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by misaki80sw

北京五輪と台湾独立・・独立の好機とは?


このところ、
中国と台湾の軋轢に関するニュースは事欠かない。
李登輝氏の来日と中国の反発。
さらには中国の、台湾の独立阻止を狙った、
「反国家分裂法」成立への動き。

この「反国家分裂法」に関しては、
ニュースなどでいろいろと推測されてはいるが、
中国政府はいまだ具体的な内容を公開していない。

この度、台湾当局がこの法案の概要を入手し、
記者会見で公開した。

台湾、中国の「反分裂法」の概要を公表

要約すると、

◇台湾は中国の領土の一部であると明記。
 「中華人民共和国の分割できない神聖な
 領土の一部分」と位置づけている。

◇台湾側が「国家分裂」や戦争を引き起こせば
 特別法廷で台湾の行政・軍事部門を裁くほか、
 独立阻止のために積極的に働かなかった、
 中国政府の役人の責任も問う。

◇中国にいる台湾人ビジネスマンや他国の人間も、
 台湾当局を支持する言行があれば
 起訴される恐れがある。

この「反国家分裂法」は
台湾の独立への動きを牽制したものだが、
具体的には、独立派の公然の目標となっている、
「北京五輪に乗じた独立宣言」、
これの阻止を狙っている。

「北京五輪に乗じた独立宣言」
いまや台湾独立派の共通のタイムスケジュール。
2008年の北京五輪の直前に
独立を宣言しようというもの。

中国はその経済発展の最後の仕上げとして
北京五輪で国威を発揚し、
全世界に中国の発展を印象付けようとしている。
いわば彼らのメインイベントであり、
中華の勢威を内外に示す場である。

台湾独立派のもくろみは、その直前に独立を宣言し、
北京五輪開催をいわば人質に取る形で、
予想される中国の台湾侵攻を封じ込めようとの意図。

中国は悩む。
台湾に軍事行使を行えば各国の非難が集中し、
北京五輪は流産してしまうかもしれない。
でも、だからといって台湾独立を座視し難い。
う~む、どうすべきか・・。

独立派の御大、李登輝氏は言う。
「中国は2007年まで国内問題で手一杯になり、
今後3年間が独立へのチャンスだ」と。


さて、今日はこの台湾の行く末と
独立派の策「北京五輪に乗じた独立宣言」を
考察してみたいと思います。
題して「北京五輪と台湾独立・・独立の好機とは?」。
以下の3つの柱にそって話を進めたいと思います。

◇台湾独立へのシミュレーション

◇台湾独立と日本の国益

◇独立派への献策


<台湾独立へのシミュレーション>

この2008年の北京五輪開催直前に、
台湾が独立を宣言した場合の
シミュレーションを行ってみましょう。
仮定として、中国・台湾・米国、そして日本の
国力バランスや相互の関係、そして国家戦略は
2004年現在と大幅に変化がなく、
台湾は独立派が政権を握っているとの前提です。

2008年、台湾は独立へと動き始める。
すでに数年前から独立宣言への準備は着々と進み、
中国は警戒感を強めていた。

台湾海峡を挟んだ対岸には中国軍が続々と集結。
台湾に対して示威と圧力をかけ、
独立宣言を断念させようとしていた。
彼らは脅しとして
弾道ミサイルを数発、台湾海峡に打ち込む。
「独立を宣言すれば軍事侵攻する」
中国は台湾を威嚇する。

この中国の動きに対して、
台湾軍は全土で厳戒態勢に入る。

一方、米国も空母数隻を含む艦隊を
東シナ海に集結させると同時に、
中国と台湾に対し自制を求める。
中国には「軍事侵攻の中止」
台湾には「独立宣言の断念」

ここで台湾が断念すればそれまで。
問題は強行した場合ですな。

中国は、台湾への軍事行使と
北京五輪の成功を秤に掛けるが、
すでに数年前から彼らの結論は出ている。

 「台湾に軍事行使する。
 オリンピックの不成功はやむをえない」

台湾独立問題は彼らの国家原則の問題であり、
北京五輪は一時の繁華の問題に過ぎない。
経済繁栄はまた取り戻せるが、
一度失われた領土は二度と戻ってこない。
彼ら自身が、得た領土は絶対に手放さない手合いだけに、
この気持は切実だろう。

また、マルクス主義が霊験を失った今日、
中国共産党の政権党として存在意義は
「国勢拡張」と「経済発展」の2つ。
ここで台湾相手に安易な妥協をすれば
国内世論は共産党にそっぽを向く。
また、台湾の分離独立を認めてしまえば、
各地の少数民族の独立問題に火を点けてしまう。
台湾の独立は、彼らには絶対に容認できない。

ここで台湾独立派の思惑は外れる。
中国は五輪など無関係に、
軍事侵攻を選択するでしょう。


さて、台湾は独立を宣言。
中国は予告通り武力侵攻を開始する。
非核の弾道ミサイルを打ち込み、
航空戦力は台湾上空に殺到する。

ここで米国はどうでるか?
米国は台湾を助けざるをえない。
見捨てれば米国は全世界の信を失う。
自由世界の守護者としての地位を失う。

米国は中国を仮想敵と考えている。
状況に応じて中国と協力したり、助力したりするが、
長い目で見た場合、
米国の覇権を脅かす存在と見ている。
よって、中国相手に兵を引くことはない。
国家の声望をかけて台湾を助けようとするでしょう。

ここで奇妙な戦争が勃発する。
中国は米国相手に戦争などしたくない。
米国もしかり。
両国は互いに交戦することを望んでいない。
しかし、台湾を媒介として戦わざるをえない。

米国は台湾に飛来する弾道ミサイルを
イージス艦のミサイルで迎撃し、
台湾上空を乱舞する中国機を空母の艦載機で撃墜する。
しかし、中国本土の航空基地や
ミサイル基地は決して攻撃しない。

対する中国も台湾本土は攻撃しつつも、
決して米国艦隊を攻撃しない。
米艦隊を攻撃すれば
それに数倍する報復が待っている。
それを理解している中国は、米艦隊には手出ししない。

互いに空間と攻撃目標を限定した奇妙な局地戦争。
両者、戦争がエスカレートするのを恐れている。
本気の殴り合いは両国にとって致命的で、
特に中国は核戦争でも起こさない限りは
米国と戦っても勝ち目が無いことを知っている。

戦況自体は米台連合の圧勝。
台湾海峡の制空権・制海権は米台が握り続ける
ただし、中国対岸から打ち込まれる弾道ミサイルは
イージス艦とパトリオットの迎撃では数不足で、
その多くが台湾本土に着弾命中する。
一方の台湾も弾道ミサイルを中国に向けて打ち込む。
ここで双方に甚大な損害が出る。

また、台湾に交易などを装い、
事前侵入している中国の工作員は数千人規模。
彼らが台湾全土で破壊活動を行う。
対する台湾陸軍や警察及び防諜機関は、
これを捕捉撃滅しようとする。

中国は核は使わない。
それは危険な誘惑だけど、
万が一使えば国際社会の猛非難を覚悟しなければいけない。
外国経済に依存した彼らは、そこまでは踏み切れない。
ただし、核を使った脅しは行うでしょう。
「24時間以内に独立宣言を撤回しなければ、
重大な結果が待ち受けている」などとね。

さて、この後、状況はどう展開するか?
それは私にも読めない。
どちらかが折れるか、兵を引くか、
勝敗の行く末はわからない。
首尾よく台湾が独立を達成しうるか否か?
それも分からない。
ただ、言えるのは、三国共に傷を負い、
この地域の経済は莫大な被害を被る。
また、偶発的なアクシデントにより、
事態は核の応酬にまで発展する可能性もある。


<台湾独立と日本の国益>

ここで視点を変えて、
日本の立場から台湾独立を考察してみましょう。

「台湾独立」とは日本の国益にとって
プラスであるか、マイナスであるか?
これは明確にプラスと言い切れる。

反日国家だらけの東アジアの一角に、
親日国家が独立することのメリットは大きい。
ましてや同じ自由主義経済・民主主義の国であり、
その位置は日本の海上通商路の要衝にある。

台湾の独立は日本の国益にとってプラス。
では、北京五輪時の独立宣言を日本は支持すべきか?
否、否。
支持すべきではない。

上記のシミュレーションのように状況が推移すれば、
これは逆に日本の国益を損なってしまう
シーレーン上に位置する台湾で紛争が勃発すれば、
日本経済の命綱である通商交易が打撃を受ける。

さらに米国の同盟国としての日本は、
この紛争において完全な中立者ではいられない。
直接的にしろ、間接的にしろ、
紛争に巻き込まれる危険性もある。

つまり、台湾の独立それ自体は
日本の国益にとってプラスだが、
その独立を遂行する過程において、
そのプラスを上回るマイナスが発生してしまう。

物事は全てプラスとマイナスの両面を併せ持つ。
総合勘案が戦略判断の基本であり、
この「北京五輪時の台湾独立宣言」は
総合的に日本にとってマイナスだと思う。

また、台湾自身にとっても
この独立宣言はあまりにもリスクが大きい。
中国軍による武力侵攻の口実を与えるため、
これまで地道に経済成長を遂げてきた台湾にとって、
この判断は彼ら自身の大きな傷になるだろうし、
下手をすれば亡国を招きかねない。

私は一個人として台湾に親近感を持っており、
彼らの独立は喜ばしいことであるが、
願望と客観的分析は別もの。
この北京五輪を人質に取った独立への動きに、
私は危惧を感じざるをえない。

日本政府は
この五輪時の独立宣言の動きに対しては、
明確に台湾に翻意を促すべき。
予想される事態の推移は、我らにとって打撃であり、
彼らにとってもリスクが大きすぎる。


<独立派への献策>

さて、台湾独立の動きをシミュレートし、
結果的に独立派の意図とは逆に、
中国は武力行使を選択、
彼らの構想は裏目に出ると予測しました。

また、日本の国益から見た場合、
この動きはマイナスであると書きました。

では、台湾の独立は不可能なのか?
あの孤立無援の島国が、
可憐なまでに希求する独立は
所詮はかなわぬ夢なのか?

ここで私が台湾の独立派諸士に献策するならば、
「時節を待て」ということです。

喧嘩をするならば、勝つ喧嘩をすべきです。
負けそうな喧嘩や、
勝ち負けの見通しが立たない喧嘩はすべきではない。
やる以上は勝たなければ意味が無い。

現国際状況下で、
北京五輪を人質に独立を宣言することは、
勝敗の見えない喧嘩を
相手に吹っかけるのと同じ。

私が思うに、
台湾独立の好機は北京五輪だけではありません。
それ以上の好機がいずれやってくるでしょう。
それは中国共産党が政権の座から滑り落ちた時。

この歴史の骨董品のようなマルクス主義政党は、
すでに存在意義を失っている。
先にも書いたように
彼らは「国勢拡張」と「経済発展」を
富国強兵政策によって推進することにより、
かろうじて統治の正当性を確保している。
逆に言えば、この2点を失えば、
彼らは拠って立つべきものを失ってしまう。

外国からの援助と投資によって経済発展を進め、
国力を増大させ、覇権を拡張する。
これぞ中国流富国強兵循環。
国民の自由を抑圧する代わりに
富とナショナリズムの昂揚というアメを与え、
独裁政党政治を維持している。

この外国頼みの経済発展も
いつかは崩れる時が来るでしょう。
そうなれば、もともと内政能力の低い彼らに、
混乱する経済状況を収拾できるとは思えません。
富と経済発展というアメを与えられなくなる中国共産党は
その存在理由を失い、
自由を圧殺する政治に対する不満が噴出するでしょう。

すでにここ数年、
中国内部において地鳴りの如く、
農民暴動の嵐が吹き荒れています。
あの言論統制国家から月に数件も
数万人規模の暴動のニュースが飛び込んできます。

中国共産党という独裁政党も、所詮は俗世の事物であり、
いずれ滅びる時が来るでしょう。
それは中国全土に混乱と秩序の破壊をもたらし、
権力の空白期間を生むでしょう。
私はその時期は決して遠くないと見ています。

台湾独立派の諸士へ。
これは台湾国家と中国共産党との
一種の延命競争です。
先に滅んだ方が負け。
先に死んだ方が負け。

そして中国共産党が滅ぶ時こそ、
あなた方に最大のチャンスが訪れるでしょう。
それがいつ来るかは定かではありません。
「北京五輪」の如く、
明確に月日が決まっているわけではありません。
数年後の可能性もあれば
数十年の歳月を費やすかもしれません。

しかし、あなた方は風雪に耐え、
軽挙妄動することなく、時節を待つべきでしょう。
それまでは国家の繁栄を保持し、
内においては独立の士気を維持しながら、
東アジアの一角においてその孤塁を守り続けるべきです。
決して国家の命運を
一か八かの賭けに投じるべきではありません。

好機到来の時節まで
それはつらく長い歳月ですが、
静かに静かに時の流れを耐え忍ぶべきです。



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 台湾紙報道



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by misaki80sw | 2005-01-09 16:53 | 中国・台湾関連