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by misaki80sw

北朝鮮:金体制崩壊とシミュレーション Part,3


北朝鮮崩壊シミュレートの第三回目。

パート1では、
日本の経済制裁と北崩壊後の各国の動きを書き、
パート2では、
「北崩壊」に絡む喧々囂々の議論を書きました。

北朝鮮:金体制崩壊とシミュレーション Part,1
北朝鮮:金体制崩壊とシミュレーション Part,2

私は思うんですが、
もはや時は「北は崩壊するのか否か」
又は「北が崩壊した方がいいか否か」を
論じる時期は過ぎ去ったと思う。

崩壊は避けられぬ流れだと思うし、
今論じるべきは、
「どう崩壊するのか?」
「各国はどう動くか?」
「日本はどう動くべきか?]
だと思うよ。
朽ちた大木がドウと倒れる時はもう間近。

では今日は、北崩壊後の日本の戦略について
あれこれと書いてみたいと思います。

論ずる観点は2つ。

 「国益」 「国際正義」

この2つに分けて検討します。


<国益>

まず、単純に国益の観点から問います。

半島の政治状況っていうのは、
日本の観点から見るならば、
単純に言えば3つのうちのどれか。

1、親日の半島統一国家

2、反日の半島統一国家

3、複数の国家による半島の分断

これを北崩壊後の状況に当てはめてみると、
半島を統一するならば韓国でしょうから、
かの国の反日ぶりから考えて、
1の「親日国家による統一」というパターンは、
最低でもここ十数年はあり得ないでしょう。

結局、半島の今後は2か3のいずれかであって、
では、日本の国益から見て、
2と3のどっちがいいかということになる。

短期的に見るならば
3の半島分断の継続状態が日本にとって都合が良さそう。
半島が南北に分断された場合、
地政学的に、北国家は大陸勢力と、
南国家は海洋勢力と同盟関係を結ばざるを得ない。
よって、南国家は反日・親日いかんに関わらず、
日本との友好関係を選択せざるを得ない。

ただ、長期的に見るとどうか?
半島が分断され、民族が引き裂かれた状態は、
紛争・摩擦の元である。
民族の中に「統一」へのエネルギーが内在してるうちは、
常に紛争の温床となる。

東アジアの一角に、
こういう摩擦箇所が存在し続けることが
果たして日本にとって良いことなのか?
良い結果をもたらすのか?
これは難しいところだなあ。

◇反日国家
◇半島の分断

この2つの選択肢というのは
日本の近隣に反日国家が存在するのと、
バルカン半島のような摩擦の温床があるのと、
果たしてどっちがいいかってこと。

結局、この「反日国家」なるものの国力次第だね。
弱国で日本が御せる程度の国力ならば、
反日統一国家なんて恐くない。
逆に強国ならば、これは脅威となる。

よって、弱国ならば統一してくれた方が有り難いし、
強国ならば分断されてた方がいい。

現実問題、現在の韓国の国力は日本の比じゃない。
仮に半島を統一したところで、
統一後の内政整備に10~20年は国力を費やすだろうから、
分類的には「弱国」であり、
日本は充分御していけるでしょう。
同じ統一でも、欧州の強国「ドイツ」の場合と、
ここらへんが異なる。

ということで結論。
日本の国益的には、韓国による統一が望ましい。


<国際正義>

今度は国際正義の観点から眺めてみましょう。

国家の行動基準には二つの柱がある。
「国益」と「国際正義」。
言い換えれば私益と公益。

国は、その国力が小さいうちは
国益のみを追求すればいい。
弱小国は他国のことなど構ってられない。
まずは自国のことで精一杯。

だが、国力が増大し、周辺諸国に影響力が増すほどに、
国家は自国にみならず、
他国や国際社会に対して責任を負わなきゃいけない。

この「国際正義」という基準と、
国家自体の私益である「国益」と、
この両方を総合的に考えつつ、
国家は己の進路を定めなければならない。

国益のみの追求は、
他国から信用されない。
これは北朝鮮を見れば分かる。
あれほど国益追求にどん欲な国はない。

逆に国益を忘れ、国際正義のみを追求すれば、
自らを滅ぼしてしまう。
理想主義者の生活破綻状態。

これは政治家にたとえると分かりやすい。
政治家の私益と公益。
最も良き政治家は私益と公益を両立しうる。
両立できずに私益を捨て公益を取る政治家はこれに次ぎ、
最悪は公益を顧みず私益を取る政治家。

この場合の私益とは、
ドロドロの私的欲望という意味じゃなくて、
私的幸福・身辺の幸福と言い換えてもいい。

あるいは別なたとえで言うのなら、
◇私益=選挙区・地元の利益
◇公益=天下国家の利益
に置き換えてもいい。

私益を充当させつつ、
天下も富ませる政治家こそが、
最も良き、そして最も強き強靭な政治家である。
私益を捨て、公益を追求する政治家は、
一見清く見えるし、悲愴美を感じるけど、
拠って立つ基盤が脆くて長続きしない。
私益のみの政治家は論外。

これを国家単位に拡大すれば、
◇私益=国益
◇公益=国際正義
ということになる。

国益と国際正義、双方の追求と両立。
自らを富ませ、天下を肥沃にする。
己の国を繁栄させつつ、
他諸国を富ませる国家こそが、
覇者たりえる資格を持つ。

なんだか話がえらく大きくなったけど(笑)、
この公益「国際正義」という観点から、
北崩壊後の半島情勢と日本の戦略を考察してみる。

すると、国益の観点からは
良き選択肢の一つであった「半島分断の継続」が、
国際正義という公益から見れば、
みるみるうちに萎んでいく。

一つの民族を二つの国家に裂けて分かち、
睨み合い、対峙させることは不幸なことだろう。

朝鮮民族という同一のアイデンティティを持った集合体を、
二つに分割することは、彼らにとって災厄であり、
倫理的な観点から見ても、悪しき所業だと思う。
やはり、一つの民族が統一国家を形成するのが望ましい。

よって「国際正義」という価値基準から見た場合、
日本の取るべき選択肢は、
韓国による統一の後援ということになる。


さて、2つの価値基準から見た場合の
日本の選択肢が明快になりました。

国益:韓国による統一。

国際正義:韓国による統一の後援。

両方が合致する以上、
日本は韓国による統一を支援すべきでしょう。

ただ、国益上、
韓国という反日国家が半島を統一した場合、
やはり、いつ日本に牙をむくのかという懸念は
ずっと存在するよね。
相手がいくら「弱国」といえど、
襲いかかられるのも嫌だし、
敵対されること自体はマイナスには違いない。

そこで私の提案なんですが、
韓国による半島統一後の暁には、
「日米韓の三国同盟」
これを推奨したい。
仮想敵は大陸国家勢力。
主敵は中国、サブはロシア。
これを目指して布石を打つべき。

相手がいくら反日という国民感情を持っていても、
日米韓同盟という政治的な縛りで行動を抑制させれば、
そうそう牙を剥いては来れないでしょう。
かの国を、海洋国家勢力と組んで、
大陸と対峙するという図式に組み込んでしまうこと。
反日という意識を政治のタガで押さえ込めばいい。

まあ、米国の行く末に関しては私は悲観的なので、
「日米韓」という図式が
いつまで保つかは分からないけど、
長期的に見て、米国が脱落すれば
台湾かASEAN等を充当することだね。

1,北朝鮮崩壊後は韓国による統一を支援し、
2,統一後は日米韓三国同盟で
  東アジアの秩序を形成する。
日本の国家戦略はこいつで行くべし!


え~半島崩壊後の日本の戦略を考察してきました。
まあ、人によって考え方は異なるかもしれませんが、
今のところ私は、上記のような結論を出しています。

ただ、国際情勢は複雑怪奇、融通無碍。
情勢の変化や、別の因子の登場によっては、
さらに良き選択肢があるかもしれませんので、
ガチガチに固定的に考える必要はないと思います。
そこらへんは柔軟にいけばいいと思います。




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by misaki80sw | 2004-12-09 04:31 | 韓国・北朝鮮関連