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by misaki80sw

北朝鮮、6月に核実験か?・・情勢緊迫と各国の意図

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北朝鮮情勢がきな臭くなっています。

以下、ここ一ヶ月間の関連ニュースを
時系列で羅列しておきます。


3月31日

軍縮会談へ移行要求 6カ国協議で北朝鮮


4月5日

盧武鉉外交 日米韓同盟離脱を志向?


4月6日

北朝鮮核に手加減禁物 米ライス国務長官
 情報不足やむなし



4月9日

第三国に核兵器移転も 北朝鮮次官が示唆


4月13日

核問題が解決するまで北朝鮮を支援せず
 韓国大統領


北朝鮮崩壊の公算は小さく、望ましくもない
 韓国大統領



4月14日

北朝鮮高官、「核の可能性」を強化すると発言


4月15日

今月、核燃料棒取り出しか 北朝鮮、再稼働後の8千本


4月17日

米、黒鉛炉停止を警戒 北朝鮮の核増強表明で


4月18日

北、黒鉛炉の稼働中止「核兵器増産」恐れ強く
 韓国政府確認


制裁論議示し協議復帰要求
 北朝鮮核で米大統領側近(カール・ローブ大統領上級顧問)



4月19日

北の原子炉停止 米、安保理付託も
 6カ国協議復帰改めて要求


寧辺の実験炉停止確認 米紙に北朝鮮次席大使


4月20日

<北朝鮮>原子炉停止、燃料棒取り出し示唆か
 中国に通告



4月22日

<米国>「北朝鮮が核兵器実験を準備」中国政府に警告


4月25日

北朝鮮、核兵器実験行えば将来を危険にさらす
 潘基文・韓国外交通商相


北の核解決へ米韓次官補が会談「最善の戦術で合意」

北船舶、安保理決議で臨検も 核開発・拡散阻止で
 ニューヨーク・タイムズ紙



4月27日

6カ国協議の将来は「不確実」=米国務次官補

米国務省のテロ報告、北朝鮮の拉致を昨年に続き明記
 「テロ支援国家」に再指定



4月28日

6月期限に安保理付託も 対北朝鮮で日本政府

米大統領「金正日は危険人物」
 核問題解決 中国の関与重要


「北」の核弾頭 小型化に数年 米国防情報局

米議会公聴会 北の人権弾圧は世界最悪
 中国の強制送還も批判



4月29日

北朝鮮によるプルトニウム抽出の可能性を問題視
 米国務次官補


北朝鮮ミサイルの核搭載能力、米国防総省が釈明に懸命


4月30日

北朝鮮、6月にも核実験 IAEAが非公式伝達

<中国>米大統領の期待表明に不満 北朝鮮核問題で


5月1日

望ましい指導者でない=金総書記を非難
 米大統領補佐官


核搭載能力獲得の兆候=北のミサイル開発-米大統領補佐官

北朝鮮が短距離ミサイル発射、新型?日本海に着水


5月2日

米国、NPT再検討会議でイランと北朝鮮を非難へ


これらのニュースの中で重要なのは、

1,北朝鮮が寧辺にある実験用黒鉛減速炉の稼働を中止、
  使用済み核燃料棒取り出して
  核兵器の原料となるプルトニウムの
  抽出を行っている可能性があること。

2,6月に核実験を行う可能性があること。

この2つです。

また、28日の米国防情報局局長の
「北はすでに核を弾道ミサイルに搭載する能力を持っている」
この発言にビビらせていただきました。

これが事実なら、日本の安全は即吹っ飛ぶ。
いずれはその能力を有するだろうということで
日本は米製のMD(ミサイル防衛システム)の
配備と研究を進めている最中で、
今のところ北朝鮮が
核弾頭付弾道ミサイルを日本に打ち込んでも
自衛隊にはこれを確実に迎撃する能力は無い。

日本のミサイル防衛システム(BMD)

これは日本の防衛政策の根幹を覆す事態だから、
やばいぜ、と私も思いました。

ところが、同日、米国防省は見解を修正して、

 「局長は新しい分析を披露したのではない。
 ミサイルの種類と弾頭によっては
 理論的に米本土に到達するということを述べただけだ」

とのこと。

ビビらせんじゃねえよ!という感じですな。

さて、私の愛読メルマガ「軍事情報」には
この北朝鮮の核開発推進の動きに絡めて

  今年に入ってからの韓国の変貌は、
  これが主因だったのかもしれないですね。
  「米の核の傘でなく自分で核武装しなければ国を失う」
  という危機感が、
  軍部を中心に巻き起こっていると思われます。

  昨日の「日本海向けシルクワーム発射実験」も、
  日本というよりは韓国向けの示威活動のようです。

と書かれています。

軍事情報:北朝鮮、核実験を6月にも実施か

う~ん、なるほど。
あの盧武鉉氏の気が狂ったような脱米路線は
自主核武装を目指すという含みがあったのかもしれませんね。


では、各国別に分けて
現情勢への対応を書いていきます。

まず、日本の対応からいきます。

<日本の対応>

北朝鮮が核ミサイルを実戦配備すれば
日本にとって致命的な脅威となることは
前々から書いてきました。

北の核と米国の軍事行使・・彼らの発想と原則。

先にも触れたように
現在、配備と研究が進行中のMDも
全てのミサイルに対して迎撃能力を有するものではありません。
状況にもよりますが、
おそらく迎撃率は50%前後ではないでしょうか。

核ミサイルを打ち込まれて
その程度の迎撃率では困るわけで、
北がこれを実戦配備すれば
政治的恫喝という意味ではほとんど無敵に近い状態となります。

北もそれが分かっているから、
米国から圧力を受けようと国民が飢えようと
一縷の望みの如く核開発にしがみついてるわけです。
無敵になりたいからです。

単なる核兵器はさほど恐くはないのです。
運搬手段が無いから。
北の老巧化したソ連製爆撃機に搭載しても
自衛隊機による迎撃はほぼ100%可能ですから。
だから、彼らは弾道ミサイルへの搭載にこだわる。
彼らのミサイルの矛先は
1に日本、2が米国、3が韓国、の順でしょう。

時が経てば経つほどに
彼らの核ミサイルの実戦配備の時期は近づく。
これが一旦配備されてしまえば
日本はそう簡単には北に対して経済圧力をかけられなくなる。

私自身は、北がいくら核ミサイルを配備したとて、
そう易々とは撃てないと思っています。
あれは脅しとして意味があるのであって、
政略目的がまず第一で、軍事は二の次です。
実際に使えば米国による報復攻撃を招くでしょう。
自国存立の瀬戸際にまで追いつめられなければ
脅しだけで決して使わないと思います。

しかし、核ミサイルで脅されれば
間違いなく日本の世論は軟化するでしょう。
政治家も及び腰となります。
以後、対北朝鮮外交は軟化し、
かの国からいいように脅されるでしょう。

ですから、日本はこれを絶対に阻止しないといけません。
実戦配備される前に阻止することです。
阻止のパターンは2つで、

1、核を破棄させる、破壊する

2、金正日政権を打倒する

1は道具そのものを無くすこと、
2は道具を使う人を無くすこと。
このどちらかでしょう。

日本の打てる手は今のところ限られています。
手段は3つで、

1,米国と同調し、米国に強硬路線を取らせるように促す。

2,経済制裁

3,朝鮮総連への強制捜査

こんなとこでしょうか。
所詮、自主的に可能なのは2と3だけです。

かつて10年前に、
自衛隊は北朝鮮ミサイル基地への先制攻撃を
極秘にシミュレートしたことがありました。

ミサイル脅威 対北、先制攻撃探る
 平成6年に防衛庁シミュレーション


結果は「不可」でした。

あれから10年が経ち、
兵器の種類も向上してますが
よほど米軍の大々的なバックアップ、
特に情報と電子戦の部分で支援を受けないと
単独では不可能でしょうね。

2の経済制裁に関して言いますと、
本格的な制裁には入ってませんが、
改正油濁法や北朝鮮産アサリの産地偽装表示調査などで、
それなりの成果は上がっているようです。

改正油濁法効果くっきり「北」船舶入港3分の1
 アサリ輸入「ゼロ」


04年度対北朝鮮貿易額、7・8%減で過去最低更新

北朝鮮からの輸入額半減=アサリはゼロに
 財務省の3月統計


制裁反対論者は制裁の効果を疑問視しますが、
本格的な制裁に入ってない段階で
このぐらいの結果が出てるわけですから
実際に政府が本腰を入れて「人・物・カネ」の流れを遮断し、
制裁を本格化させればかなりの効果が出ると思います。

北は日本の経済制裁を
「宣戦布告とみなす」と言ってますが
裏を返せばそれだけの効果があると言うことです。

ただ、経済制裁に関しては
安直に考えるべきではありません。
おそらく北は国家存亡の危機と捉えるでしょうから、
妨害や軍事的威嚇・軽度の軍事力行使などが考えられます。
実施する以上は「やるか、やられるか」ぐらいの気持ちで
腹をくくってやるべきです。

経済制裁の流れとしては、
米国に対して、

 これ以上、事態打開の糸口が見いださないならば
 日本は6月をもって六ヶ国協議から離脱し、
 単独経済制裁に踏み切る

これを通告すればいいと思います。

米国に圧力をかけることです。
対北強硬の国民世論を背景にすれば
これは充分可能だと思います。

要は米国に強硬論を取らせることです。
強硬政策を取りやすい環境を作ってやることです。

日本政府が

 日本の安全保障を鑑み、
 米国が対北朝鮮の核施設やミサイル基地等に
 必要な手段を行使するならば
 日本は政治的・軍事的に全面支援する。

との声明を発表すればいいのです。

つまり、戦争するなら
同盟国として全面的に支援するよと。
イラク戦争における英国の役割を日本は果たすよ、と。

北の核ミサイル配備は
日本の安全保障を根底から覆します。
そうなる前にありとあらゆる手を打つことです。


<米国の対応>

米国は、北の実験用黒鉛減速炉の稼働停止と
プルトニウムの抽出、
それに6月に予想される核実験、
これに対して強硬姿勢に転化しています。
これをやられれば米国の世界秩序は大きな打撃を受けます。
彼らの原則論から言ってこれを放置しないでしょう。

4月9日に北朝鮮の外務次官が
核兵器をテロ組織や第三国に移転する可能性に言及しました。

第三国に核兵器移転も 北朝鮮次官が示唆

北朝鮮流の挑発ですが、
これは米国の最も嫌うところです。

米国は「テロリストと大量破壊兵器」の組み合わせを
9・11のテロ以来、最も警戒しています。
北のこの発言は米国の感情を逆撫でするものです。

米国は北朝鮮情勢に関しては
六ヶ国協議を通じた中国の影響力に期待していました。
しかし、思ったほどに
中国からの北朝鮮への圧力は効果を上げておらず、
おそらく米国は中国の本気度を
疑問視し始めていると思います。

過去記事にも書いたとおり、

中国、人民元問題・・チャイナ・バッシングは止まらず

私は中国の対北朝鮮戦略が変わり始めていると見ています。
中国は米国の意向に応じて北を恫喝するよりも
北朝鮮をそのまま生かして
米国への牽制材料に使う方向に
シフトし始めているのではないか。

背景には、台湾独立問題を巡り
反国家分裂法制定など対外強硬派の勢力が増してきたことと、
2月に日米両国が
例の「2プラス2」で共通戦略目標を打ち出し、
対中包囲戦略を明確にしたことが大きいと思います。

おそらく中国は
六ヶ国協議での対北説得役を
意図的にサポタージュし始めたのではないかと。

米国もこの動きに気づき始め、
人民元のレート切り上げ問題も絡んで、
今、猛烈なチャイナバッシングを展開しています。

これをやることによって
中国から妥協を引き出し、
己の戦略の方向性に従わせようということでしょう。

現在、米国にとって頭の痛い問題であった、
イラク情勢が小康状態を保っています。
さらにEUとの関係改善も遅々とした歩みながら進み、
グルジア・ウクライナ・キルギス等の
旧ソ連邦諸国の相次ぐ民衆革命によって
ロシアの脇腹に剣を突きつけることに成功しています。
ここらへんの一連の事象は米国を強気にさせています。

ライス米国務長官が
ロシアの最後の盟友ベラルーシに対して
革命の可能性をほのめかしているのも

米国務長官 NATO拡大方針
 「ベラルーシ政権交代の時」


これはベラルーシだけではなく
ロシアに対する脅しでもあります。

おそらくここ数ヶ月、
米国は北朝鮮への強硬姿勢を強めていくでしょう。
その際に、中国への働きかけを強めると共に
腰の定まらない韓国に対して
これから猛烈に圧力を加えていくでしょう。

まずは安保理への付託から始まり、経済封鎖へ。
そして軍事力の行使と流れは続いていくでしょう。


<中国の対応>

中国は北朝鮮を自国の勢力圏と見ています。
彼らの対北政策の基本は

 「勢力圏の維持」

これが基本です。

中国は上記に書いたとおり、
北朝鮮政策をここ数ヶ月で転換させてきました。
「生かして利用する」
この方向に変化させています。

ここ数ヶ月、中朝国境の交易量が跳ね上がってますが、
これは中国政府の意向そのままです。
逆に言うと、中国のこの政策転換を敏感にかぎ取って
北朝鮮が核問題で強硬姿勢を取っているわけです。

ただ、反国家分裂法と反日暴動に端を発した、
欧米のチャイナ・バッシングの動きが収まらず、
このままいけば中国は譲歩を強いられるでしょう。

対北朝鮮の場合は
中国の思考はあくまでも「自勢力圏」ですから、
生かす時も殺す時も自分の手で行おうとするでしょう。
米国の手で殺されるのは好まず、
情勢が煮詰まれば自分の手を下すでしょうね。


<韓国の対応>

ここ数日、韓国は手の平を返したように
反日姿勢の軌道修正を始めています。

盧大統領「韓日は共同運命体」

盧大統領「韓日基本条約は政府に道義的責任ある」

一つは韓国国会の補欠選挙対策で、
行き過ぎた反日指向は
選挙上まずいと思ったこともあるでしょう。

韓国国会議員の補選、与党全敗で過半数回復に失敗

ただ、それだけではないでしょうね。

1,北朝鮮情勢の悪化と共に米国が強硬姿勢に傾き始め、
  これ以上の反米路線は得策ではない。

2,中国が猛烈なチャイナ・バッシングにあってる現状を見て
  親中路線からの方向転換。

3,経済の低迷で、これ以上の反日・反米は避けるべき
  
おそらく、これらの要素が複合していると思います。

特に1の米国の対北強硬化。
これが韓国にとって大きくのしかかってくるでしょう。

米国はこれから対北朝鮮への経済封鎖と
軍事オプションの策定を行うと思いますが、
それには韓国の協力は不可欠で、
従わなければ猛烈な圧力が予想されます。

ここから先は盧武鉉氏の判断次第ですね。
それでも北朝鮮を擁護する方向で行くか、
あるいは対北強攻策へと転換するか。

韓国も、ここが剣が峰でしょうね。



対北政策、選択迫られる韓国 中国に同調か/日米と共同歩調か


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「北朝鮮始末記」その4・・日本の経済制裁。
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北朝鮮、リビアにウラン輸出・・対北強硬論と経済制裁
北の核と米国の軍事行使・・彼らの発想と原則。
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by misaki80sw | 2005-05-02 22:10 | 韓国・北朝鮮関連