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by misaki80sw

国連PKOの一面・・青いヘルメットの軍隊商売


国連コンゴ監視団の1人解雇、6人停職
 性的虐待疑惑


 国連の報道官は17日、コンゴ民主共和国(旧ザイール)で
 平和維持活動(PKO)にあたる、
 国連コンゴ監視団(MONUC)の要員が
 避難民の少女などに性的虐待を加えた疑惑で、
 17人の文民要員を調査し、1人を解雇、
 6人を停職にしたことを明らかにした。

 このほか1人が処分を免れるために辞職したという。

 報道官によると、6人はなお調査中で、
 残りの3人は虐待の証拠がなかった。
 処分した要員の出身国などは明らかにしていない。

 コンゴのPKOでは多くの兵士が
 少女買春などを行っていたことが判明したが、
 性的虐待は文民要員の間でも広がっていたことになる。
 虐待にかかわった比率は
 文民要員の方が高かった可能性も出てきた。

   (読売新聞)


日本人は国連というものを
なにやら神聖にして正義の味方のように捉えがち。
これは戦後教育の結果でもあり、
マスコミ論調の影響でもあり、
さらに日本人独特の「お上」意識の反映なのかもしれないけど、
それはあくまでも理念としての国連像に過ぎない。

国連といえども人の集う組織体であって、
馬鹿もいれば、阿呆もいる。
愚行もあれば、腐敗もある。
まあ、当たり前の話だわね。

私が常々思うのは、
国連って内部のチェック機関ってどうなってるんだろう?
何らかの監査組織とかあるんだろうか?
拠出金を分担する各国の存在も
一つのチェック機能になってるんだろうけど。

米国なんか国連に対して手厳しいしね。
「国連改革やらなきゃ滞納しちゃうぞ」と脅している。
実際に滞納もしょっちゅうやってるし。
あの国は国連に対して微塵も幻想を抱いてない。
単なる道具だと思っている。

上記ニュースの国連コンゴ監視団とPKO部隊の不祥事。
そういうこともありえるでしょう。
国連PKO部隊って日本人が想像してるような
整然としたものではない。
カンボジアや東ティモールに派遣された自衛隊のような、
ああいう軍紀厳正な集団とは限らない。

私の手元に一冊の本がある。
「だから、国連はなにもできない」
ソマリアなどの国連PKOについて書かれた本。
日本人の国連幻想を醒ましてくれる。

1990年代の10年間、
ソマリアでは慢性的な内戦状態が続き、
部族同士の抗争と破壊と飢餓が国を覆った。

1991年、アリ・マハディ・モハメッド大統領と
アイディード将軍の衝突に端を発した武力抗争は
ソマリア全土に波及し、国土は疲弊、
飢餓民の群は食料を求めさまよい、
死者の数は日に日に増え続けた。
赤十字やNGOが食料の供与を行なうが、
アイディード将軍派はこの食料を略奪し、
反対派への武器として使った。

1993年3月26日、
安保理決議814により、憲章第7章のもとで
第2次国連ソマリア活動部隊
(UNOSOM II)が結成され、
33ヶ国が国連に兵を提供した。

1993年10月18日。
米軍の特殊部隊が首都モガディシオにおいて
アイディード派の幹部を急襲。
しかし、作戦の失敗によりソマリア民兵の大軍に包囲され、
米兵18名が死亡、負傷者多数を出した。
いわゆる「ブラックホークダウン事件」である。

この事件の衝撃により
米軍はさっさと撤退してしまった。
しかし、国連PKO活動は継続され、
最終的には1995年3月に
「これ以上の駐留は意味なし」と全部隊が撤退した。

この本を見てて面白かったのは、
派遣各国の個々の事情である。

暴風雨のように大軍で押し寄せてきて
さんざんドンパチを繰り広げ、
ヘリが撃墜され、死傷者が出ると共に
暴風雨のように去っていった米軍。

ソマリアの旧宗主国で利権の復活をもくろむイタリア。
国連から頼まれてもいないのに派兵をねじ込み、
「押しかけPKO部隊」を派遣した。
他国の部隊とは一線を画し、現地の軍閥と癒着して、
非難轟々の中、撤退していった。

大軍を派遣し、常にゲリラの標的となり、
死傷者が続出したパキスタン軍。

米軍と共に撤退しようとし、
国連から「派遣軍司令官」の地位で
懐柔されてしまったトルコ軍。

そんな中でも私が驚いたのは、
「こんな国が!」というような国が部隊を派遣していること。
ソマリアPKO派遣国をざっとあげておくと
米国、ドイツ、イタリア、カナダ、エジプト、
ギリシア、ナイジェリア、ネパール、マレーシア、
ルーマニア、韓国、アルゼンチン、オーストラリア、
ノルウェー、アイルランド、フランス、インド、
パキスタン、トルコ、バングラデッシュ、
ニュージーランド、インドネシア
シンバブエ、ボツワナ、ナミビア、等々等。

まさに世界中から集まった軍隊。
中には、自分とこの国の方が
PKOが必要なんじゃないかという国までが、
軍隊をソマリアに派遣していた。

これには彼らなりの切実な理由がある。
彼らは国連の崇高な使命に殉じようと
部隊を派遣してるわけではない。
世界平和につくそうと燃えてるわけでもない。

では、如何なる理由か?

◇小国なりに外交上の存在感を出すために派兵

◇国連や大国に恩を売る。

まあ、こういう意図もある。

ただ、その数倍、数十倍の理由は
国連からもらえる高額な月給が目当ての派遣。

軍隊というのは存在してるだけで金を喰う。
それ自体は全く利益を生まず、
保持してるだけで軍事費が飛んでいく。
先進国ですら痛い出費。
途上国にとってはかなりの負担となる。

そこで国連PKO。
派遣するだけで兵一人につき、
一ヶ月に千ドルの費用が支給される。

多くの途上国は
この給与をそのまま兵には渡さない。
国が一括して国連から貰い受け、
ここから多くをピンハネしたうえで兵に渡す。
この額が途上国にとって相当の利益となる。
そういうカラクリなんですよ。

さて、上記ニュースのPKO軍兵士の事件。
まあ、こういうこともありえるでしょう。
現在、世界で16件のPKOミッションが行われ、
100ヶ国から軍隊が派遣されている。
その兵士たちの大半は途上国、
中でも経済的には最貧国の部類に属する国々からやってくる。
このうちの多くは月給ほしさの派遣。
PKOという名の軍隊商売。
青いヘルメットをかぶった現代の傭兵達。

日本は米国に次いで国連拠出金第2位の国。
言わば、国連にとってみれば「大旦那」。
己の払った金がどう使われているのか、
費用対効果に見合ってるのか、
国連の聖俗入り混じった実態というものは
もう少し把握しておく必要があると思うよ。



だから、国連はなにもできない
 リンダ・ポルマン (著)


国連広報センター:国連平和維持活動

国連による平和強制:ソマリア


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by misaki80sw | 2005-03-19 20:46 | その他諸国・国連