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by misaki80sw

小学生「天動説」問題に文科省次官が反論


指導要領に問題ないと反論 天文知識崩壊で文科省

 小学生の4割が天動説が正しいと答えるなど、
 天文の知識が崩壊している実態を明らかにした、
 国立天文台の研究者の調査結果について、
 御手洗康文部科学事務次官は22日の定例会見で
 「地球の自転や公転についての学習は中学校で、
 きちんと体系的にすることになっている」と述べ、
 学習指導要領に問題があるとの見方に反論した。

 御手洗氏は「自転や公転を体系的に理解するのと、
 単なる知識として地動説を知っているのとは別」と強調。
 「中学校で観察を行い、天体の動きを理解させている。
 指導要領の全体構造を見てほしい」と語った。
 さらに御手洗氏は「ただ、知識の問題ならば、
 日常生活の常識としてどこで教えていくか。
 家庭や大人との会話などで教えていくという問題を、
 もっと考えることが必要とは思う」と述べた。

   (共同通信)


さあさあ、面白くなって参りました。
昨日の↓ニュースに対する文部科学次官の反論です。

小4~6年生の4割「太陽が地球の周り回っている」

他の多くのブログも一斉にこの問題を取り上げていて、
私も興味深く読ませてもらいました。

私、この2つのニュースを見て思ったんですが、
結論から言うと、

 小学生4割「太陽が地球の周り回っている」

これ自体は大した問題じゃないと思う。

中学生で九九も覚えてないのが多いとか、
高校生にもなって分数も出来ないのが増えてるとか、
これだったら深刻な問題で日本の将来を憂うけど、
「天動説」or「地動説」なんて、
どんな遅い子だって中学・高校と経るにつれて、
いずれは自然と理解していくこと。

まあ、大人になっても「天動説」唱えてたら、
それこそ「憂国」ってことなんでしょうけど(笑)、
普通は歳月を経るに従って
誰だってこういうことは理解していくでしょう。
むしろ小学校一年生ぐらいが
「え~地球は太陽の周りを公転し・・」なんて言ってたら、
逆に可愛げが無いわよ。
この小生意気なガキめって感じよ(笑)。

むしろ、私が問題だと思ったのは、
こんな「天動説」それ自体よりも、
そういう小学生を生み出している背景だね。
あるいは環境とでも言おうか。

自分自身の子供時代を振り返っても、
どこから「地動説」に傾いたかなんて全然記憶にない。
ただ、学校で教えられて知ったと言うより、
本や雑誌やテレビ・漫画で
いつの間にか、地球が太陽の周りを回るのが
当たり前だと思うようになったんじゃないかな。

それは私だけじゃなくて、
他の多くの人もそうじゃないですか?
学校で教えられて、
「ガーン、知らなかった!」って人は
そんなにいないでしょ?

ところが今の小学生の4割は、
自然にそれを知ることなく、
いわば「教えられ待ち」の状態にあるわけでしょ。
こういう環境の方が問題だと思うなあ。

で、上記ニュースの文部科学次官のコメント。
多少、組織防衛の気も感じなくはないけど、

 ただ、知識の問題ならば、
 日常生活の常識としてどこで教えていくか。
 家庭や大人との会話などで教えていくという問題を、
 もっと考えることが必要とは思う。

この発言は正しいと思うね。

だいたい、子供が空を見上げて、
太陽や月や星などを見てると、
「ああ、太陽は地球の周りを回ってるんだ」と思うのが、
変な言い方だけど素直な物の見方だと思うよ(笑)。
それを「いや、地球の方が回ってる!」と言う方が
よっぽどひねくれた物の見方で、
このひねくれた真実を自然と受け入れさせるのが、
本や漫画やテレビなどの社会の力じゃないかな。
要するに、今はこの力が衰えてるってことでしょ。

 小学生4割「太陽が地球の周り回っている」

このニュースの前提には、
理系教育の衰退を嘆く学者の問題提起の意味があったと思う。
世論の喚起という意味ではそれは成功したし、
私も理系教育の低減を憂う者だけど、
「地動説」をなぜ小学校で教えないか?ってなると、
それは問題の矮小化だな。

学校指導要領がどうだとか、
そういう問題じゃないと思うよ。
by misaki80sw | 2004-09-22 23:39 | 日本(社会・世相)