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by misaki80sw

北朝鮮情勢緊迫・・米国の武力行使と日本の国益

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米、北の核実験阻止へ先制空爆立案

 米NBCテレビは6日、
 北朝鮮が準備していると伝えられる核実験を阻止するため、
 米軍が実験場など核施設への
 「先制空爆」を行う緊急作戦計画を既に立案していると報じた。

 NBCによると、国防総省は昨年9月以来、
 グアムとインド洋のディエゴガルシアに駐留する、
 レーダーに捕捉されにくいB2ステルス爆撃機と、
 F15戦闘機を「警戒態勢」に置き、
 核施設「除去」の緊急作戦計画が発動されれば、
 いつでも北朝鮮空爆を実施できる状態にしている。

 しかし、韓国などは軍事作戦に強く反対している。
 米軍は、北朝鮮が核実験を行った場合には、
 北朝鮮有事に備えた「作戦計画5029」について、
 実験直後に北朝鮮攻撃を可能にする内容に
 更新することを求めているが、
 韓国側が激しく抵抗しているという。

   (産経新聞)


共同発のこのニュースは激震を巻き起こしましたね~

まあ、当たり前と言えば当たり前のニュースで、
北朝鮮が核保有宣言のみならず、核実験までやるとなれば
米国は現国際秩序を揺るがす問題として
軍事力の行使を想定するのが当たり前だわね。

もともと米国にとっては
ブッシュ再選時や北の核保有宣言の頃から
最終的に武力を行使してでも
北朝鮮の核兵器破壊と金正日政権を打倒することは
既定の路線だったでしょう。

それに至る道筋として六ヶ国協議が存在し、
そこで埒があかなければ安保理付託、
そして経済制裁、経済封鎖、
そして最後は軍事力行使と段階を踏む予定だったと思う。

ところが北朝鮮が核実験を行う可能性が出てきたことから、
一気に階段をすっ飛ばして
軍事行使の選択肢を選ぶ可能性が出てきた。
おそらく北が核実験を行えば
即、軍事行使に至ると思うよ。

ある意味、今回の北の核実験騒ぎは
米国にとっては「思う壺」みたいな部分がある。
特に米国内の対北強硬派にとってはね。
これで攻撃の大義名分が出来る。

仮にこの「北の核実験騒ぎ」がデタラメで
結局、実験なんて行わなかったとしても
米国の、北の核兵器破壊と金正日政権打倒の意志は
揺るがないでしょうね。
要は軍事力行使に至るステップを短縮できるか、
そしてその大義名分をハッキリ得られるか否かの差に過ぎない。

私は今後の北朝鮮情勢の行く末は、

1,米国の空爆

2,中国の金正日政権打倒
  
   軍事侵攻又はクーデター使嗾

3,北朝鮮の譲歩

   核開発の中止と核兵器破棄

4,米国と北朝鮮の妥協

この4つのどれかだと思っています。

米国が手を出すか、
中国が手を出すか、
北朝鮮が「負けました」と言うか、
米朝がほどほどのところで手打ちにするか。

以下、個別に解説します。


<米国の空爆>

米国がイラクの泥沼にはまることなく、
在イラク兵力の大部分を
あっさりと引き揚げることが出来ていたなら、
すでに北朝鮮問題なんて
とうにカタがついていたと思います。
軍事力を背景に
さっさと金正日政権を打倒していたでしょう。

米国はイラクにおいても軍事力を行使し、
フセイン政権を打倒しましたが、
この北朝鮮の問題とイラク戦争の違いは
北朝鮮が「韓国」という人質を持っていること。
これが大きな違い。

北朝鮮は38度線沿いに並べた長距離砲によって
ソウルを30分で火の海にできる実力を持っている。
当然、多くの市民が犠牲になり、
韓国は大損害を受けるわけで、
この「人質」をどうするかで米国は頭を悩ますでしょう。

当の人質である韓国にとっては
米国が武力行使をしたばっかりに
ソウルに砲弾が雨あられと降ってきてはたまらないわけで、
こういう心理的圧迫が
金大中政権以来の太陽政策の底流に流れている。

さて、ここからは政治というより軍事の話しになりますが、
米国は武力行使を決意したとして
どこまでそれをエスカレートさせるのか?

それは目的の設定によっても違うのでしょうが、
軍事行使の目的は以下の2つのどちらかです。

1,核施設と核兵器の破壊

2,金正日政権そのものの打倒

政略レベルでの長期目的はあくまで2でしょうが、
当面の軍事行使の目的を
1と2のどちらに置くかによって、
作戦の内容がガラリと違ってくる。

仮に1に限定したとして、
単に爆撃で核施設を破壊して
ハイ終わりとなるかというと
意外にそれでは終わりそうもない。

何故かというと、
北朝鮮がこれに呼応して戦線をどれだけ拡大するのか、
それを米国がどこまで正確に読み切れるか、
ここらへんにかかっている。

米国が北の核施設を空爆して、
北朝鮮がそれで収まるか、
やられっぱなしで収まるか、
問題はここなんですな。
つまり、北はこれを「開戦」と見なす可能性がある、と。

北の対抗処置として考えられるオプションは、

1,日本への弾道ミサイルの発射

2,韓国へのミサイル発射と長距離砲撃

さすがに韓国への南侵にまでは踏み込めないだろうが、
日本と韓国への攻撃が想定されるのなら、
米国は、単に北の核施設への空爆だけではなく、
弾道ミサイル基地や
38度線沿いの砲兵陣地を予防的に潰さないといけない。
そうすると空爆の規模が大規模になっていく。

また「韓国への長距離砲撃」が実際に行われたら
ほとんど南北全面戦争の領域に一気に突入する。

北朝鮮がどれだけ反撃するかによって
また、米国がそれをどこまで正確に読み切れるかによって
選択肢と対応策が無限に増えていく。
米国の首脳陣も頭を悩ますと思うよ。

暗夜密かに少数の爆撃機と攻撃機によって
北の核施設を破壊するだけですますのか、
あるいは考えられる全ての可能性を念頭に入れて、
日本海に空母を入れて大軍を集結させた上で
外交的恫喝を行いつつ、
湾岸戦争やイラク戦争の時のように
期限付きの要求を北朝鮮に突きつけて、
期限切れと共に大空爆をやらかすか。

私もここらへんは読み切れませんなあ。


<中国の金正日政権打倒>

中国に関しては先日の記事にも書いたとおり、

北朝鮮、6月に核実験か?・・情勢緊迫と各国の意図

北朝鮮を自国の勢力圏だと見なしている。

よって、米国による空爆が避けられない情勢となれば、
直接、金正日政権打倒に走り、
これを米国との取引材料にする可能性がある。
他人にやられるんだったら
いっそ自分の手でという発想ですね。

理由は2つで、

1,単純に面子と威信の問題

2,自勢力圏の防衛のため

もともと米国は
中国を六ヶ国協議に引っ張りこんだ時から、
中国の北朝鮮に対する影響力行使として
この種の荒技も期待していたからね。

この中国による武力行使の可能性と
米国による武力行使の可能性、
果たしてどちらが大きいかと見ると、
中国パターンの方が可能性は高いんじゃないかな。


<北朝鮮の譲歩>

全面的に追いつめられれば
この可能性も無きにしもあらずだね。
ただ、可能性としては低い。
極端に低いと思う。

あるいは譲歩を表明して、
実は時間稼ぎをするとかね。

北朝鮮にとって核兵器とは最後の頼みの綱。
これを持つことによって
今の窮状を打開できると思っているし、
これを手放せば列強によって
いいようにやられてしまうと思いこんでいる。
自分の価値基準で他国を計っているわけだけど、
所詮、あの北朝鮮という国は
国家というより「軍閥」だから、
そういう発想しかできない。


<米国と北朝鮮の妥協>

これは朝鮮半島というより、
他地域の情勢次第です。
たとえばイラク情勢。

イラク情勢が今後、急速に悪化していけば、
米国は二正面作戦を嫌い、
北と手打ちをする可能性はあるでしょう。

逆に言うと、米国が今、
北朝鮮に対して強気の発言が飛び出してるのも
イラク情勢が小康状態を保っているから。

ここで別な因子が登場する。
アルカイダ。
北朝鮮情勢が緊迫すれば
アルカイダはイラクを中心とする中東全域で
活発に反米テロを仕掛けていくでしょう。

何故ならば、アルカイダにとって北朝鮮は、
いわば「反米の同志」。
これが叩き潰されることは彼らの利害に反する。

ビン・ラディンの戦略思考は、
全世界各地で反米の火の手をあげて、
米国の国力を削いでいくこと。
「大軍をして奔命に疲れさせる」
世界規模でのゲリラ戦。
これが彼らの基本的発想。

そこで反米の火の粉の一つである北朝鮮が
あっさりと消されることを彼らは好まない。
間違いなく、これからアルカイダによるテロが
イラクを中心とする中東全域で
激しくなっていくと思われる。

そしてその激しさに米国が耐えかねたら、
朝鮮半島において、
米国と北朝鮮がかつてのクリントン政権時代のように
中途半端な妥協をする可能性がある。


さて、最後に日本の国益の観点から書いておきます。

先日の記事にも書きましたが、

北朝鮮、6月に核実験か?・・情勢緊迫と各国の意図

日本の国益は北の核放棄であり、
最終的には金正日政権の打倒です。

彼らが弾道ミサイルに核弾頭を搭載する時期が
刻一刻と近づきつつあり、
この後におよんで「対話と圧力」なんて
悠長なことを言ってる場合ではありません。

北朝鮮が核弾頭付きミサイルを実戦配備すれば
これは日本ののど元に
剣を突きつけられたに等しい状況となります。
完璧に防ぐ手段が無いからです。

そうなる前に彼らを潰すこと。
核という道具を潰すか、
彼ら自身を潰すか。

他の手段によって
彼らが外交的譲歩をしてくれるのなら
それはそれで検討の余地があるけど、
北朝鮮の場合は、
こと核に関しては譲歩はしないでしょう。

よって潰す必要がある。
言葉はきついかもしれませんが、
それが現実です。

日本は自前の軍事力で局面を打開できない以上、
米国の軍事行使に期待するしかありません。
また、米国の軍事行使の兆候にビビった中国が
金正日政権の打倒に走るのを期待するしかありません。

やれることは
米国を軍事行使の方向へと誘導すること。
それをやりやすい政治的環境を整えること。

たとえば日本が単独経済制裁を行い、
全世界に対して北朝鮮国内の人権問題と
自国民の拉致問題の卑劣さを訴えること。

また、朝鮮総連に対して強制捜査を行い、
彼らの過去の悪行の数々を全世界に曝すこと。
これによって世界世論を喚起することです。

要は日本のためにやることです。
他国のためじゃない。
日本の国益のためにも
一刻も早く、核という牙を抜き取り、
かの国の政体を崩壊に追い込むことです。



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by misaki80sw | 2005-05-09 21:31 | 韓国・北朝鮮関連