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by misaki80sw

中国、都市と農村の格差は危険レベルへ。


36%が格差10倍以上と認識
 中国「調和社会」道遠く


 中国の収入格差について、都市住民の収入は
 農民の「10倍以上」と考えている人が36%で最も多く、
 「5-10倍」の34%と合わせると
 全体の7割を占めることが、
 中国での世論調査で明らかとなった。
 
 2004年の政府統計によると、
 1人当たりの収入格差は平均で約3倍だったが、
 国民の実感はより深刻で、
 胡錦濤政権の掲げる「調和の取れた社会」実現への
 道のりは遠いことを示している。

   (共同通信)


この都市部と農村部の所得格差。
中国政府の統計は3:1だけど、
2004年の政府系シンクタンク、
「中国社会科学院経済研究所」の調査報告によると、
中国政府の発表した格差にプラスして
都市部住民のみが享受できる財政補助等の
社会サービスを含めて計算し直すと
実際の格差は4倍から6倍程度という結果が出た。

この調査報告によると
2002年には最も収入の多い1%の人が
社会全体の収入の6.1%を独占し、
上位の10%の人が
社会全体の収入の32%を占めている。
しかも年々、富の独占化は加速している。

中国の富の偏重は馬鹿馬鹿しいほどで
年間所得1000万ドル(約10億円)以上の金持ちが
現在1万人以上もいるという。

都市部と農村の経済格差は年々開く一方で
国営新華社通信によると、
1997年から2002年にかけて
農村住民一人あたりの平均純収入は約380元増えた。
しかし、都市住民の平均収入は2500元増えており、
「収入増加額」は6倍の開きが生じている。

これほど都市と農村の経済格差は開いており、
中国の社会不安の元となっている。
沿岸部の高成長はビルの建設ラッシュと
一攫千金の起業家の夢をかき立てているが、
一歩、内陸部の農村に入れば
最低限の医療すら受けられない人が多い。

2003年、首相に就任した温家宝は、
農民の収入増を最重要課題として掲げ、
「13億の人口の9億を占める農民のうち、
まだ貧困を脱してない人々が3千万くらいいる。
これは年収625元(約7500円)の基準で計算したもので、
基準を200元引き揚げると、
農村の貧困人口は9千万人に達する」と言った。

さて、ここで「ジニ係数」という経済指標を持ってきます。
「ジニ係数」とは所得の不平等度を表す指標。
イタリアの数理統計学者ジニが1936年に考案した。
「その国や集団の構成員の所得格差が、
全体として、平均所得にたいしどれだけになるか」を表す。

たとえば、平均所得が500万円で
ジニ係数が0.4の集団なら、
構成員どうしの所得の差を全体としてみると、
500万円の40%にあたる200万円の格差が
あるということになる。

格差がない完全平等な集団ではジニ係数は0となる。
逆に1人だけが全所得を独占する完全不平等の集団では、
ジニ係数はかぎりなく1に近づく。
通常は0と1の間の数値をとり、数値が大きいほど、
構成員相互の格差が大きい不平等状態となる。

で、中国のジニ係数。
0.458以上です。
通常の先進国が0.3あたり。
0.4を越えると警戒レベルで、
0.5以上が危険レベル。
この警戒レベルや危険レベルを超えると
社会の秩序は動揺をきたすという。

ちなみに米国は0.47以上。
我らが日本は0.4983。
「げげっ!」て感じだが、
日本の場合、ここから税金や社会保険料などを差し引き、
その上で年金などの社会保障サービスを加えると
実際のジニ係数は0.3812となる。
つまり日本の場合、所得の格差を
税制や社会保障制度で再配分し直している。

中国の場合、現在が0.458。
1990年は0.341だった。
毛沢東の共産党革命が始まった頃の
1920年代のジニ係数は0.51。
清朝時代の「太平天国の乱」が0.57。
明朝末期の「李自成の乱」の時が0.61。
中国社会は危険水準に向かって
着実に近づきつつある。

ここらへんは
中国の胡錦涛・温家宝コンビもよく認識していて
絶えず彼らの口からは
「都市と農村の格差是正」という言葉が飛び出す。

ただ、経済の自由化の流れからすれば
この傾向は止まらないだろうね。
経済発展に意図的にブレーキをかけない限りは
格差は開くばかりだと思うよ。



グローバル・アイ:どうなる「中国の年」
 「政変」危険水準に接近


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by misaki80sw | 2005-03-09 21:28 | 中国・台湾関連