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by misaki80sw

中国の環境汚染、2つの事例・・貧困と経済至上主義


私の愛読メルマガに「中国最新情報」ってのがあって、
普段日本人には縁のない中国の国内紙を翻訳して
ニュースを載っけている。
ブログにもなっていて
これがなかなか情報豊富で重宝している。

中国最新情報

この「中国最新情報」で
3月中旬から4月末にかけて
中国の環境汚染の実態が連載されていた。

これはかなりの衝撃だった。
データ云々よりも
ああいうルポ記事形式で書かれると凄く生々しくて
毎号毎号、思わず見入ってしまった。

今日はその記事を紹介します。
ただし、他人様のメルマガなんで
一部引用と概略紹介にとどめておきます。
興味の湧いた方は本文を読んでみてください。


環境系記事は2つで
連載は6回に渡って行われた。

まず、貴州省のフッ素・ヒ素中毒の実態の記事。

中国最新情報 No.297 2005年3月15日
 ~貴州省西部の石炭燃焼がもたらす健康被害 上


中国最新情報 No.298 2005年3月22日
 ~貴州省西部の石炭燃焼がもたらす健康被害 下


 「南方都市報」3月2日付け記事の翻訳。
 後にこの内容が台湾系メディアで報じられて
 大反響を巻き起こした。

 中国西部に位置する貴州省で、
 同省総人口の約半分に当たる1900万人に
 フッ素中毒やヒ素中毒などの症状が出ている。

 貴州省疾病管理センターの安冬・副主任によると、
 典型的な症状は、
 ◇歯が黄色または黒色に変色する。
 ◇足がO脚やX脚に彎曲する(杖なしでは歩けない)。
 ◇腰が曲がったり、背骨が彎曲してラクダのようになる。
 ◇下半身マヒ。
 ◇腕が曲がったまま、真直ぐに伸ばせなくなる。

 中毒症状は1970年代から
 同省西部地区においてみられるようになり、
 特に同省北西部に位置する織金県荷花村が
 最も深刻な状況にある。

 同村では上記の症状が一般的にみられるほか、
 村民の身長が175cmを越えるケースはなく、
 70歳まで生きる人もごく稀にしかいないという。
 
 当初は奇病とされていたが、
 その後、ヒ素やフッ素を多量に含んだ質の悪い石炭を
 日常生活で使用していることが原因と判明。
 石炭を燃やす多目的コンロも
 不完全燃焼の起きやすいものが使われており、
 また住居の風通しが悪く、
 煙が室内にこもり易いというのも一因とされている。

 貴州省は中国でも有数の貧困地区。
 経済成長の立ち後れが廉価な有毒炭の使用や
 省当局による中毒対策の遅れにつながっているとみられる。

 『普通の石炭であぶったトウモロコシを与えたマウスに
 死亡したものはなく、成長も正常であった。
 しかし、砒素含有量の高い石炭であぶったトウモロコシを
 与えたマウスは15日以内にすべて死亡し、
 しかも腸、肝臓、腎臓に明らかな損傷が見られたという』

 『「歩くと足から流血する。
 数年前からこんな状態で、ベットから離れられない」
 邵先進さんは話すうちにおえつし始めた。
 まるで枯れた井戸からあふれ出る水のように涙にむせび、
 涙が顔いっぱいに重なり合っているしわににじんだ。
 伸ばした手はヒキガエルの皮のようで、
 ただれて化膿している。』

 『荷花村では、
 骨がまだ損傷を受けていない若い人さえも腰を曲げ、
 猫背で歩く人がそこかしこで見られる。
 村人の身長は1メートル70センチ以下で、
 しかも大部分がやせこけている。
 「ここの人が外へ働きに行っても、雇ってもらえない」
 と侯基文さんは言う。
 彼は35歳で、身長は1メートル60センチに満たず、
 足は外へ湾曲している。
 年齢が高くなると、体の障害が労働能力を喪失させ、
 歩行も困難になる。
 転んだら立ち上がることもできず、
 ベットで死ぬのを待つだけである。』

 『「異常な死に方をする人はとても多く、
 転んで亡くなる人が多い」と王徳頂課長は言う。
 村では70歳まで生きる人はほとんどいない。
 普通は50、60歳で亡くなるという。』

 ちなみに元記事はこちらです↓

 *貴州全省一半人口フッ素中毒
  
 写真が悲惨すぎて言葉を失ってしまう・・


次に天津・西堤頭鎮の化学工場による環境汚染の記事。

中国最新情報 No.300 2005年4月5日
 ~天津の西堤頭鎮 工業汚染でがん患者大量発生1


中国最新情報 No.301 2005年4月12日
 ~天津の西堤頭鎮 工業汚染でがん患者大量発生2


中国最新情報 No.302 2005年4月19日
 ~天津の西堤頭鎮 工業汚染でがん患者大量発生3


中国最新情報 No.303 2005年4月26日
 ~天津の西堤頭鎮 工業汚染でがん患者大量発生4


 「中国質量万里行雑誌社」の
 3月1日付け記事の翻訳。
 
 天津近郊にある西堤頭鎮の2つの村、
 西堤頭村と劉快庄村では癌で亡くなる人が急増している。

 『西堤頭村の人口は6777人前後であり、
 劉快庄村は6100人前後である。
 2村のがんの発病率は、
 西堤頭村が10万人当たり1313.26人、
 劉快庄村が10万人当たり2081.97人である。
 中国疾病予防制御センターーの呉凡主任によると、
 中国におけるがんの発生率は
 およそ10万人当たり70人である。』

 『1軒の家に3人のがんの患者がいて、
 隣り合っている5軒の家に8人のがん患者がいて、
 1つの村に百二十数名のがん患者がいる。』

 原因は、村を包囲するように建設されている、
 100社近い化学工場。
 これが汚染された水、汚染された空気、
 汚染された排出物を処理せずに垂れ流されている。

 『化学工場の排煙はそのまま排出されており、
 排水も同様である。
 西堤頭村には、永定新河に平行した溝がある。
 村民は、この溝は企業が
 汚染物質排出に使用していると教えてくれた。
 近づいて見ると、溝の水は赤色で、
 そのため村民はこの用水路を小紅河と呼んでいる。
 小紅河の汚水はどこから来ているのだろうか?。
 永定新河の堤防から1本のパイプを見える。
 このパイプは直接小紅河に突き出しており、
 何社かの化学工場がある方から伸びて来ている。
 パイプから小紅河に
 真っ赤な汚水が排出されている。』

 『調査では、
 汚染物質排出に使われている豊産河、
 八米河、小紅河は
 最終的には永定新河に流れ込んでおり、
 永定新河は直接渤海に流れ込んでいる。』

 『2004年12月31日、初めて西堤頭を取材した。
 「においをかいでください!」
 車の窓を開けて、頭を外に出してみると、
 車内と車外の差がはっきりとしている。
 車外の空気は悪臭が充満しており、
 香料のにおいも入り混じっている。
 村民の案内で、西堤頭村を車で一周したところ、
 この村のどこでも、
 はっきりと鼻につく刺激臭が感じられた。』

 『「汚染物質の排出口に行くと、
 もっとひどいにおいがする」
 という村民の王徳華さんの案内で、
 現代化学工場の古い工場地区にある豊産河の
 汚染物質の排出口に行ってみた。
 まだそんなに近づいていないところから、
 はっきりとした悪臭が鼻についた。
 さらに近づくと、濃い悪臭で窒息しそうである。
 たちまち呼吸困難になり、脳の左側が痛んだ。』

 『12社の化学工場に対し
 無作為に臭気濃度の抽出検査を行った結果、
 すべて国家標準を上回っており、
 ひどいものは12倍にもなっていた。』
 
 『劉快庄村においては、
 がんで死んだりがんになったりすることは、
 村民にとって特別なニュースでも何でもない。
 「多過ぎるんです」と村民の李子江さんは教えてくれた。
 今年49歳の李子江さんは肝臓がんの末期患者で、
 今ではがんが肺、心臓にまで広がっている。
 「今は生きているだけです。それだけです」。
 李子江さんは今既に治療を放棄しており、
 そのときを待っているだけだという。』

 『記者は20人以上のがん患者と接触したのだが、
 田洪樹さんのような経験はよくあるとだとわかった。
 がん判明・治療費の用意・費用の高額化・治療放棄。
 がんに対し、村民は最終的には
 どうしても沈黙と忍耐に戻るしかない。』

 『「集団所有制のころから野菜をつくり始めた。
 あのころは、西堤頭産の白菜といえば特によく売れた」
 と以前のことを劉立軍さんはとても誇らしげに語った。
 「今では趙沽里(天津の野菜市場)で白菜を売ろうとしても、
 西堤頭産と聞くだけで、野菜を買う人がないだけではなく、
 となりの野菜売りまで違う場所に売り場を変える」
 「みんな西堤頭の野菜には毒があると言うんです。』

 地元政府は、この環境汚染に対して
 手をこまねいている状態で、
 彼らのやったことは
 「安心な水」を有料で村民に売り出すことと、
 溝に垂れ流していた汚染物質を
 地下パイプを通じて川に流し込むこと。
 これだけ。

 記事を読んでると
 企業側と地方政府の間に
 何らかの癒着があるように感じられる。


以上、「中国最新情報」の
環境汚染記事の概略と一部引用でした。

2つめの天津・西堤頭鎮の汚染水は
もろに渤海湾に流れ込んでおり、
実は渤海湾と言えば
最近、人工衛星の画像からも汚染がハッキリと見えほどの
海水汚染で知られるようになった。

近海の汚染が依然深刻:国家海洋局が公報を発表

中国:近海の水質汚染が深刻に、国家海洋局

環境対策無しの経済発展。
実利優先の産業政策と人権など意に介さない国家運営。

かつてソ連邦が崩壊した時、
その環境汚染の実態が公開され、
世界は衝撃を受けた。
共産主義独裁下での国土の汚染。

こういう民意無視の一党独裁国家が
経済成長至上主義に走りだした時、
誰も歯止めをかける者は無く、
この西堤頭鎮の化学工場群のような事例が
中国各地に無数にあって
かの国の土壌・大気・河川・海洋は
年を追うごとに汚染が拡大している。



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by misaki80sw | 2005-05-04 21:20 | 中国・台湾関連