与えた。


さてさて、3人の
ジェンダーフリーの淵源たる人物をあげました。

◇ヴィルヘルム・ライヒ

◇クリシティーヌ・デルフィ

◇フランソワ・マリー・フーリエ

この3者の共通項は何でしょうか?

ハイ、そうなんです。
マルクス主義です。
ジェンダーフリーの根っこには
マルクス主義的な価値観が隠れていたわけ。

実は、そのマルクス主義において、
ジェンダーフリーもどきの家族解体と性の解放路線は
一度実験済みなんです。

ロシア革命後の1926年。
ソ連はその革命理念に則って、
家族を解体し、女性解放を実行しようと以下の諸策を行った。

◇離婚の要件を緩和し、当事者合意の場合はもちろん、
 一方の請求だけでも裁判所はこれを認める。

◇犯罪であった近親相姦、姦通を刑法から削除。

◇堕胎は認定された医師の所へ行けば可能。

◇子どもたちは、親の権威よりも
 共産主義のほうが重要であり、
 親が反動的態度に出たときは
 共産主義精神で弾劾せよ、と教えられた。

◇「重婚」を合法化。

その結果、何が起こったか?
倫理の崩壊である。
そして社会秩序の崩壊。

◎堕胎と離婚の濫用
 1934年の離婚率は37パーセント

◎片親家庭の急増

◎出生率の急減

◎少年非行の急増

◎性の乱脈化

◎治安の悪化と秩序の崩壊。

ソビエト政府の行った、
「革命理論に基づいた」家庭の解体と女性の解放は
社会に惨状をもたらした。

あわてたスターリンは、これらの政策を見直し、
1934年、家族政策および女性政策を
従来のものに改めた。

壮大な文明実験とその失敗。
その失敗済みの思想を
現代日本において、またも繰り返そうとしている。

欧米にて生まれた狂気の思想は
時を経て、海を渡り、
少数の日本人の劣等感に食い込み、
やがて体制内に入り込み、
今や猛威を振るい始めている。

ベルリンの壁崩壊で
一度は死んだように見えた共産主義が
別な仮面をつけて日本を浸食しつつある。

「日本を貶める人々たち」という本の中で
渡部昇一さんがジェンダーフリーについて
たとえ話を書いていた。

  狐が罠にかかって逃げるために
  自分の尻尾を食いちぎって逃げた。

  狐はフサフサした尻尾がないと格好が悪いのだけど、
  この狐は負け惜しみが強くて、若い狐たちに
  「あなたたちは、いつまでそんな尻尾をつけてるの。
  私を見てごらん。
  軽々と走れるし、邪魔がなくていいよ。」と言った。

  若い狐たちは
  「僕たちも取ってみようかな」と言い出した。
  歳を取った狐たちは
  「昔から付いてるんだから、しばらくつけておいたら」
  と忠告したが、若い狐たちは結局取ってしまった。

  やがて冬が来て、
  若い狐たちはフサフサした尻尾が無くて
  寒さに凍えそうになった。


尻尾の無い狐どもが
己の劣等感を無意識に補償しようとして
愚にもつかない思想で
他人から大事なものを切り取ってしまおうとしている。
巧妙な理屈と幻想を掲げて
狂った思想に他人を同化させようとしている。

このブログの読者は
おそらく20代から40代ぐらいがメインでしょう。
年少であっても10代後半ぐらいかな。

その下の年齢層あたりから
ジェンダーフリーとフェミニズムの思想的洗礼を
教育の場において少しづつ受け始めている。
それは無意識に巧妙に、思想の実態を曝すことなく、
「自分は自分らしく」「個の確立」
「性の自己決定権」という言葉に正体を隠している。


さて、次回は、
このジェンダーフリーが
日本の体制内に入り込み、法制化され、
年9兆円もの予算を獲得していく過程を書きます。



ジェンダーフリー初級編

フェミニズムとマルクス主義

ライヒとその流れ


新・国民の油断
  「ジェンダーフリー」「過激な性教育」が日本を亡ぼす
 西尾 幹二 (著), 八木 秀次 (著)


反「人権」宣言 ちくま新書
 八木 秀次 (著)


日本を貶(おとし)める人々
 渡部 昇一 (著), 新田 均 (著), 八木 秀次 (著)


フェミニズムの害毒 林 道義 (著)


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by misaki80sw | 2005-03-10 00:26 | 反ジェンフリ・反フェミニズム