misakiのオールジャンル時事評論!


by misaki80sw

カテゴリ:日本(政治経済)( 81 )

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迎撃、日本標的に限定 ミサイル防衛で政府

 政府は8日、
 2007年度から配備するミサイル防衛(MD)について
 迎撃対象を日本標的の弾道ミサイルに限定し、
 日本上空を通過して米国など他国に向かう、
 ミサイルの迎撃は行わない方針を固めた。
 他国を標的にしたミサイルの迎撃は、
 政府が憲法上禁じられているとしている、
 集団的自衛権の行使に該当すると判断した。
 
 政府は次期通常国会で
 MD関連法案の提出を検討しており、
 国会審議でこうした方針を説明する。
 ただ、日本上空を通過して
 米国に向かうミサイルの迎撃を見送れば、
 米政府が不満を強めることも予想され、
 難しい対応を迫られそうだ。

   (共同通信)


( ゚Д゚)ポカーン・・・

本気で言ってるんですか?
史上まれに見る愚劣さ。
馬鹿げた決定だよ。

君らみたいなのを「法匪」という。
法に縛られ、法の奴隷になってる連中。
人のために法は存在するのであり、
法のために人が存在するんじゃない。

日本上空を飛び越して
米国に向かう弾道ミサイルを
傍観するわけですか?
同盟国に着弾するミサイルを
「集団的自衛権が・・・」と言って
見逃すわけですか?

あんたら全員クビだよ。
政治をやる資格無し。
いい加減にしてほしいよ。
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by misaki80sw | 2005-01-09 22:38 | 日本(政治経済)

緊急時にTVが自動起動し避難命令…システム整備へ

 政府は4日、弾道ミサイル発射などの武力攻撃事態や、
 地震や津波などの警戒警報について、
 国民が保有しているテレビや
 テレビ付き携帯電話を自動的に起動させて
 避難命令などを速報するシステムを整備する方針を固めた。

 住民に一刻も早く避難を促すため、国が自治体を経由せず、
 直接知らせる情報伝達体制を構築するためだ。
 2011年にテレビが地上デジタル放送に
 完全移行するのに合わせ、順次導入する考えだ。

 有事の際の住民避難は現在、
 2004年に成立した国民保護法に基づき、
 国から自治体経由で原則的には
 サイレンで警報を知らせる仕組みとなっている。
 だが、弾道ミサイルが
 仮に朝鮮半島付近から発射された場合は
 着弾まで十分程度しかない。
 情報を早く、確実に伝えることが、
 被害を最小限に抑えるカギになる。

   (読売新聞)


このニュースを見て思ったけど、
政府は北朝鮮の核+弾道ミサイルの脅威を
相当深刻に捉えてるね。
例のMD(ミサイル防衛システム)を
正面装備を削ってまで導入した理由も分かるよ。

おそらく、北朝鮮の核弾頭付き弾道ミサイルが
かなり完成間近に近づきつつあるとの情報が
政府には入ってるんじゃないかな。

核ミサイルに対するには、

◇自分も核ミサイルを持つ

◇相手のミサイル基地を攻撃する

◇迎撃システムを整える

この3つしかないわけで、
自前で核を保有したり
敵基地を攻撃する気が無いのなら、
迎撃システムを整えるしかない。
特に北のような狂犬には本気で整備するしかない。

上記ニュースの警報システムは
日本政府の「本気度」の表れ。
さらにいうと、平和ボケからの脱却でしょう。



娘通信♪関連過去記事
北の核と米国の軍事行使・・彼らの発想と原則。
防衛費大幅削減!? Part,2・・MD導入と陸海空縮小。
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by misaki80sw | 2005-01-04 23:47 | 日本(政治経済)

10大ニュースの後編で~す。


では、第5位!

5位:自衛隊、イラク派兵
    ◇国連無関係の戦後初の派兵
    ◇派兵に際しての激しい論争

今年の2月8日、陸上自衛隊の本隊第1陣が
イラク南部のサマワに到着した。
目的はイラクの復興支援活動。
給水、公共施設の補修工事の指導・監督、
病院の技術指導の三本柱。

国連のPKO活動などを別にすれば
戦後初めての海外派兵。
これのもたらす意味は大きい。

いくら目的が「戦闘」ではなく、
復興支援活動だからといって、
これで戦後の日本のタブーは1つ破られた。
以降、国際情勢の変化により派兵が必要な場合は、
「国益論議」のみで派兵が出来る。
これは大きいよ。

大げさに言うと、
中東派兵は日本開闢以来の出来事。
第二次大戦中だってここまで来なかった。
当の日本人が思っている以上に、
諸国は日本の変化に神経を尖らせているでしょう。

さて、このイラク派兵に絡んで、
「派兵すべきか否か」の論議が日本国中を覆った。
これについては日を改めて書きたいと思います。



続いて、第4位。

4位:日中関係の険悪化
    ◇中国の覇権拡張
    ◇反日国家の強硬政策
    ◇日本のナショナリズムの目覚め
    ◇対中ODA打ち切りへ

2004年、国連改革に絡み、
日本の常任理事国入りが取りざたされた。
これに対する中国の反応は
常任理事国入りには反対というもの。
これが現在の日中関係を明確に物語っている。

多額の対中ODAも、
中国に譲歩し続けた外交姿勢も
何の意味も持たなかった。

 「日本の常任理事国入りには反対である」

明らかに戦後日本の対中外交は失敗だった。

2004年は、この日中関係を
象徴するような出来事が多かった。

◇東シナ海海底ガス田問題

◇サッカー・アジア杯での中国観衆の反日ぶり

◇中国原潜、領海侵犯問題
    
◇首相の靖国参拝への内政干渉
    
◇対中ODA打ち切り問題

中国も馬鹿だよ。
ここまで日本に対してなめた態度を取るのなら、
パール判事じゃないけれど、
ルクセンブルクのような小国であっても
立ち上がらざるを得ない。

この日中関係の悪化に関して
いろんな見方もあります。
たとえば、米国が日本を代理人として
中国を封じ込めようとしているとか、
日中の連合を潰すために、
米国が意図的に日中の離反を煽っているとか。

まあ、おそらく事実でしょう。
前述した「東アジア共同体」にしても
米国はかなり神経を尖らせていて
これに反対をしてますから。
日中の離反は彼らの思う壺でしょう。

でも、日本は米国の思惑を見抜いた上で、
これに乗らざるをえない。
ちょうど100年前の日露戦争時と同じで、
日本を対ロシアへの代理人に仕立て上げようとする、
英国の思惑に日本は応じ、
日英同盟を締結、日露戦争への道を突き進んだ。

中国の、反日国家戦略と
対外拡張主義に変化が生じない限りは、
日本はこの路線を進まざるをえない。

よく日中関係の悪化を心配する人が、

 「日本は中国と喧嘩すべきでない。
 中国に説いて、
 互いに不利益になることを諭すべき」

などと言うけれど、
これは空論に過ぎない。

日本がいくら融和を説いても耳を貸さないし、
譲歩すれば、その分踏み込んでくる。
日本の国益が侵害されるだけの結果となっている。

ああいう中国の強圧姿勢は、
「日本は軟弱だ」「押せば必ず譲歩する」
との彼らの見解によるもの。
これを改めさせねばどうにもならない。

要は、中国の国家理念を見つめること。
「富国強兵」
「対外拡張」
「国威発揚」
この種の理念を持っている限りは、
あの国は国力が増大すればするほどに
他国の国権を侵害する。

たとえば米国を見ればいい。
私は別に米国を賞賛する気は無いけど、
国家理念として、
「民主主義の普及」
「自由主義の伝播」
こういうものを本能としてもっている。

米国中心の現国際秩序が、
他国に面倒くさがられながらも
なんだかんだ言いつつ保たれているのも、
各国がこの米国流の理念に
一定の信頼感を寄せているからでしょう。
それがかつてのソ連との違い。

想像してみればいい。
もし、中国が米国に取って代わって、
国際秩序の主軸となった世界を。
そういう世界に住みたいか?
現在の米国主導の国際秩序よりも
素晴らしい世界だと思うか?、

国は、国力を拡大し、
国際社会に大きな影響を与えるようになれば、
国際秩序を形成する理念を持たなければならない。
それが「世界の覇者」としての資格。
米国はそれを持っている。
自由と民主主義。
でも、中国はそれを持っていない。
己の勢威を拡張することのみ。

こういう国の覇権拡大を許すべきではない。
こういう国が勢力を増大すればするほどに、
世界は暗澹たる未来を迎えるでしょう。

同じ東アジアの一国として
彼らの覇権拡大を食い止める方向で
日本は国家戦略を定めるべきだと思う。


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では、第3位!

3位:北朝鮮情勢の緊迫
    ◇北の核開発は止まらず。
    ◇六カ国協議は進展せず。
    ◇日本の経済制裁は?
    ◇二期目ブッシュ政権の対応は?

この件に関しては
書きすぎるぐらい書いてきたので
簡略に雑談風に留めておきます。

まず、日本の経済制裁について。

私が日本の論調を見ていて、
ある種、空恐ろしく感じるのは、
当初、対北朝鮮経済制裁とは、
日本人拉致問題に関して
北朝鮮の不誠実な態度に対する、
日本の国家意志の表明と抗議の意味で行うものだった。

ところが国民世論とマスコミ論調は、
日増しに変化をとげて、あれよあれよという間に
今じゃ「北朝鮮を崩壊させよ」が当たり前になりつつある。

おいおい、対北経済制裁は単なる手段ですよ。
目的自体がこうも簡単にすり替わっていいものなのか?
まあ、私は「北崩壊」論者だけど、
さすがにこの世論の変化、
それも無自覚・無意識な変化に驚かざるをえない。
ああ、これが日本だなと。

一国を滅ぼすわけですよ。
滅ぼしたってかまわないような国だと思うけど、
滅ぼすなりに準備と戦略を立てておかないと、
単に「頭にきたから滅ぼす」はまずいと思うよ。

次に、北朝鮮と米国に関して。

前に、北の核開発は彼らの国家的な本能であり、
米国の核拡散防止は国家原則であり、
いずれ、これが激突に至り、
情勢の大幅な変化が無い限り、
最終的には米国の武力行使に発展すると書きました。

この場合、米国の意図は2つのうちのどちらか。

1,核とミサイル関連の施設と技術の破壊

2,北朝鮮又は金体制の崩壊

1だけに限定するか、
1+2でいくかのどっちか。
これをよく見極めないとね。

おそらく2005年は
もの凄い年になるだろうね。
半島情勢は猛烈に激変するでしょう。

日本も心の準備と物理的な準備を
怠りませんように。


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ではでは、第2位!

2位:イラク情勢の泥沼化
    ◇米国、打開策見えず
    ◇死傷者と増える戦費

イラク情勢、出口が全く見えません。

来年1月の国会選挙も
どうもスンニ派はボイコットしそうな感じだし、
米国も気をもんでるでしょう。

米国として望ましいイラクとは、

◇イラクの秩序の安定

◇民主主義国家であること

◇反米国家にならないこと

この3つ。

では、どうやったらこの3つにたどり着けるのか?
これは難問だよ~。
占領しといて今さらなんだけど、
米国政府首脳は頭を悩ましてるだろうね。
嗚呼、こんな国、占領するんじゃなかったと。

考えられる策としては、
大兵を一気に投入してゲリラを殲滅すること。
50万人ぐらい投入すれば片が付くでしょう。
そして秩序を安定させた上で、
武力を背景に、シーア派・スンニ派・クルド人の
三大勢力を説得して議会選挙を行う。

これしかないね。
でも、その後はどうなるのか、
全く予想できません(笑)。
それだけイラクの状況って困難だということ。

で、米国の選択肢

1,大兵投入、ゲリラ殲滅

2,撤兵する

3,現状維持

3の現状維持は全く意味が無い。
現状維持とは、単なる流血と出費の維持。
状況打開につながるわけではない。

だから、1と2のどちらか。

1は現状突破の策だけど、
これをやってうまくいく保証なんてどこにもない。

2とは全てを失うこと。
イラク戦の意義、米国の国威、
ブッシュ政権の功績。
これを失う。
代わりに、これ以上の出血と出費を
止めることが出来る。

果たして米国はどちらを選択するか?
私は撤兵だと思う。
ブッシュ政権のあの「身の軽さ」から言えば、
採算に合わないとなると
さっさと撤兵するんじゃないかな。
2005年はその動きが見れそうな気がする。

ただし、その後のイラクはどうなるか?
混沌と秩序の崩壊。
パワーの空白地帯となる。

まさに兵は凶事なり。
安易に一国に侵攻するからこういうことになる。


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夜も更けて参りました。
では、第1位です!

1位:ブッシュ再選
    ◇単独行動主義の継続
    ◇財政赤字と貿易赤字
    ◇二期目は思い切ったことをやるかも

これは大きいよ。
ブッシュ氏再選。
日本の保守層は喜んだけど、
世界にとって、これは吉と出るか凶と出るか?

国家の国力の根本は経済力。
今、米国はこれがガタついている。

増大する財政赤字と貿易赤字。
世界最強の覇権国家が、
他国と交易をしたら必ず赤字を出してしまう。
米国経済は張り子の虎。
決して過小評価はしないけど、過大評価は禁物

この国の経済は、国債発行の借金と、
ドルを刷ることでなんとか回っている。
こういう不健全な状況がいつまで長持ちするか?

かつて、後ろから追い上げてきた経済大国日本を
どうにかこうにか突き放したものの、
今度はEUが後ろから接近中。
このEUとユーロの登場によって、
世界は米国+ドル以外に別な選択肢を持った。

ロシア・中国と、
外貨をドルからユーロに換える国が急増中。
この動きは止まりそうもない。

本来ならば、米国よ。
君んちの経済は休息が必要なんだよ。
外交手段で紛争拡大を防ぎ、
各地域の大国連中に地域安定の責を負わせ、
君は家でゆっくりと傷を癒すべきだった。

それが、単独行動主義の名のもと、
「9・11」のビン・ラディンの挑発に乗り、
アフガン・イラクと地歩を進めていった。
そのあげくのイラクの泥沼と戦費の増大。

人に器量の違いがあるように、
国家にも固有の器量ってものがある。
器量と地位の関係は、
適材適所をもって良しとする。
器量不相応の高位につけば、
本人は自滅し、周囲も迷惑する。
器量よりも低い地位は、
本人の不幸だし、組織の不幸である。
器量相応が原則。

米国よ、今の地位が君の器量にふさわしいか?
財政赤字で国債を乱発し、
貿易で赤字を垂れ流してる君が、
果たして世界秩序の中心に
現在と同じ姿で留まり続けることが、
世界にとって、あるいは君自身にとって幸福なことなのか?

二期目のブッシュ政権は
その答えを出してくれるだろうか。
あるいは答えが見いだせずに、
国家衰退への道を辿るのでしょうか?


娘通信♪関連過去記事
米国退勢、覇権の移行、日本の戦略は如何に?
イラク情勢悪化・・米国緊急支出・日本人拉致。
イラク戦争の様々な観点:大量破壊兵器とユーロ建て決済



え~いつの間にやら日付は変わり、
12月31日となっております。
大晦日です。

今年の娘通信♪はこれで終わり。
更新は来年からとなります。

本年は、私のつたない文章をお読みいただき
ありがとうございました m(__)m
来年もイノベーションを旨とし、
精進いたしますので
よろしくお願いします。

では皆様、よいお年を (^.^)/
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by misaki80sw | 2004-12-31 04:59 | 日本(政治経済)

さてさて、2004年もあとわずか。
ここで定番中の定番企画、
「今年の10大ニュース」を書いてみたいと思います。

巷の10大ニュースって国内篇と国際篇に分けてますが、
娘通信♪の「10大ニュース」は、
日本にとって重要なニュースの観点で選び、
国内と国外を分けません。

では、いってみましょう!
まずは9位と10位から。


9位:米軍再編
     ◇世界規模の再編
     ◇軍事戦略の変化とRMA化
     ◇ラムズフェルド流
       「トランスフォーメーション」

10位:EU、25か国に拡大
     ◇米に対抗する、もう一つの極の誕生。
     ◇ドルVSユーロ
     ◇仏独の主導
    

9位の米軍再編。

中心役は米ラムズフェルド国防長官で、
発想としては、RMA(軍事革命)の急速な導入により、
大兵力を海外に駐留させなくても
軍事的プレゼンスを維持できるとの考え。

米本土や紛争地帯の後方に軍を置き、
いざ鎌倉となると、米軍は即応・緊急展開して、
戦闘地域に乗り込む。
普段から前線に張り付く必要は無い。

今年8月、ブッシュ大統領は
欧州とアジアにいる計約20万人の在外米兵のうち
6万~7万人を今後10年間で撤退させると表明した。
特にドイツ・韓国の駐留米軍は大幅削減される見通し。

ドイツはともかくとして
韓国なんかは泡食ってるね。
だって北朝鮮との前線から
米軍がスッと引いちゃうわけだから、
自主防衛に金をかけなきゃいけない。

もともと反米的傾向を持っていた盧武鉉大統領が、
米国に呼応してイラクに派兵したのも、
この米軍再編に仰天したから。
去っちゃ嫌よというわけ。

この再編とそれに伴う各国の悲喜こもごもは、
いずれまとめて書きたいと思ってます。


10位の「EU、25か国に拡大」

2004年5月1日、
欧州連合(EU)に中・東欧など10カ国が新たに加盟。
EUは25カ国体制に拡大した。
これにより、米国を5割も上回る人口と、
ほぼ匹敵する域内総生産(GDP)を持つ巨大経済圏が誕生。
共通通貨ユーロはその存在感を高め、
米国のドルによる世界支配を揺るがせている。

拡大してます、EU。
世界には米国以外にもう一つの極が出現した。
中心軸は仏独のコンビで、
特に仏はこれを梃子にして
世界への影響力を強めようとしている。
一方、英国はやや引き気味。
彼らは大陸間の勢力に自分が飲み込まれるのを好まない。

私はEUの拡大は2つの効果をもたらすと思っている。

1,米国中心の秩序のゆらぎ

2,ドイツの覇権

EUの誕生と拡大。
結果的に利益を得るのはドイツだと思う。
フランスは中心役として得意の絶頂にあるが、
所詮、こういう寄り合い所帯でものを言うのは国力。

仏は独と組むことで、
EU内のリーダーシップを握り、
かつての覇権国家ドイツの再現をも防ごうとしているけど、
甘いよ、フランス君。
所詮は国力ですよ。

いずれEUは独が中心となるでしょう。


さて、お次は第8位。

8位:韓国核開発疑惑
    ◇兵器クラスのウラン濃縮実験
    ◇IAEAが追求
    ◇韓国政府は否定
    ◇韓国世論は核保持願望

ありましたね~、韓国核開発問題。
マスコミも「韓流!韓流!」なんて言ってた割には、
何故か報道も控え気味で、
ここらへん日本マスコミのヘタレぶりを際だたせてくれた。
隣国の核開発だよ。
NHKも筆頭にもっと追求すべきでしょ。
ね、海老沢さん?

事の流れを整理すると、
結局、韓国はIAEAに内緒で
3つの「核違反」を犯していた。

◇1980年代にウラン転換実験
◇1982年にプルトニウム抽出実験
◇2000年にウラン濃縮実験

特に重要なのが
「2000年のウラン濃縮実験」であり、
巨額の費用がかかるレーザー方式を用い、
兵器レベルの高濃度のウラニウムを製造していた。

結局、この問題は、
韓国がビビっていた安保理事会の付託は見送られ、
なんだか尻すぼみに終わりそうな予感。

だけど、隣国の日本人としては
細かい部分は忘れ去ってもいいけど、

◇韓国は核を開発していた。

◇今でも、その意志がある。

◇彼らは核兵器の保持願望がある。

この3点だけは絶対に念頭に置いておいた方がいい。

人はしばしば、自らの価値尺度でもって
他人の価値観を測ろうとするけど、
日本人流の「核アレルギー」なぞ、
この隣国には無縁である。

また、日本・中国・ロシアと強大国に挟まれて、
歴史的に何度も国土を侵略されてきた彼らには、
安全保障に対する欲求は人一倍敏感であり、
核を持つことが彼らの「万全感」を満足させる。
ここらへんは北朝鮮の核開発も同じ発想だし、
日本人としては忘れるべきじゃない。

最後に一部ブログで物議をかもした、
中央日報の当時の社説を再掲しておきます。


【噴水台】核のロマン主義

 朴正煕(パク・ジョンヒ)元大統領は1975年6月、
 米紙ワシントンポストとの会見で
 「米国が核の傘で韓国を守るとの保障がなければ、
 核兵器などを開発する考え」だと述べた。
 当時、青瓦台(チョンワデ、大統領府)は、
 在米韓国人科学者を密かに呼んで、作業に乗り出した状況で、
 米国はそのため非常に緊張していた。

 そうした状況の77年6月。
  世界的な理論物理学者の在米韓国人科学者、
 李輝昭(イ・フィソ)氏が米国で交通事故で、
 42歳に死亡した。
 京畿(キョンギ)高校2年のとき、
 ソウル工大に合格した後、渡米し、物理学を専攻、
 28歳のとき、
 ペンシルベニア大の正教授に採用された秀才だった。
 即時に「韓国の核開発を
 阻止しようとする米特殊機関の仕業」とのうわさが広がった。
 それ以降、李輝昭氏は、
 韓国の挫折した核開発の象徴となった。
 「李輝昭さえ生存していたら...」
 その悔しさは、93年、
 金辰明(キム・ジンミョン)が発表した長編小説、
 『ムクゲの花が咲きました』で爆発した。

 小説で「イ・ヨンフ」との名前で生き返った同氏は、
 死んだ人ながら、
 南北(韓国・北朝鮮)共同核兵器開発の基礎を提供する。
 米日合弁の韓国侵攻に対抗し、
 共同核弾頭は威力を遺憾なく発揮する。
 「米日の韓国攻撃」という刺激的なテーマと
 「南北共同の核兵器開発」という感性が結合した小説だ。
 その感性は「北朝鮮の核兵器も結局韓国の核兵器」
 という「核のロマン主義」に変わり、
 依然として現在進行形だ。

 ところが、韓国は、
 核兵器の開発によるリスクに耐えられるだろうか。
  核開発の過程で受けた侮辱について、
 中央(チュンアン)日報が出版した、
 『青瓦台秘書室』の第2編は、
 関係者の話を次のように伝えている。

 「76年に科学技術処長官室で開かれた、
 韓米原子力関連協議会に国務省次官補が出席した。
  同氏は、下品な言葉で
 『再処理の再の字にも触れるな』と話した。
 それが、韓国の位相だった」、
 「70年代中、韓国の米大使館・科学担当官は、
 韓国科学技術研究院(KIST)に一方的にやってきて、
 随時調べていた」。

 当時は力がなく、米国にやられたが、
 いまは少し強くなったから状況が違う、とも言えない。
 現在は、国際原子力機関(IAEA)に一々報告し、
 同機関が漏れなく調べている。
 問題点が捕捉され、
 国連安保理に付託されることにでもなったら、
 制裁が待っている。
 そうすれば、国家の信用度が墜落し、
 対外的依存度の高い韓国は、
 即時、さ迷うようになる。
 石油強国のリビアも核を放棄したくらいだ。

 最近、原子力研究所が
 ウラン0.2グラムを抽出したことについて
 「いよいよ核兵器の製造技術が確保できた」
 という喜びの見方がある。
 韓国としては嬉しいニュースだが、
 世界が疑惑の視線を送っているというのが問題だ。
 ロマンは現実ではないように
 「核のロマン主義」も、
 現実では力にならないとのところに悲劇がある。

   (中央日報)


これが彼らの発想。
こんなもんです。


「娘通信♪」関連過去記事

韓国核開発問題、安保理付託へ・・出るとこ出なさい。
韓国核開発疑惑(番外編)・・もうアホかと:その2
韓国核開発疑惑(その7)・・IAEA理事会「重大な懸念事項」
韓国核開発疑惑(その6)・・英国、安保理付託を主張!
韓国、今度はプルトニウム疑惑!?・・情報リークの意図は?
続報!「韓国、ウラン濃縮問題」・・最後の記事は怖いよ。
韓国、ウラン濃縮実験問題(その3)・・日本政府も仕事しろ!
韓国、ウラン濃縮実験問題(その2)・・マスコミは仕事しろ!
韓国、ウラン分離実験!・・ばれる前に喋っちゃおう。(その1)



さて、第7位です。

7位:東アジア共同体構想、本格化
    ◇日中韓+ASEANによる共同体
    ◇突如、浮かび出た共同体構想
    ◇日中枢軸
    
まさに突如、突如。
なんの国民的議論も無しに
いきなり浮かび上がった共同体構想。

昨年12月、東京で開催された、
ASEAN10カ国と日本の首脳会議の後、
「東京宣言」が発表され、
東アジア共同体実現を目指すことが表明された。

そして来年末にはマレーシアで、
日中韓+ASEANの首脳による、
「東アジア首脳会議」が開催されることが決まっている。

日本の保守層は3つに割れている。
推進派、反対派、無関心派。

この問題は事の大きさに比較して
マスコミの報道は相変わらず鈍いけど、
これを「第九位」にもってきたのは、
私は、これが日本の命運を左右する、
大問題だと思っているから。

私はこの構想に反対する。
何故なら同じ国家体制や経済体制、
あるいは共通する国家理念を持つ国同士ならば
組むことはかまわないけど、
あの異質な思考の中国とは組みようがない。

この構想を推進する連中は、
EUを念頭に置いてるけど、
EUの場合は均質な国同士の組み合わせであり、
その加盟に関しては厳格な審査がある。

東アジア共同体構想は、
始めに共同体ありきで、
経済よりも政治的な思惑が先行している。

今の各国の国力と国家戦略を考えると、
結局、この共同体の中心軸は日本と中国であり、
私はこの共同体を創設することで、
中国の利害関係や覇権拡張に
日本が引っ張られることを危惧している。

現在、この構想を推進しているのは、
政界・財界・官界の
「媚中派」「アジア・ロマン派」「反米派」の集合体。

拠点はここね↓

東アジア共同体評議会

中曽根元総理が代表となっており、
副代表と顧問は以下のとおり。

◇伊藤義郎  伊藤組社長
◇井上明義  三友システムアプレイザル社長
◇柿澤弘治  元外務大臣
◇服部靖夫  セイコーエプソン副会長
◇依田巽  エイベックス名誉会長
◇荒木浩  東京電力顧問
◇今井敬  新日本製鐵相談役名誉会長
◇上島重二  三井物産顧問
◇立石信雄  オムロン相談役
◇張富士夫  トヨタ自動車社長
◇成田豊  電通最高顧問
◇槙原稔  三菱商事相談役
◇宮内義彦  オリックス会長
◇宮原賢次  住友商事会長

官界からは、

◇井上正幸 文部科学省国際統括官
◇日下一正 経済産業省経済産業審議官
◇田中均 外務省外務審議官
◇谷内正太郎 内閣官房副長官補
◇薮中三十二 外務省アジア大洋州局長
◇渡辺博史 財務省財務官

などなど。

あの外務省チャイナスクールで高名な
田中均君もいる。

集う面々はそれぞれの思惑を秘めているが、
その中でも政界・財界・官界の中国贔屓の連中が、
昨今の日本国民の反中国感情の高まりに押されて、
起死回生の大逆転として飛びついたのが
この「東アジア共同体」構想というわけ。

まあ、この構想について論評し始めると
何千字も書いてしまいそうだから、
今日はここらで矛を収めとくけど、
これからもバンバン追求していきますよ~!


東アジア共同体に向けて、予想外に早い動き

韓中日3国、通貨統合問題を論議中 日本大使が明かす

JOG Wing:『東アジア共同体』という悪夢


娘通信♪関連過去記事
「東アジア共同体」への道・・進むべきか否か?



では、第6位!

6位:世界各地でテロ
    ◇スペインの列車爆破事件
    ◇ロシアの学校占拠事件
    ◇非対象戦の時代

テロと言えばアルカイダ。
今や世界のテロリストの親玉的な存在。
その中心はオサマ・ビン・ラディン。

ここでは2004年のテロの経緯よりも、
ビン・ラディンの戦略について書いておきます。

私はこの人の言動と
戦略をつぶさに観察してて思うのだけど、
まあ、頭の切れる人だね。
すごくシャープだと思う。

彼の戦略を箇条書きでまとめると、

目的:イスラム国家の建設
   イスラエルの滅亡
       ↓
大戦略:米国の国力を衰退させ、
    世界に対する関与を減少させる。
       ↓
小戦略:米国を戦闘地帯に引きずり込み、
    ゲリラ戦で国力を消耗させる。

こんな流れでしょう。

目的はあくまでも、
イスラム国家の建設と
宿敵イスラエルを滅亡させること。
「対米国」なんて、その手段に過ぎない。

たとえば、イラクで米軍が泥沼に陥ってるけど、
今、米軍がイラクから完全撤退すれば、
一番落胆するのはビン・ラディンでしょうね。
「なんで撤退しちゃうの?」って(笑)。

彼の目的は、イラクのような局部的な戦闘で
勝利を収めることではない。
イラクなんか彼にとっては単なる手段。
ここで「泥沼」「混沌」を作り出し、
米国の国力を消耗させる。
かつてのベトナムの再現を狙っている。

彼は思ったでしょう。
湾岸戦争やイラク戦争を見て、
正規軍同士の戦いでは
もはや米国には絶対に勝てない、と。

じゃあどうすればいいか?
国力自体を別な手段で衰退させればいい。

世界各地のテロもその一環で
テロ行使の理由は2つ。

◇米国や他の諸国に対する挑発。

◇秩序の混沌状態を作りだし、
 紛争地帯を意図的に作り出す。

ビン・ラディンはイラクだけではなく、
世界各地に泥沼状態を作りだし、
米国を中心とした世界の大国たちが
この混沌に足を取られて、
国力を衰退させるのを意図している。

ビン・ラディンの戦略は、
日本史でたとえるならば、
楠木正成の戦略に似ている。

山岳地帯の赤坂・千早城に、
反鎌倉・反北条の旗を掲げ、
鎌倉の大軍を引き寄せる。

ゲリラ戦・山岳戦で鎌倉政権を消耗させ、
その間に手薄となった各地方で、
反北条の軍勢が決起する。

日本史で類型を求めるとするならば、
正成の戦略が一番似ているね。
楠公ファンの皆様、ごめんなさい(笑)。


娘通信♪関連過去記事
ビンラディン、米大統領選へ影響力行使。
テロリストと諜報機関、ネット上の攻防戦。
学校占拠事件とアルカイダ・・非正規戦の時代。



次の5位~1位は、
数時間後に上梓します。

ひとまず、休憩です (;-_-) =3 フゥ
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by misaki80sw | 2004-12-30 21:59 | 日本(政治経済)

野中氏が訪中辞退 李登輝氏ビザ発給に反発?

 自民党の野中広務元幹事長が
 来年一月十一日から予定していた、
 中国訪問を取りやめることが二十五日、明らかになった。
 野中氏と一緒に訪中する予定だった古賀誠元幹事長、
 中川秀直国対委員長らに辞退する意向を伝えた。
 古賀氏らは予定通りに訪中する。
 
 野中氏の訪中辞退には、
 台湾の李登輝前総統にビザを発給して
 日中関係をこじれさせたことへの抗議の意味合いがありそうだ。
 野中氏は「信頼関係のうえに外交はある。
 微妙なときに(ビザ発給は)礼を失した。
 しばらく訪中するのは控えたい」と周囲に語っている。

   (産経新聞)


グーグルで「売国政治家」で検索したら、
この人の名前が出そうな気がするほど、
今や保守系ブログやサイトからは
罵られ放題の野中氏です。

「売国奴」と言えば野中氏。
野中氏と言えば「売国奴」。
すっかり評価が定着しています。
男子の本懐だよね、野中さん(笑)?

その野中氏が、訪中を断念したとのこと。

理由が、

 「李登輝前総統へのビザ発給に対する抗議」

よく分かりません。

なんであんたが訪中を断念することが、
ビザ発給への抗議になるわけ?
偉大な閣下の考えることは分かりませんな。
かつて朝銀破綻時に、
「面倒みてやれ」との一声で
1兆4000億円の血税を投入した野中閣下。
相も変わらぬ論理破綻ぶりですな。

 「微妙なときに(ビザ発給は)礼を失した」

確かに。
中国万歳の閣下にすれば、
今回の日本政府の決定はまことに遺憾でしょう。
胸中をお察しいたします。

最後に、閣下の不滅の栄光を称えて、
その輝かしき政治的事歴の数々を
ここにリンクさせていただきます。

これを読んで閣下を称えましょう↓


売国奴列伝:野中広務

理由なき「朝銀救済」を糾す!

朝銀って何?公的資金投入って何?

国際派日本人養成講座:朝銀~金正日の集金マシン
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by misaki80sw | 2004-12-26 22:17 | 日本(政治経済)
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「防衛費大幅削減!?」シリーズのパート3です。

パート1では、財務省VS防衛庁の抗争と、
官僚主導の防衛体制構築に疑問を投げ、
パート2では、MD(ミサイル防衛)導入と、
そのしわ寄せの正面装備均等縮小について書きました。

さて、自衛隊の組織と装備体系について書きます。

「財務省VS防衛庁」の削減バトルの中で、
保守層の間ではどっちかというと
同情をかっている防衛庁側ですが、
私は防衛費削減には大いに反対だし、
財務省の役人が自衛隊の装備体系を定めてしまう、
この国の馬鹿馬鹿しさに腹が立ちますが、
だからといって今の自衛隊の組織体制が
いいと思ってるわけじゃない。

削減には反対だけど、
「防衛費は聖域」というぬるま湯に浸って、
冷戦期の軍事思想を引きずってるような
今の自衛隊のあり方は大いに疑問です。


パート1でサクッと触れましたが、
軍隊の組織編成や装備を決める際には
以下の流れがあります。

政治と軍事と国家戦略の関係を具体的に書くと、

1,国家理念
   ↓
2,国家戦略
   ↓
3,軍事戦略
   ↓
4,軍事費及び組織編成・装備の策定

国家理念の追求のために国家戦略を構想し、
国家戦略の一部として軍事戦略を策定し、
軍事戦略に準拠した軍事費と組織編成を定める。

これが正しい流れですな。

分かりづらいかもしれないので
ここで100年前の日本の状況を例にとってみましょう。

1904年12月。
ちょうど日露戦争の真っ最中。
有名な旅順要塞の要衝203高地は陥落し、
要塞攻略に弾みがついた頃。
満州では日露両軍数十万が睨み合い、
ロシア軍は黒溝台への冬季攻勢の動きを見せつつある。

海上では、ロシアの極東艦隊は
旅順港に閉塞したまま全滅し、
この危難を救うべく、本国バルチック艦隊が
はるか欧亜の地から前人未到の大回航を行っている。
一方の連合艦隊は旅順沖を去り、
来るべき海戦に備えつつあった・・・。

という状況の中で、
当時の日本の、
「国家理念」
「国家戦略」
「軍事戦略」
「軍事組織・装備体系」
は、いかなるものであったか?

◇国家理念:1904

 欧米列強の脅威から国家の独立を維持する。
 内においては殖産興業によって国力を富ませ、
 外にあっては精強な国軍を編成し、国を守る。

 *この時代の日本は、
  国勢の拡張よりも、列強からの防衛的な発想が主であり、
  海外への勢力伸張を明確に志向しはじめるのは、
  日露戦争後である。
 
  維新後わずか30年にして、
  満州の荒野にて世界最大の陸軍国と激突した日本は、
  まだまだ欧米列強から比較すると
  小さな小さなアジアの新興国家に過ぎない。


◇国家戦略:1904

 外交・軍事上の最大の脅威はロシアの南下政策である。
 極東において利害を共有する英国と同盟を結び、
 ロシアに対抗する。

 
◇軍事戦略:1904

 ロシア軍の南下に対し、朝鮮半島を防衛ラインとする。
 
 いざ開戦後の戦略としては、

 陸軍:ロシア軍主力の撃滅

 兵を二軍に分け、第一軍は朝鮮半島に上陸、
 半島内のロシア駐留部隊を撃破する。
 第二軍は遼東半島に橋頭堡を立て旅順要塞を孤立させる。
 両軍は満州にて合流し、ロシア軍主力と一大会戦を行い、
 これを撃滅する。

 海軍:制海権を握り、陸軍部隊の補給戦を確保

 旅順港を母港とするロシア太平洋艦隊を撃滅し、制海権を確保。
 ロシア本国より回航する第二太平洋艦隊を迎撃殲滅する。


◇軍事組織・装備体系:1904

 陸軍:常備兵力20万人
    13個師団

 海軍:軍艦の総排水量・約26万トン
    戦艦6隻、一等巡洋艦6隻他


ざっとこんな感じですな。

反復すると、
○国家理念・・国家の独立維持。
○国家戦略・・英国と同盟し、ロシアの南下を防ぐ。
○軍事戦略・・ロシアを仮想的とし、
       朝鮮半島を防衛ラインとする。
       陸軍:満州での敵主力の撃滅
       海軍:制海権の確立、陸軍の補給線維持。
○軍事組織・装備体系・・13個師団・戦艦6隻。

これを見てると、
国家理念から軍事組織構成に至るまでの流れが、
目的主義的に先鋭化されているのが分かる。
実に無駄の無い流れだと思う。

当時の日本は新興の貧乏国であり、
乏しい国力と人的資源をやりくりせねばならず、
軍事組織に余計な予算と人力や
余分なエネルギーを使う余裕など無かった。
それゆえの目的思考のスリムな軍政だった。

兵力の13個師団と戦艦6隻体制は、
当時の日本の国力ギリギリの限界。
ロシアとの開戦が不可避との見方から、
乏しい国家予算をやりくりして編成した。


では、現代日本のパターンを考えてみましょう。

まず前提として言っておきたいのは、
以下に記すことは私自身の考えや希望じゃなくて、
日本国民の最大公約数の発想を書きます。


◇国家理念:2004

 自由主義・民主主義の国家体制と、
 資本主義経済と自由貿易による繁栄の維持。

 *他の覇権国、米国や旧ソ連のように
  自国の理念を他国に輸出しようとか、
  中国のような覇権の拡張を希求するとか、
  そういう意味のアクの強さは無いね。

  自国の事のみに汲々としてるというか。
  良く言えば「覇権を求めない」
  悪く言えば「自国のことしか考えてない」

  
◇国家戦略:2004

 米国との同盟関係を主軸とし、
 国際的地位と発言力の保持に務める。
 外交や経済協力によって友好国を増やし、
 経済交流や通商の発展に努める。

 *これが「戦略」に該当するのか分からないけど(笑)、
  取り合えず、これが国家戦略。


◇軍事戦略:2004

 柱として3つで、
 領土・領海・領空及び国家権益の防衛。
 海上通商路(シーレーン)の確保。
 日米同盟による米軍の救援。


だいたい、こんなとこでしょうか。

では、この「国家理念」「国家戦略」
「軍事戦略」に基づいて、
日本の現国力と経済規模を勘案しつつ、
「軍事組織・装備体系」を検討してみましょう。


ちょっと雑談から入ります。

今回、防衛費は大幅削減となりましたが
最後までもめたのが陸上自衛隊の定数。
防衛庁は16万人超を要求し、
財務省は12万人と譲らない。
結局、どこでどう妥協となったのか
15万5千人で落ち着いた。

で、防衛庁側は財務省案の削減に反論する根拠として
以下の3つをあげたとのこと。

1,北朝鮮の特殊部隊の脅威。
  特殊部隊対策は人員の頭数が無ければ無理

2,地震等の大規模災害時に支障が出る。

3,PKOなどの国際貢献の際に、
  12万人体制ではやりくりがきかない。

私はこれを見て思ったんですが、
薄弱たる根拠ですな。
特に2と3は理由になってないよ。
自衛隊の主任務は国家と国民の軍事的防衛でしょう。
それが本筋であって、
地震やPKOなんか理由にならんよ。

国家が膨大な金を払って軍隊を雇用しているのは、
いざ戦時に備えるためであって、
地震やPKOのためじゃない。
小銃や戦車を持ち、ミサイルや魚雷をぶっ放して
戦車や潜水艦を買い与えているのも
軍事的な防衛のためでしょう。

災害出動やPKOなんて、それは支目的に過ぎず、
だから16万じゃなきゃ嫌だって言うなら、
本末転倒だよ。
ほとんど、組織防衛のためのこじつけですな。

さて、残りの1の北の特殊部隊対応ですが、
防衛庁側は例として、
1996年の韓国での北朝鮮工作員侵入事件をあげたという。

1996年9月、韓国北東部に北朝鮮の潜水艦が侵入し、
北朝鮮の特殊部隊員ら26人が韓国に上陸した。
これに対して韓国軍は50日にわたり
約6万人を投入して包囲したが、
特殊部隊員らの反撃によって16人が殺された。

防衛庁は、この事件で少数の特殊部隊員に対し、
韓国軍が6万人を動員したことを例に挙げ、
特殊部隊対策には人員の頭数が必要との見解。

事実、ここ数ヶ月ほど、
誰かが意図的に情報を流してるのか、
「北の特殊部隊の脅威」
「それに対する自衛隊の包囲作戦」
に関する報道がけっこう流れている。

朝鮮半島有事の日米共同作戦判明
 工作員の侵入想定


日本海沿岸に警備部隊 北の侵攻想定 伊丹に移動監視隊

陸自が北朝鮮テロ対策 2500人侵入想定
 原発など135施設防衛


北朝鮮特殊部隊、5%は内陸部潜入
 十数人包囲に6千人-防衛庁シミュレーション


私は思うんですが、
逆に防衛庁に質問してみたいことが2つあります。
一つ目は、
仮に北朝鮮の特殊部隊の脅威が無いとなった場合、
陸自の定数はいくら必要だと思いますか?
10万人ですか、12万人ですか?
それともやっぱり16万人ですか(笑)?

もし、「12万人だ」との答えが返ってきたなら、
じゃあ、4万人分が特殊部隊対策なんですか?
それと、今後、北朝鮮情勢が落ち着いたら、
12万人に減らしていいわけですね?

まあ、意地の悪い質問かもしれないけど、
さらにもう一つ。
26人の特殊部隊を鎮圧するために
6万人が必要だったとのことですが、
単純な疑問で申し訳ないけど、
いつ来るか来ないか分からない26人のために、
国家は毎年、営々として6万人の軍隊を
常備し続けなければならないわけですか?

当たり前の話しをするようだけど、
国の予算は無限じゃない。
限られた金をやりくりしなきゃいけない。
これは国に限らず、企業や個人の家計もそうであって、
あれもほしい、これも必要だではきりがない。

北の特殊部隊対策のための
一定の人員が必要だとの「必要性」は理解するよ。
でも、26人に備えるために
6万人を常備するという論法は、
どう考えても効率が悪いと思うんですが・・。
軍事予算の合理性という観点からしても
無駄が多すぎだよ。

金の使い方の基本は「優先順位」でしょう。
何を優先して、何を劣後におくか。
優先度の高いものから使うべし。

日本が国家の存亡をかけた脅威にさらされるのは、

◇国土に対する正規軍の直接侵攻

◇シーレーンの途絶

◇主要都市に対する核攻撃

この3つ。

であるならば、この3つにまず備えるべき。

北と開戦して、特殊部隊が数十から数百侵入しても、
国家が滅亡するわけじゃない。
あれこれ被害は出るでしょうけど、
国の死命を制さるる状況じゃない。

で、今の国際環境からいって、
「国土に対する正規軍の直接侵攻」は考えづらい。
せいぜい、尖閣諸島に少数の中国軍が
政治的な目的で上陸する程度のオプションに過ぎない。

問題とすべきは、
「シーレーンの途絶」
「主要都市に対する核攻撃」
この2つ。
優先順位から考えれば
こっちに重点を置くべきでしょう。

もちろん、北の特殊部隊の脅威は理解できます。
私が言いたいのは、
「16万人必要」との理由付けを、

1,北の特殊部隊対策
2,災害対策
3,PKO要員の確保

な~んて、枝葉末節を挙げるなってこと。

結局、陸自自体が、
冷戦期の対ソ防衛とソ連軍侵攻への防御を
主眼とした体制から抜けきれてないんですよ。
「16万人云々」は陸自の組織防衛でしょう。

じゃあ、防衛費を削減した方がいいのか?
冗談じゃございません。
日本の地理的条件と
上記の国家戦略・軍事戦略の根本に立ち返り、
海空主体の布陣に切り替えるべし!


さて、本日はここで稿が尽きました。
今回は「前編」としておきます。
次回「後編」において
実際の自衛隊の組織体系・装備を検討してみましょう。



陸上自衛隊 - Wikipedia

陸自定数15万5000人 新防衛大綱

北朝鮮の軍事素顔1:フグ戦略 特殊部隊・兵器も選別

首相官邸:安全保障と防衛力に関する懇談会

日露戦争 - Wikipedia


娘通信♪関連過去記事
防衛費大幅削減!? Part,2・・MD導入と陸海空縮小。
防衛費大幅削減!? Part,1・・財務省VS防衛庁。
[PR]
by misaki80sw | 2004-12-25 22:00 | 日本(政治経済)
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中古護衛艦の輸出、政府が検討…「3原則」例外で

 政府は21日、海上テロ・海賊対策のための
 東南アジア各国への中古護衛艦などの輸出について、
 武器輸出3原則の例外として認めることを
 前向きに検討する方針を固めた。
 来年1月にシンガポールやマレーシアに
 表明する予定だ。

 輸出する船としては、
 海上自衛隊が沿岸海域用に保有する、
 1000―2000トン級の小型護衛艦や、
 海上保安庁の巡視船が検討対象となる。
 実際に引き渡す際は、大砲など、
 海賊などの取り締まりには不要な
 重装備は取り外すことにしている。

 大砲や銃を装備した艦船は従来、
 武器輸出3原則に抵触するため、輸出できなかった。
 今月10日に新たな「防衛計画の大綱」を
 閣議決定した際の官房長官談話で、
 「テロ・海賊対策支援」などの場合は、
 個別の案件ごとに検討するとして、
 3原則を緩和する方針が打ち出された。
 海賊取り締まりなどに再利用するために
 退役した中古艦船を輸出しても、
 「国際紛争の助長にはつながらない」
 との判断によるものだ。

   (読売新聞)


先日、武器輸出について書きましたけど、

政府、武器輸出3原則見直し・・国家の理念次第でしょ。

だいぶ話しが具体化してますね。
大いにけっこうでございます。

まだ「海上テロ・海賊対策」に
用途を限定してるのが気にくわないけど、
まあ、これも進歩と見なすべきでしょう。

輸出するのは海自の小型護衛艦や
海保の巡視船とのこと。
海自の地方隊所属の護衛艦で
「DE」と呼ばれてるクラスでしょうね。

上記画像の護衛艦は、
大湊地方隊所属の「ゆうぐも」。
「やまぐも」型護衛艦の6番艦。
まあ、これが輸出されるのかは分からないけど、
するとしたらこのクラスでしょう。

ゆうぐもは昭和53年に就役した古い艦だけど
装備は、

◇50口径76ミリ連装速射砲×2
◇SUM(ASROC)8連装ランチャー×1
◇ASR(ボフォース)4連装ランチャー×1
◇3連装短魚雷発射管×2

と言う感じで、
なかなかのものを持っている。
輸出時には、この武装も
全部取っ払っちゃうんでしょうね。
もったいないなあ~。

まあ、こういう、
せこせこした輸出じゃなくて、
いずれは大型護衛艦や潜水艦の輸出まで
こぎつけたいものだ。

日本は、自由主義と自由貿易を国是とする国。
理念を共有できる諸国ならば、
武器を輸出したって何の問題があろうか。

そういう志を同じくする国が、
大国の覇権主義や
全体主義国家の富国強兵に押されているならば、
優れた武器を輸出してその国を支えてあげるのも、
素晴らしいことだと思うよ。

武器輸出をネガティブな面のみで捉えないように。
物事にはコインの裏表、功罪の両面がある。
悪しき面のみを見つめて、
自らの良き行動を自縄自縛しませんように。



娘通信♪関連過去記事
政府、武器輸出3原則見直し・・国家の理念次第でしょ。
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by misaki80sw | 2004-12-24 01:00 | 日本(政治経済)

今日は2つの世論調査が発表された。
内閣府と読売新聞。
両方とも外交に関する世論調査。


まず、内閣府の方からいってみましょう。


対中親近感37%で過去最低 内閣府世論調査

 内閣府が18日付で発表した、
 「外交に関する世論調査」によると、
 中国に「親しみを感じる」と回答した人が
 昨年の前回調査と比べ
 10.3ポイント減の37.6%に落ち込み、
 1975年の調査開始以来、最低となった。
 「親しみを感じない」は58.2%
 (前回48.0%)と大幅に増加。
 現在の日中関係が「良好だと思う」は28.1%
 (同46.9%)に激減した。

 一方、最近の「韓流ブーム」を反映して韓国への親近感は
 1.7ポイント増の56.7%と過去最高を記録。
 55.5%が日韓関係は「良好」とした。

 米国への親近感は71.8%と前回より4ポイント減少、
 日米関係が「良好」とする回答も
 76.7%(同79.1%)とわずかながら減った。
 ロシアへの親近感も16.3%(同20.0%)に減少した。

 北朝鮮に対する関心事項(複数回答)は
 日本人拉致問題が88.3%とトップ。
 核開発、ミサイル問題と続いたが、
 昨年と比べて全体的に関心がやや低下した。

 日本の国連安保理常任理事国入りには、
 賛成が62.6%だったのに対し、反対は16.0%。
 反対理由のうち「常任理事国にならなくても
 非軍事分野で十分な国際貢献を行える」との意見が
 前回より7.5ポイント増えた。

   (産経新聞)


これを見てると
対中感情の冷えこみっぷりは凄いね。
世論は正直ですよ。

逆に、

 中国に「親しみを感じる」と回答した人が
 10.3ポイント減の37.6%に落ち込み、

まだ37.6%は親しみを感じてるんだな~。
どういう神経してるんだろう?

次に韓国ですが、

 「韓流ブーム」を反映して韓国への親近感は
 1.7ポイント増の56.7%と過去最高を記録。

韓流ブームたって、
結局、1.7ポイント増に過ぎないわけね。
マスコミ諸君ご苦労様(笑)。


さて、今度は読売新聞の世論調査。


対米不信、過去5年で最高…読売・ギャラップ世論調査

 読売新聞社と米ギャラップ社が実施した、
 日米共同世論調査によると、
 日米関係を良好とみる人は両国とも多いものの、
 互いの信頼度を聞くと、
 「米国を信頼していない」(日本)が53%と過半数に達し、
 「日本を信頼していない」(米国)29%を大きく上回った。

 現在の日米関係について、「良い」とみる人は、
 日本では昨年より9ポイント増の49%。
 米国は1ポイント減の53%だった。

 しかし、互いの国への信頼度では、
 日本では「信頼していない」が、
 昨年より8ポイント増の53%となり、
 「信頼している」38%を大きく上回った。
 調査方法を面接から電話方式に替えた2000年以降、
 「不信」が「信頼」を上回ったのは昨年からだが、
 その差は4ポイントから15ポイントに開き、
 対米不信が拡大した形だ。

 米国では、「不信」29%より、「信頼」67%が高く、
 日米間の意識のズレを見せている。

 対米不信の理由としては、イラク問題が大きいとみられ、
 米国が中心となって進めてきたイラクの戦後統治について、
 日本人の75%が「不満」と答えた。

 一方、中国との関係では、
 日本では「悪い」が59%、米国は16%だった。
 日本では昨年より28ポイントも増加し、
 2000年以降の調査で最も高かった。

 中国を「信頼していない」人も、
 日本では71%、米国は57%で、
 日本での中国不信が目立っている。

    (読売新聞)


こっちも中国票の下落は凄まじい。
おそらく旧来の中国ファンまでが
見放したんじゃないかな?
歴史とかを通じて中国好きだった連中も、
さすがにあれだけの反日ぶりを見せられたら、
百年の恋も冷めるってもんでしょ。

次に米国。
これは興味深いね。

 現在の日米関係について、「良い」とみる人は、
 日本では昨年より9ポイント増の49%。

 しかし、互いの国への信頼度では、
 日本では「信頼していない」が53%となり、
 「信頼している」38%を大きく上回った。

「日米関係は良い。
・・・・でも、私は米国が嫌いだ。」
こんな感じでしょうか。
主観と客観を冷静に分離できてるところが偉いね(笑)。

このアンビバレントな分裂ぶりは、
米国追従へのフラストレーションとも見れる。

追従がある程度はしょうがないのは理解できる。
で、でも分かっちゃいるけど不満だな~
こういう層なんだろうね。
草の根保守層という感じかな?
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by misaki80sw | 2004-12-19 00:57 | 日本(政治経済)

もう一週間前のニュースになるけど、
12月8日、鳥取県の川上知事提出の特区構想が
国によって却下された。
特区の名前は「境港水産加工業振興特区」。
北朝鮮に対する経済制裁論議が盛り上がる中、
それに対する抜け道を開く特区構想だった。
その経緯を追っかけると・・・


来年3月から「一般船舶油濁賠償保障法」が施行される。

◇日本に入港する100トン以上のすべての船に適用
◇保険未加入の船舶は国土交通省が入港を禁止できる。
◇どうしても無保険船で入港したいなら、
 責任限度額までの支払いを保証する担保契約を付けること。

国土交通省:
 油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案について


当初は、座礁した貨物船などが油事故を起こし、
賠償金も支払わないのは困るとして作ったもの。

ところが審議を経るうちに、
あれよあれよと内容が厳しくなり、
政治的な思惑がどんどん上乗せされて、
法が成立した時は、こんな感じになった↓

改正油濁損賠法が成立 北朝鮮船の入港困難に

これによって、北朝鮮の船舶は90%以上が
入港は不可となる。

彼らの船舶は大半が保険などかけてないし、
かけようにも、北朝鮮船に保険をかけてくれるような
酔狂な保険屋など世界中に存在しない。

保険に関してまとめると以下になる。

◇日本入港の船舶は油漏れに関する保険をかけるべし!
  by 国土交通省

◇でも、北朝鮮船の90%以上は保険未加入だよ。
  どうしたらいいわけ?

◇保険をかけるには、
 「船級」という格付けを貰わないといけない

◇船級を与えられるのは
 英国法に基づいて認定された、
 国際船級協会連合(IACS)の正会員または準会員のみ。

◇IACSの正会員または準会員のリスト内に、
 韓国と中国はあるが北朝鮮はない。

◇大半の北朝鮮船は船舶構造などの規格に合致せず、
 船級は与えられません。

◇もし、加盟国が他国に船級を恣意的に与えると、
 協会から即日追放に。
 最低でも50年は復帰できない。

◇というわけで、
 やっぱり北朝鮮船の90%は入港不可です!
  by 国土交通省

ってな、感じなんですね。

拉致連絡板:
 一般船舶油濁賠償保障法についてのお勉強



で、来年の3月からこれが施行されて、
北朝鮮は大打撃を受けるのは必至。
実質上の経済制裁。

これに困ったのが鳥取県境港市。
境港は北朝鮮からベニズワイガニ、貝などの
魚介類を輸入しており、
2003年の輸入額は28億5000万円。
これを加工して輸出することで、
この市の経済は成り立ってきた。

もともと境港は魚介類を自前で水揚げし、
加工していたのだが、
日本海の漁獲高が減少するとともに、
北朝鮮からの輸入に頼るようになった。

1992年5月に北朝鮮・元山市と友好都市協定を締結。
相互の訪問団派遣、民間企業の経済交流を始める。
次第に北朝鮮船の入港が活発となり、
2003年には年間409隻が入港、
京都の舞鶴港を抜いて全国一となった。
また、去年には
鳥取県知事と境港市長が揃って北朝鮮を訪問した。

境港にしてみれば、「油濁賠償保障法」の施行は
地場経済を壊滅させる大問題であり、
県と市はあの手この手の対応策を協議した。

北朝鮮水産物安定確保へ 境港の水産業界

境港の業者支援に前向き 県議会で知事


で、今年11月24日に国土交通省に特区申請。
名称は「境港水産加工業振興特区」。

構造改革特区(6次)提案募集における
 構想・プロジェクト概要

 (7ページ目)

 鳥取県境港市は
 国内最大のベニズワイガニ水揚を誇る水産業の町。
 しかし近年の漁獲減少に より現在では
 外国より輸入したベニズワイガニを原料とした加工業が
 地元産業で大きな位置を占めている。
 2003年同港に輸入された原料は約7000トン、
 加工による生産額は180億円に上 る。
 改正油濁損害賠償保障法の成立により
 100トン以上の船舶に対し
 保障契約の締結が義務付けられる。

 境港に入港する外国船の多くは
 保険未加入の状態であるため、
 入港禁止が実施され た場合に
 地元産業の倒産など経済に与える影響は計り知れない。
 こうした事態を回避するため、
 境港においては保険加入義務を
 500トン以上に引上げる特区を申請する。


境港に入港する外国船=北朝鮮船は、
500トン以下だったら保険を免除してくれと。
早い話が、境港だけは
「油濁賠償保障法」をザル法にしてくれと。


そして12月8日に国土交通省からの回答。

検討要請に対する国土交通省からの回答
 (40ページ目)

 本規制は、わが国沿岸への座礁船の放置等により
 油防除措置や船体撤去等の費用負担を
 地方自治体が強いられることから、
 地方自治体からの強い要望も受け、
 本年4月に油濁損害賠償保障法を改正し、
 来年3月より施行するものである。
 
 放置座礁船として問題となる船舶は、
 比較的小型のものが多く、
 保険義務付けの 対象船舶を100トンから引き上げた場合、
 座礁事故等によって被害を受ける地方自治体や
 漁業者等に対する十分な保障が確保できないこととなる。
 また仮に、義務付けトン数引き上げが
 特定地域のみで実施されたとしても、
 当該特定地域以外の場所において
 対象船舶による座礁事故が発生する可能性があるため、
 当該特定地域のみならずそれ以外の地域においても、
 被害者保護が損なわれる結果となる。 
 このため提案された特区に拠る対応を行うことは
 不可能である。


却下されました(笑)。

まあ、当たり前だよ。
これで申請が通ったらブチキレものですよ。
こうして境港の特区申請はかくしてかくなり、
却下されましたとさ。

それにしても鳥取県側も国土交通省も、
互いに一言も「北朝鮮」と言わないのが笑える。
官僚だね~。


こういう事象は
歴史上ではしばしば起きること。
通商は相互の繁栄と同時に、相互の癒着を生む。
つまり「利益共同体」となってしまう。

境港とて、北朝鮮が好きなわけじゃないでしょう。
でも、自分とこの経済のためには
背に腹をかえられない。
結果的に、相手の利害の代弁者となってしまう。
特に力関係でいくと弱者側はそうだよね。

事実、特定船舶入港禁止法案が
国会に提出された際には、
朝鮮総連幹部が境港の水産団体を訪れ
「何とか法案に反対できないか」との打診があったとのこと。

電脳補完録:
 北朝鮮の入港日本一 境港市 唯一の姉妹提携市に逆風


この境港と北朝鮮の関係を拡大したのが、
日本の経済界と中国の関係。
日本から多くの企業が中国に進出し、
貿易で荒稼ぎしている。

で、最近、経済界首脳が中国の意向を代弁し、
「靖国参拝は日中関係を損なう」などの発言が目立つ。
利害共同体と化したわけですな。

娘通信♪:
 安倍氏、媚中財界人を批判・・財界の正気はどこに?


通商の恐さはここなんだよね。
交易繁栄・通商増大は、
相手の利害に引っ張られることと裏腹の関係にある。

境港の例は一つの教訓ですな。





ニュースの焦点:
 高まる緊張感 境港にも 北朝鮮船の検査強化


対北朝鮮貿易、昨年3割減 「経済制裁」発動前から萎縮

ローカルニュース:
 北朝鮮制裁の入港禁止法案 境港市に大打撃


ローカルニュース:
 境港の業者支援に前向き 県議会で知事


ローカルニュース:
 外貿船急増で職員数膨張 境港港湾合同庁舎


境港市-市政懇話会の概要報告:
 「境港市だけにはテポドンとかを打ち込まないように・・」

 (ページの下の方)

電脳補完録:北朝鮮船籍の港別入港状況
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by misaki80sw | 2004-12-18 11:33 | 日本(政治経済)
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「李登輝氏、来日は観光」 日中関係に影響なし
 細田官房長官


 細田博之官房長官は十六日午前の記者会見で、
 台湾の李登輝前総統が観光目的で
 年末から来日を希望していることを明らかにしたうえで、
 「家族旅行と理解し、
 政府はビザ(入国査証)を発給する方針だ」と述べた。
 また、「李氏は日本で
 政治活動はしないものと理解している」と強調、
 中国側には十五日に通告したことも明言した。
 
 さらに「日本政府は二つの中国という立場はとらず、
 台湾独立を支持しないことを明確にしておきたい」と述べ、
 日中関係への「大きな影響はない」との考えを示した。
 
 これに関連し、小泉純一郎首相は同日午前、
 ビザ発給を「断る理由はない」と答えたうえで、
 九月に見送り今回認めた背景に
 台湾の立法委員選挙(総選挙)があるかとの問いに
 「まあ諸情勢」と述べた。
 町村信孝外相も同日午前、都内で講演し
 「今や一市民が観光目的で来日するのを
 断る理由はない」と語った。

   (産経新聞)


大いにけっこうじゃないですか。

一私人として来日するのに拒む理由なんか無いね。
来日熱烈歓迎ですわ。

別に政治活動したっていいじゃないかとも思う。
まあ、そこまで日本政府に
肝っ玉を期待するのは無理でしょうが。
たぶん、前回平成13年4月の来日時のように
「政治的な言動をしない」などの条件を
付けるんでしょうね

伏線は、12月3日にマッチー外相が
台湾観光客のビザ免除を表明したこと。

台湾観光客は査証免除 町村外相が表明

目的はあくまでも、愛知万博などへの
台湾観光客の来日促進を狙ったものだが、
良き政治家の必須要件は
一つの政策を二つ以上の目的に対して行うこと。
台湾観光客のビザ免除を行うならば、
李登輝氏が私人として来日するのを拒む理由はない。
おそらくこの時点で
李登輝氏へのビザ発行は織り込み済みだったんだろうね。
たぶん李登輝サイドへも
「これで大丈夫ですよ」とかの耳打ちがあったでしょう。

前回平成13年の
来日時の騒動に比べると隔世の感があるね。
あの時、河野洋平外相は
「ビザを免除するなら辞任する」とまで言い出し、
森首相が「これは私の命令だ!」と押し切った。

2001年 李登輝氏 訪日問題 総合情報サイト

Web東奥・特集/断面2001:
 李氏ビザ問題で政府動揺/早急結論を強調する首相


これらのサイトを
ご覧になってもらえれば分かるが↑
当時、政界はビザ免除派と媚中派が綱引きしたが、
世論は全般的に李登輝氏に好意的だった。

あれから3年。
ホント、日本は変わったね。


で、お約束の如く、中国はこれに反発、

中国、報復の可能性も 大使呼び撤回申し入れ

まあ、勝手に言ってろって。

日中関係の冷却化はこれで拍車がかかった。
日本が今まで封印していた国家主権に関わる問題を
堂々と主張し始め、
片や中国は従来の如く反日路線に乗ったまま。
この傾向は今後も止まらないでしょう。

この日中対決の構造は、
米国は歓迎してるんじゃないかな。
日本を代理人として中国の覇権拡張を封じ込め、
兵器市場はバンバン潤うと。
たぶん、米の意図はそういうとこだろうね。

一方の台湾もこの対決路線は歓迎だろう。
日中が対決すればするほどに、
日本国内の媚中派政治家・官僚が一掃され、
日本が台湾に接近してくるのは間違いない。
最近の陳水扁政権の日本への好意的発言は
全てこれを念頭に置いたもの。
台湾「日米に事前連絡」中国原潜侵犯で陳総統
彼らは「日本カード」を手に入れようとしている。

日本は日本で、現在の中国の状況からすれば、
この対決路線を歩まざるをえない。
何故なら、中国は「妥協」という文字を知らないから。
あの国の反日一辺倒の路線に迎合すれば、
間違いなく国益は浸食される。

日本は米国や台湾の思惑に乗らざるをえない。
米の後援を受け、「台湾カード」を懐に入れ、
中国の対日戦略が変換するまでは、
腹をくくって、この路線を突き進むしかないでしょう。



李登輝:Wikipedia

日本李登輝友の会
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by misaki80sw | 2004-12-17 21:14 | 日本(政治経済)