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by misaki80sw

韓国、漢字能力重視の企業増加・・ハングルの功罪。


新入社員選抜時、漢字能力重視の企業が増加

 韓国貿易協会は輸出企業の上位30社を対象に
 アンケート調査を実施した結果、
 新入社員採用の際、応募者の漢字能力を検証する企業が
 半分に近い13社におよぶことが明らかになった。
 昨年は漢字能力を検証した企業は6社に過ぎなかった。

 企業は漢字の能力を検証する理由としては、
 「漢字能力は新入社員の基本的素養」(46.1%)
 を最も多く挙げ、
 「漢字文化圏の国家との交流拡大」(38.5%)、
 「業務上における漢字の使用」(15.4%)
 の順であることが分かった。

 調査の過程で会社の人事担当関係者らは
 「新入社員が漢字で書かれた相手側の
 名刺を読むことができないなど、
 業務遂行に支障があった」
 と吐露したと韓国貿易協会は伝えている。

 企業の38.5%は漢字能力の検証方法として
 「漢字関連の公的資格」を要求しており、
 30.8%は「会社の用意した漢字テスト」を
 受けさせていることが分かった。

 企業はまた、漢字能力が優秀な新入社員に、
 入社後、一定水準の加算点付与と、
 本人の希望部署に優先的に配置するなどの方法で
 優遇していることが分かった。
 韓国貿易協会のキム・ジェスク貿易振興チーム長は
 「経済5団体が漢字の使用を勧告してから、
 企業の間で漢字が重要だという認識が徐々に拡散している」
 と話した。

   (朝鮮日報)


韓国のハングル文字は、
1443年に李氏朝鮮の第四代王の発議でつくられた。
純粋な表音文字。

しかし、漢字を重んじる高級官僚や知識人たちは、これを排斥し、
以後四百数十年の間ほとんど使われることがなかった。

第二次大戦後、大韓民国が成立した後、
公文書はすべてハングルで書くべしとの法律が制定された。
さらに韓国政府は民間でも漢字使用を止めることを奨励した。
1964年からは、小学四年生から高校生までの間、
国語教育での漢字使用は1300文字に限るようになった。

そして1970年、学校教育から漢字を追放。
近年に多少教えるようになったものの、
本格的漢字教育はされないままである。
現在、韓国では、漢字教育を受けずに
ハングルだけで育った人口が過半に達している。

私は数年前に、呉善花さんの
「反日を捨てる韓国」という本を読んだ。
その中で呉さんは、韓国での漢字教育衰退を嘆いていた。

韓国語の語彙は漢字の影響を強く受けており、
一般の文書で使われている語彙の約70%が漢字。
公文書では90%以上が漢字語である。
で、漢字を使わずに
ハングルだけでそうした文書を書くとどうなるのか?

呉さんは
「すべてを仮名で書いたと同じようになると
想像すればいい」という。

では試しに上記ニュースの一部を
仮名(数字の部分は省く)だけで書いてみましょうか。

 きぎょうはかんじののうりょくをけんしょうするりゆうとしては
 「かんじのうりょくはしんにゅうしゃいんのきそてきそよう」
 をもっともおおくあげ、
 「かんじぶんかけんのこっかとのこうりゅうのかくだい」、
 「ぎょうむじょうにおけるかんじのしよう」
 のじゅんであることがわかった。

となるわけ。
なんか脱力 (^_^;

まあ、見た目の印象は横に置いとくとして(笑)、
漢字を知ってる人がこの文章を読む時は、
一旦、無意識に文章を漢字に再変換して
意味を把握してるでしょうね。

しかし、「きそてきそよう」とか「ぶんかけん」とか、
漢字を全く知らずに、
仮名でダイレクトに意味を覚えてきた人は
恐らく、抽象的な概念の把握が
漢字を知ってる人よりも遅くなるんじゃないかな?

例えば「民主主義」という言葉がある。
漢字を知ってる人ならば、
「民が主となる主義」という風に意味を理解するだろう。
ところが漢字を知らずに、

 「みん(たみ)」 「しゅ(あるじ)」 「しゅぎ」

と言葉の意味を覚えてきた人は、
「みんしゅしゅぎ」と言われて、
おぼろげに意味は理解できたとしても、
漢字という「表意文字」がもたらす、
鮮やかな概念の把握には及ばないだろうね。

もちろん、日本語の漢字の
「訓読み」みたいなのは韓国になく、
漢字は全て「音読み」で読む。
さらに韓国語は日本語よりも同音異義語が少ない。
だから一律に日本語でのたとえや説明が
100%そのまま当てはまるわけではない。
これは付記しておく。

さて、呉善花さんは本の中で、
漢字を全てハングルに変えて音だけで表記していくと、
韓国が韓国の文化を維持発展していくことなどできない、
必ず質を落とすことになると書いている。

実際、上記ニュースにあるように
韓国企業では漢字能力がある人材が重宝され始めてるようだ。
これは記事にあるように
「教養」や「漢字国家との交流に必要」というだけじゃなく、
これは推測に過ぎないけど、
現実に人材としての能力に差があるんじゃないかな?

例えば、日本の企業って
「法学部」出身の学生を優遇する傾向がある。
それは法を学ぶことによって、
「リーガルマインド」、即ち、
種々の事案や事象について筋道を立てて考え、
バランスよく判断する能力が身に付く。
別に法そのものの知識を企業が求めてるわけじゃなく、
法を学ぶ過程で、
リーガルマインドを身につけた人材を求めている。
そういうことを読んだ記憶がある。
まあ、これとよく似てるかな。

企業は日々競争にさらされている。
そんな中で伊達や酔狂で
漢字の素養を求めたりしないでしょう。
イコール実戦力につながるという、
認識があるんじゃないかな?

韓国は漢字を捨て去り、ハングルのみを選んだ。
もちろんハングルは表音文字であり、
習得は漢字よりも簡単である。
その意味では合理的な決断だったのかもしれない。
しかし、漢字という表意文字の持つ、
含蓄と抽象性にはとても及ぶべきも無い。

ハングルの選択から50年の歳月が流れ、
その中から育った世代が過半を占めようという今、
それがこの国の未来にどう影響を及ぼすのか?
これは大いなる文明実験とも言えるでしょうね。
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by misaki80sw | 2004-08-24 01:01 | 韓国・北朝鮮関連