新潟地震、新幹線脱線の衝撃・・P波早期検知の限界。
2004年 10月 26日
☆新幹線、どうなる海外事業 初の脱線も「けが人なし」評価
新潟県中越地震
『戦後日本の高度経済成長を牽引し、
安全神話の象徴ともいわれた新幹線が、
1964年の開業以来初めて脱線した。
23日発生した直下型の新潟県中越地震は、
鉄道技術の粋を集めた新幹線システムにも大きな打撃を与えた。
新幹線ビジネスの国内外への影響は。
日本の新幹線技術は、
その歴史と信頼性の高さから海外からの引き合いが多い。
海外に輸出される初のケースとなるのが、
台北-高雄間の約345キロを90分で結ぶ「台湾高速鉄道」だ。
JR東海などの「700系」を
台湾向けに改良した「700T型」車両で、
1編成12両からなる車両はすでに4編成が台湾に出荷され、
来年夏までに全量を納入する計画だ。
台湾は日本と並ぶ「地震大国」だけに、
耐震・安全性への関心は高い。
アジアでは、この台湾プロジェクトに続き、
中国で北京-上海高速鉄道プロジェクトが予定され、
インドでも高速鉄道整備計画が浮上している。
問題はこれら案件の行方だ。
中国鉄道省は、
ライバルとなるフランスの高速鉄道「TGV」よりも、
日本の新幹線技術を高く評価しているようだが、
最近の反日感情の高まりや今回の脱線事故が
商談にどう影響するかは不透明だ。
幸い、今回の脱線事故ではけが人も出なかったことから、
新幹線の「安全神話」は健在で、
耐震技術に対する信頼性も揺らいでいないようだ。』
(FujiSankei Business i.)
今回の地震による新幹線の脱線事故。
あの映像は驚きだったなあ。
阪神大震災の「高速道路倒壊」の映像にも似た衝撃。
新幹線の対震技術は、
P波と呼ばれる地震の初期微動を感知して送電を停止させ、
車両を緊急ストップさせるシステム、
「地震動早期検知警報システム(ユレダス)」。
一定の地震を感知すると、
自動的に変電所から新幹線への送電をストップさせ、
車両を停止させる。
地震をキャッチしてから約三秒で、
送電停止の警報が出せるとのこと。
ところが今回の地震はもろに直下型だったため、
初期微動のP波と本格的な揺れのS波の間に
ほとんど時間差がなかったため、
車両の停止が間に合わなかった。
「のぞみ」は時速270キロで走行しているため、
ブレーキをかけても完全停止までには
約一分半もかかってしまうとのこと。
確かに、この現行のシステムだと
直下型地震での事前車両停止は不可能に近いね。
地震の完全予知が今の科学で不可能ならば、
線路の耐震性を高める方向に
今後の安全対策が向かざるを得ないなあ。
ちなみに東海道新幹線の場合だと、
沿線の静岡県などが
東海地震の防災対策強化地域に指定された1979年以降、
高架橋や線路の盛り土などの耐震強化が図られてきた。
阪神大震災後には、約130億円を投じて
緊急耐震補強工事が行われたとのこと。
新幹線の地震対策。
今年で開業40年を迎える新幹線が、
突如、突きつけられた課題だね。
それと、このニュースは端折って掲載してるけど、
元文には新幹線売り込み先の
台湾と中国の反応も書かれている。
まず台湾は、
その報道ぶりをみると、
「新幹線はこれまで1度も脱線事故はなかった」
「今回の地震でも車両は転覆せず乗客にケガはなかった」
などと好意的で、むしろ新幹線技術への
信頼性評価を高める内容になっている。
確かにね。
逆にあれだけ揺れたのに車両は倒れなかった。
これは凄いことなんだろうなあ。
次に中国。
ポータルサイト「新浪」の掲示板には、
反日的な意見が相次いでいるものの、
強烈な地震にもかかわらず、新幹線が転覆もせず、
けが人も出なかった点について、
「新幹線はさすがだ。みんなが買いたがるのを責められない」
「やはり日本の耐震技術はよく学ばなければならない」
といった意見も寄せられている。
この「反日的な意見」とやらが知りたいね(笑)。
でも、200キロ以上で走行中だったにも関わらず、
けが人が全く出なかったわけで
中国の技術系人士などの目から見れば
その優秀性は理解されるんじゃないかな。
じゃあ、フランスのTGVが
走行中にあの地震の遭遇したらどうなったか?
・・・まあ、想像に留めとこうね (^_^;
*車両、設備面での対策を
新潟中越地震で新幹線脱線対策協議会
*新潟中越地震 上越新幹線
復旧までに1カ月以上
*新幹線検知システム、直下型地震では機能しない
北側国交相が国会答弁
*新幹線40歳:「地震対策 送電停止、1秒でも早く」
*「備える」その6「新幹線」:
カギ握る早期検知 限りない路線補強