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by misaki80sw

小アジア主義と大アジア主義・・国家戦略の雑談考察


上海のマンション価格、1週間で17%下落

 不動産投資の過熱が続き、
 バブル崩壊の懸念も出ている上海の不動産市場が
 冷え込みを見せ始めた。
 先週、マンションの価格は17・7%下落し、
 関係者は不動産価格が上昇基調から
 低下に転じる可能性もあるとみている。

 新華社電によると、
 24日に発表された不動産価格動向では、
 17-23日に取引された不動産の総面積は
 33万8000平方メートルで、
 前の週の10-16日に比べ約6万平方メートル減少した。

 平均販売価格は
 1平方メートルあたり7656元(約9万9528円)で、
 前の週より14・7%低下。
 不動産取引の平均成約価格は
 同7238元(約9万4094円)で、
 前の週より17・7%と大幅に下落した。

 不動産取引成約価格の下落に歯止めがかからず、
 19、20日と連続して前日の相場を割り込み、
 21日には1平方メートルあたりの成約価格が
 6217元(約8万円)と、
 年初来最低の水準まで落ち込んだ。

 上海市内の不動産価格の基準だった、
 1平方メートルあたり
 7000元(約9万1000円)を割り込み、
 不動産業界は大きな衝撃を受けている。

   (FujiSankei Business i)


この動きが中国経済の
バブル崩壊の予兆か否かは分からないけど、
私はその時期は近いと見ています。

これに拍車をかけているのが
米国からの「人民元切り上げ」の圧力と
反日暴動をきっかけとした対中投資の冷え込みです。
これは数日前に書きました。

中国、人民元問題・・チャイナ・バッシングは止まらず

経済の循環から言っても
あれだけ過熱した経済の反動として、
これから一気に景気後退の局面が訪れることは
私はほぼ間違いないと見ています。

その際にかの国の高騰した不動産バブルや
国営企業と国営銀行の不良債権が
甚大なダメージとして中国経済を襲うでしょう。

経済への懸念と言えば、
米国経済も危ういです。

巨額の経常赤字と財政赤字、
これが制御不能となりつつあります。

今、米国経済がかろうじて保っているのは

1,ドルが基軸通貨であること

2,日本が米国債を買い支えていること

この2点に過ぎません。

この不安定な構造は早晩崩れると私は見ています。

中国経済と米国経済、
この両者の下落と崩壊。

米国の場合は経済が崩壊すれば
二度と世界の覇権大国の座には戻れないでしょう。

現代の国力の源泉は
産業製品の輸出力であり、
競争力が低下し、膨大な経常赤字を抱える米国には
敗者復活戦のチャンスは無いでしょう。

ここらへん同じ経済の崩壊でも
戦前の大恐慌の時とは
根底にある構造が異なります

一方の中国は
その経済が崩壊したとして
数年から十数年の時を経て立ち直ると思います。
何故なら産業競争力の復活の余地があるからです。
安い人件費による大量生産があるかぎり、
地域的大国としての立ち直りは可能でしょう。

この「米国経済の崩壊」「中国経済の崩壊」に関しては、
後日詳しく論証しようと思います。

今日はこの2つを前提としたうえで
日本の国家戦略と国益を
雑談風に書いていこうと思います。


まず本論に入る前に
2つのニュースを枕詞として掲載しておきます。

PKO参加5原則の見直し提唱…民主・岡田代表提言案

 民主党の岡田代表が
 次期衆院選に向けてまとめた外交・安全保障政策提言案、
 「『開かれた国益』をめざして」の全容が
 29日、明らかになった。

 「東アジア共同体」構想の推進を打ち出したほか、
 国連平和維持活動(PKO)に
 自衛隊が積極的に参加するため、
 任務遂行目的の武器使用を容認するなど
 PKO参加5原則の見直しを提唱している。
 民主党が政権を取った場合の基本方針を示したもので、
 党内外で論議を呼びそうだ。

 提言案は、日本の外交が「場当たり的」で、
 中国、韓国、北朝鮮に対する外交が行き詰まっていると指摘。
 「日本の国益を国際協調的に実現していく、
 『開かれた国益』」を目標に掲げ、
 構想力を持って外交に取り組む必要性があるとした。

 アジア外交では、
 近隣の中国、韓国との信頼醸成を緊急の課題と位置づけた。
 過去の植民地支配などを「謙虚かつ率直に反省したうえで、
 未来志向の関係を構築する」ことを
 民主党政権の共通認識とするとした。
 具体的には戦没者などの追悼のための
 国立施設建立を盛り込んだ。

   (読売新聞)


JR東海会長、読売新聞で「中国脅威論」を展開

 葛西敬之・JR東海会長が、
 27日付の読売新聞紙上で、いわゆる中国脅威論を展開した。
 タイトルは「日米分断 中国の狙い」。
 北京と上海を結ぶ高速鉄道に関しては、
 日本の新幹線とフランスのTGVの
 いずれかの方式が導入される可能性が高いとされる。
 そういった状況で、JRの関係者が、
 これだけはっきりと「中国の動きに警戒するべきだ」と
 自説を展開したことが注目される。

 葛西・会長は、「中国の狙いが
 アメリカを排除した共同体構想に日本を引きずり込み、
 良好な日米関係に楔を打ち込むことにあることは、
 想像に難くない」などと主張。
 また、EUに参加する各国の政治体制、
 GDP(国内総生産)などと比較して、
 東アジア共同体は「幻想に過ぎない」などとした。

 さらに、「共産党の一党独裁体制は
 民主主義、自由主義、人権尊重の理念とは対極」と、
 中国の国内政治に関しても論評した。

 なお、葛西・JR東海会長は、
 これまでにも新幹線技術の中国大陸への導入に関して
 消極的な発言をしている。
 「台湾の場合にも、技術協力によって、
 JR東海として儲けを期待しているわけではない。
 しかし、メーカーが潤って体力が強化され、
 間接的に日本の新幹線の安全維持に役立つ」
 「中国大陸の場合には、そのことも期待できない」
 というのが、その主張の骨子。

   (サーチナ・中国情報局)


まず、民主党の岡田氏ですが、
私はこの人の話題は最近あまり取り上げていません。

ブログの暇つぶしネタやお笑いネタには絶好のカモだけど、
まじめに国益やら国家戦略やらを論じる場合、
この人の主張ってほとんど無価値だからです。

  提言案は、日本の外交が「場当たり的」で、
  中国、韓国、北朝鮮に対する外交が
  行き詰まっていると指摘。

「場当たり的」の部分のみは同意ですね。
確かに小泉外交は場当たり的で
イラクへの自衛隊派遣や日米2プラス2で
親米反中路線に走ったかと思ったら、
反日暴動の後にバンドン会議で謝罪して
日中首脳会談では暴動への謝罪や補償を求めようとしない。
さらに首相自身が「東アジア共同体」論の熱心な擁護者であり、
ここらへん、ほとんど分裂病としか思えません。
あんた、どっちに行きたいの?と言いたくなります。

民主党の岡田氏も
「東アジア共同体」構想を支持するとのこと。
で、JR東海の葛西敬之会長は
これを真っ向から斬撃している。
「幻想に過ぎない」と。

この「東アジア共同体」構想に関しては
過去記事でも書きました。

「東アジア共同体」への道・・進むべきか否か?

日本と中国を中心とした、
韓国・ASEANを含めた国家連合構想で
ゆくゆくは通貨の統合まで行ってしまおうという、
プランを掲げています。

さて、今後の日本の外交政策を考える場合に
2つの大きな潮流があります。

1,大アジア主義

2,小アジア主義

大アジア主義とは
「東アジア共同体構想」のような
日本と中国の枢軸を中心とした
アジア諸国による連合構想です。

小アジア主義とは
中国を排除し、日本をリーダーとして
ASEAN、オーストラリア、ニュージーランド、
出来れば台湾も含めた同盟構想です。

どっちを日本は選択すべきなのか?

この場合、米国は経済の崩壊から
国力を衰退させており、
超大国から大国へと滑り落ち、
東アジア情勢には関与できないという前提です。

私は「小アジア主義」が
今後の日本の進むべき道筋だと思います。
中国という国は日本とはあまりにも
政治的価値観が違います。

日本は領土的野心を持たず、
通商と交易による互恵、
そして自由と民主主義を国家の基本方針としています

しかし、中国は全く逆です。
覇権指向と中華主義、
一党独裁による反自由主義国家。

特に覇権指向と中華主義は歴史に根ざしたもので、
かの国の共産党政権が倒れ、
自由と民主主義による政体が生じたとしても、
国外膨張指向は変わらないと思います。

よって共に志を共有できる相手ではなく、
日本と中国の枢軸とは
片方が相手を従属させる状態でしか
あり得ないと思います。

また、地政学的に言っても、
中国のような大陸国家と組めば
日本はユーラシア大陸内部の利害関係に
国家戦略が引きずられるだろうと思います。

日本のような海洋国家は
似たような性質の国と組み、
通商を主体とした相互互恵の連合を組めばいい。
これは大陸進出を国策とし、
結果破綻に至った戦前の手痛い教訓です。


さて、ここで思考の刺激材料として
19世紀のドイツの例を挙げておきます。

19世紀後半、小邦に分裂していたドイツに
統一の機運が生まれます。
小国分立で十分な経済圏が無く、
重工業の健全な発展は不可能であり、
このままでは弱小な農業国から
抜け出せないというジレンマから
ドイツ民族の統一を求める民族主義が各地で高まりました。

その際に方針が2つに分かれました。
当時、ドイツの邦国内で主要な国と言えば
プロイセンとオーストリアでした。
この両国を中心としたドイツ統一を大ドイツ主義、
プロイセンを中心として
オーストリアを排除した統一を小ドイツ主義と言いました。

結局、ドイツの統一は
プロイセンを中心とした小ドイツ主義で完遂しました。
その立役者になったのが
かの鉄血宰相ビスマルクです。

ビスマルクは当初から
明確に小ドイツ主義を指向していました。
「リーダーは2人もいらない」という信念です。
一見、大ドイツ主義は華麗ですが、
水と油のようなプロイセンとオーストリアでは
ドイツ統一など不可能だと見ていました。

1866年、ビスマルクは
天才的戦略家モルトケとのコンビで、
普墺戦争によってオーストラリアを破りました。

普墺戦争 - Wikipedia

この時、ビスマルクはモルトケを制止して、
プロイセン軍のウィーン入城を行わず
オーストリアに恩を売ると共に、
プラハ条約を結び、オーストリアをドイツ統一から排除します。
さらにプロイセンは
他のドイツ諸邦と共に北ドイツ関税同盟を結んで、
ドイツの盟主となりました。

そして1870年、
ドイツ統一を行う際に
最大の反対国になるであろうフランスに対して
ビスマルクは普仏戦争を仕掛け、これを散々に破ります。

普仏戦争 - Wikipedia

パリ入城後の1871年1月18日。
ヴェルサイユ宮殿の鏡の間にて
プロイセン王ヴィルヘルム1世は
ドイツ皇帝に即位しました。
こうしてドイツ統一は成りました。


このドイツ統一のパターンは
あくまでも歴史上の事象に過ぎません。
別に日本がアジアを統一するわけではありません。

しかし、連合体のあり方、
すなわち指導的国家が一つの方がいいのか、
複数あった方がいいのか、
また、連合体の成立過程などが
とても参考になると思います。

日中以外の他のアジア諸国にとって
日本と中国という2大国家はアジアの竜虎です。
これが互いに連携するならば
彼らに選択の余地はありません。
この2大国家連合に付いていくだけです。

しかし、竜虎が互いに対立した場合、
どちらに付くべきか、
彼らは選択肢に迷うでしょう。

現在の情勢を見ていると、
日本という「虎」は
他の諸国に対して一定の信用は得てますが、
これは「ひ弱な善人」として信用です。
決して「頼りになる強者」としての信用ではありません。

虎がかくも弱く、
一方の竜が悪達者に覇権を拡張している現状で、
他の諸国が一方的に竜になびかないのは
竜の持つ「他国を踏みにじる」イメージと
米国という別な巨大な要素があるからです。

しかし、米国が衰退し、
東アジアから勢力を撤退させた場合に、
このままいけばアジア諸国は
中国に雪崩をうってなびくでしょう。

さて、先にも触れたように
今後、中国経済が崩壊するとしても
数年から十数年で傷は癒えると思います。

私はこの間がチャンスと見ています。
この間に日本を中心とした諸国連合を
カッチリと形成してしまうことです。

その際に、台湾の問題も片づける必要があります。
台湾という親日国家、
そしてあのシーレーンの途上に位置するという、
地理的環境を考慮するならば、
かの国を明確に独立させ、
同盟の一翼として迎え入れるべきです。

台湾は、現実にはすでに独立国家ですが
2つの致命的な条件が欠けています。

1,世界の国々からの信任

2,中国からの信任

この2つが欠けています。

欠けている理由は、
中国が反対していること、
そして中国が大国であること、
この2つです。

であるならば、
中国が一時的にせよ弱体化する時こそが
台湾独立の好機です。
日本は弱体化した中国に圧力をかけ、
中国から譲歩を引き出すべきでしょう。


さて、あれこれ書いてきました。
米国と中国の経済崩壊を前提とした話しで、
それが成らなきゃ何の意味もないのですが、
おそらく数年、下手をするとここ一年ぐらいで
この2つの予測は成就すると見ています。

まあ、それが外れたとしても
戦略遊戯の座興話し程度には
なったのではないでしょうか (^^;)



オットー・フォン・ビスマルク - Wikipedia


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by misaki80sw | 2005-05-01 00:46 | 日本(政治経済)