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by misaki80sw

EU、対中武器輸出解禁の動き・・仏独枢軸と日米台。


対中武器禁輸解除を・仏国防相

 アリヨマリ仏国防相は3日講演し、
 対中武器禁輸を「解除すべきだ」と
 改めて仏政府の立場を強調した。
 「中国は外交、政治、経済のあらゆる面で
 完全に国際社会の一員になろうとしており、
 不信感を示す禁輸措置は好ましくない」と指摘。
 解除しても「危険な武器の厳格な輸出制限が可能」
 との考えを示した。

 9、10日に南仏ニースで開く、
 北大西洋条約機構(NATO)国防相非公式会合でも
 対中武器禁輸が話題になる見通し。
 「仏と同じ考えを持つ国は増えている」として、
 米国に理解を求める意向だ。

 対中武器禁輸を巡っては、
 昨年12月の欧州連合(EU)と中国との首脳会議でも
 即時解除は見送り、協議を継続するとしている。

   (日経新聞)


この問題は日本の国益に直結する問題。
もっとマスコミは大きく取り上げるべき。

日本のみならず、
中国の軍事的圧力にさらされている台湾も
この問題に相当危機感を持っており、
米国を通じて、EUに輸出禁止の継続を働きかけている。

EUの対中武器輸出解禁 台湾、米に懸念表明

米国は米国で、
常々、EUに対して輸出解禁反対を訴えており、
先日も米下院で解禁反対の決議が採択された。

この問題に関しては
台湾・日本・米国は利害が共通する。
なんせ、中国の「短期」「中期」「長期」の
それぞれの仮想敵がこの三カ国だからね。

日本は残念ながら、
EUに対しては何の外交カードを持ってないため、
直接の圧力はほとんど無理。
せいぜい、口頭で反対を伝えるだけ。
残念な話しだけど、
経済のみで政治・軍事の世界的なパワーを持ってない以上、
EUの動きを指をくわえて見ているしかない。

このEUの対中武器輸出解禁の動きは、
上記ニュースにあるように
中心となってるのはフランス、そしてドイツ。

これは武器輸出という商売の話しだけではなくて、
米一国覇権主義に対抗し、
EUをそれに拮抗する勢力として台頭させるという、
仏独枢軸の戦略の一環でもある。

彼らは中国・ロシアを抱き込み、
欧・中・露の連合で米国に対抗しようとしている。
イラク戦争の直後から、この動きは明確になってきた。
すでに中国とはガリレオ計画を通じて、
天空において手を握りあっている。

中国、EU「ガリレオ計画」に参入・・天空の欧中同盟。

しかし、EU内部も決して一枚岩ではない。
反米を隠さない仏独と、
欧米の間で身を引き裂かれそうな英国。
また、中国の人権抑圧のからみで、
EU内の人権派は中国に対して批判的である。

日本がやれるとしたら、
自由と人権の部分をもっと前面に出すこと。
欧州や全世界に対して、
中国の人権抑圧と彼らが一党独裁国家であることを述べ、
対中武器輸出解禁の非を訴えることでしょうね。

もはやこの期に及んで中国への遠慮は一切不要。
そろそろ腹をくくるべき。
かの国が非自由主義国家であることを
声高に全世界に訴えればいい。
それがまた、日本の中国に対する外交カードになる。

胡主席の議会演説、仏議員の半数近くボイコット

さて、この武器輸出問題は
ある意味、EUにとって大きな試金石となる。
米国の反対を無視して解禁に進むのか、
あるいは米国に配慮して禁止を継続するのか。
これでEUの野望の度合いを計ることが出来るでしょう。

彼らがどれだけ「世界」を望んでいるのか。
それが見えてくるでしょう。



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by misaki80sw | 2005-02-07 01:55 | その他諸国・国連