ラム長官、兵士に責められる・・日米の「装甲」問題。
2004年 12月 12日
☆<米国防長官>米兵らとの対話集会で質問攻め
クウェート
ラムズフェルド米国防長官は8日、クウェートで
イラク軍事作戦に携わる米兵らとの対話集会に参加した。
兵士らは「装甲輸送車が不足している」
「従軍期間の強制的な延長はいつ終わるのか」
など厳しい質問を投げかけた。
多数の負傷者を生んだ原因の一つとされる装甲車問題で
同長官は「増産に努めている」と弁明しつつ、
「装甲を強化しても、吹き飛ばされる戦車もある」
などと突き放す一幕もあった。
ラムズフェルド長官は
アフガニスタンでカルザイ大統領の就任式に出席した後、
インドに向かう途中でクウェートの米軍基地に立ち寄った。
集会で「厳しい質問もできるぞ」と冗談まじりに語りかけると、
2000人を超える兵士らは次々に挙手。
整備担当でテネシー州兵部隊の
トーマス・ウィルソン技術兵(31)は、
対イラク開戦から2年近くたつのに、
「廃品置き場から鉄板や防弾ガラスを探して
輸送車(の装甲)に使っている」と指摘、
装甲輸送車の不足を訴えた。
(毎日新聞)
ラム長官が兵士に責め立てられた「装甲車」問題ってのは、
上の画像の「ハンヴィー(Humvee)」ってやつね。
Humvee。
High Mobility.Multipurpose.Wheeled Vehicleの略。
日本語に訳すと高機動多目的装輪車
あの懐かしの軍用ジープの後継車両。
1985年から実戦配備となった。
米陸軍のみならず、海軍・空軍・海兵隊でも使われている。
映画「ブラックホークダウン」でも出てたけど、
これ、装甲が無いんですよ。
これに乗ってて横や後ろからバンバン打たれると、
たちまち車体は貫通され、蜂の巣になってしまう。
戦場でこれはマズイでしょ。
実際に死傷者続出で
米軍はあわてて装甲型ハンヴィーや、
既存のタイプに装甲を取り付ける、
改造キットを増産している。
ただ、これが急場の需要に追っつかないのよね。
さて、「装甲」続きで話しを続けると、
サマウに駐屯している陸自の派遣部隊。
彼らが使用しているジープタイプの車両が、
「高機動車」と呼ばれるもの。
*自衛隊装備品図鑑:高機動車
ほとんどハンヴィーの日本版。
これ、パクリと言われてもしょうがないな。
たしか、トヨタ製だったけ?
で、問題はここからなんですが、
この高機動車も装甲がついてない。
なんと車体は鋼板じゃなくて強化プラスチック!
拳銃弾すら防げない。
これでいいのか、陸自よ?
陸自は装甲タイプの「軽装甲機動車」も持っていて、
これもサマウにも送られているけど、
*自衛隊装備品図鑑:軽装甲機動車
全台をこいつで統一すべきだよ。
あるいは米軍のように
高機動車に装甲装着の改造をしなさいよ。
ゲリラが跳梁するイラク。
いくら非戦闘地域と政治用語で呼ばれるサマウでも、
やっぱり戦闘に対する備えは必要でしょ。
こういう強化プラスチックの空寒い車両で隊員を送り出すなよ~。
派遣される側の身にもなれって。
新防衛大綱で
陸自定数は15万人だ何だともめるのもいいけど、
こういう細かいとこに気を使ってほしいわね。
改造したって大した額にはならんでしょ?