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by misaki80sw

筒井康隆 「傾いた世界」

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筒井康隆の「傾いた世界」を読んだ。

ストーリーは、
水上人口都市「マリン・シティ」が
底部のバラストの破損のため、
次第に傾斜が始まり、ついには転覆してしまう。
フェミニストの女性市長はこの現実を頑として認めず、
政府の退去命令にも抵抗し続け、
ついにはシティもろとも沈んでしまう。

自分の責任に直面したくない米田市長。
彼女は事態の隠蔽に走り、現実を認めない。
その取り巻きのフェミニストの支持者たちも
事実隠しと現実逃避に狂奔する。

 『政府はマリン・シティの全住民に
 退去命令を宣言した。』

 『米田共江は怒り狂って不服従を宣言した。
 地方自治への横暴なる介入であり、
 フェミニズムへの重大な挑戦である。
 命令には従わない。
 マリン・シティは傾いていない。』

この女性市長、おそらく筒井康隆は
某万年野党の元女性党首をモデルにしたのではないか?
底部のバラストにパチンコ玉を使用している描写などは、
思わずニヤリとさせられる。

彼は、あの手の現実逃避絶叫タイプの政治家やマスコミが
大嫌いなんだろうね。

最初は微弱だったマリン・シティの傾斜も
時と共に大きくなり、市民生活は徐々に破綻していく。
事故が続発し、多くの死傷者が出て、
市民たちは市長らの制止を振り切り市外へと脱出していく。
このバタバタぶりがいかにも筒井康隆らしく、
乾いた生々しと残虐さで描写されていて、
思わず笑ってしまう。

そしてマリン・シティに最後の瞬間がやってくる。

 『どどどどどどどどどどどどどどどどどどど。
 世界一の倒壊が始まった。』
 
この文体がいかにも筒井康隆らしくていいよなあ(笑)。
 
最近の筒井康隆は文章が小難しくて敬遠気味だったけど、
これは久々の爆笑ものでした (^^*)
 
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by misaki80sw | 2004-06-02 02:01 | 日記・コラム