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misakiのオールジャンル時事評論!


by misaki80sw

娘通信♪版:今年の10大ニュース(前編)


さてさて、2004年もあとわずか。
ここで定番中の定番企画、
「今年の10大ニュース」を書いてみたいと思います。

巷の10大ニュースって国内篇と国際篇に分けてますが、
娘通信♪の「10大ニュース」は、
日本にとって重要なニュースの観点で選び、
国内と国外を分けません。

では、いってみましょう!
まずは9位と10位から。


9位:米軍再編
     ◇世界規模の再編
     ◇軍事戦略の変化とRMA化
     ◇ラムズフェルド流
       「トランスフォーメーション」

10位:EU、25か国に拡大
     ◇米に対抗する、もう一つの極の誕生。
     ◇ドルVSユーロ
     ◇仏独の主導
    

9位の米軍再編。

中心役は米ラムズフェルド国防長官で、
発想としては、RMA(軍事革命)の急速な導入により、
大兵力を海外に駐留させなくても
軍事的プレゼンスを維持できるとの考え。

米本土や紛争地帯の後方に軍を置き、
いざ鎌倉となると、米軍は即応・緊急展開して、
戦闘地域に乗り込む。
普段から前線に張り付く必要は無い。

今年8月、ブッシュ大統領は
欧州とアジアにいる計約20万人の在外米兵のうち
6万~7万人を今後10年間で撤退させると表明した。
特にドイツ・韓国の駐留米軍は大幅削減される見通し。

ドイツはともかくとして
韓国なんかは泡食ってるね。
だって北朝鮮との前線から
米軍がスッと引いちゃうわけだから、
自主防衛に金をかけなきゃいけない。

もともと反米的傾向を持っていた盧武鉉大統領が、
米国に呼応してイラクに派兵したのも、
この米軍再編に仰天したから。
去っちゃ嫌よというわけ。

この再編とそれに伴う各国の悲喜こもごもは、
いずれまとめて書きたいと思ってます。


10位の「EU、25か国に拡大」

2004年5月1日、
欧州連合(EU)に中・東欧など10カ国が新たに加盟。
EUは25カ国体制に拡大した。
これにより、米国を5割も上回る人口と、
ほぼ匹敵する域内総生産(GDP)を持つ巨大経済圏が誕生。
共通通貨ユーロはその存在感を高め、
米国のドルによる世界支配を揺るがせている。

拡大してます、EU。
世界には米国以外にもう一つの極が出現した。
中心軸は仏独のコンビで、
特に仏はこれを梃子にして
世界への影響力を強めようとしている。
一方、英国はやや引き気味。
彼らは大陸間の勢力に自分が飲み込まれるのを好まない。

私はEUの拡大は2つの効果をもたらすと思っている。

1,米国中心の秩序のゆらぎ

2,ドイツの覇権

EUの誕生と拡大。
結果的に利益を得るのはドイツだと思う。
フランスは中心役として得意の絶頂にあるが、
所詮、こういう寄り合い所帯でものを言うのは国力。

仏は独と組むことで、
EU内のリーダーシップを握り、
かつての覇権国家ドイツの再現をも防ごうとしているけど、
甘いよ、フランス君。
所詮は国力ですよ。

いずれEUは独が中心となるでしょう。


さて、お次は第8位。

8位:韓国核開発疑惑
    ◇兵器クラスのウラン濃縮実験
    ◇IAEAが追求
    ◇韓国政府は否定
    ◇韓国世論は核保持願望

ありましたね~、韓国核開発問題。
マスコミも「韓流!韓流!」なんて言ってた割には、
何故か報道も控え気味で、
ここらへん日本マスコミのヘタレぶりを際だたせてくれた。
隣国の核開発だよ。
NHKも筆頭にもっと追求すべきでしょ。
ね、海老沢さん?

事の流れを整理すると、
結局、韓国はIAEAに内緒で
3つの「核違反」を犯していた。

◇1980年代にウラン転換実験
◇1982年にプルトニウム抽出実験
◇2000年にウラン濃縮実験

特に重要なのが
「2000年のウラン濃縮実験」であり、
巨額の費用がかかるレーザー方式を用い、
兵器レベルの高濃度のウラニウムを製造していた。

結局、この問題は、
韓国がビビっていた安保理事会の付託は見送られ、
なんだか尻すぼみに終わりそうな予感。

だけど、隣国の日本人としては
細かい部分は忘れ去ってもいいけど、

◇韓国は核を開発していた。

◇今でも、その意志がある。

◇彼らは核兵器の保持願望がある。

この3点だけは絶対に念頭に置いておいた方がいい。

人はしばしば、自らの価値尺度でもって
他人の価値観を測ろうとするけど、
日本人流の「核アレルギー」なぞ、
この隣国には無縁である。

また、日本・中国・ロシアと強大国に挟まれて、
歴史的に何度も国土を侵略されてきた彼らには、
安全保障に対する欲求は人一倍敏感であり、
核を持つことが彼らの「万全感」を満足させる。
ここらへんは北朝鮮の核開発も同じ発想だし、
日本人としては忘れるべきじゃない。

最後に一部ブログで物議をかもした、
中央日報の当時の社説を再掲しておきます。


【噴水台】核のロマン主義

 朴正煕(パク・ジョンヒ)元大統領は1975年6月、
 米紙ワシントンポストとの会見で
 「米国が核の傘で韓国を守るとの保障がなければ、
 核兵器などを開発する考え」だと述べた。
 当時、青瓦台(チョンワデ、大統領府)は、
 在米韓国人科学者を密かに呼んで、作業に乗り出した状況で、
 米国はそのため非常に緊張していた。

 そうした状況の77年6月。
  世界的な理論物理学者の在米韓国人科学者、
 李輝昭(イ・フィソ)氏が米国で交通事故で、
 42歳に死亡した。
 京畿(キョンギ)高校2年のとき、
 ソウル工大に合格した後、渡米し、物理学を専攻、
 28歳のとき、
 ペンシルベニア大の正教授に採用された秀才だった。
 即時に「韓国の核開発を
 阻止しようとする米特殊機関の仕業」とのうわさが広がった。
 それ以降、李輝昭氏は、
 韓国の挫折した核開発の象徴となった。
 「李輝昭さえ生存していたら...」
 その悔しさは、93年、
 金辰明(キム・ジンミョン)が発表した長編小説、
 『ムクゲの花が咲きました』で爆発した。

 小説で「イ・ヨンフ」との名前で生き返った同氏は、
 死んだ人ながら、
 南北(韓国・北朝鮮)共同核兵器開発の基礎を提供する。
 米日合弁の韓国侵攻に対抗し、
 共同核弾頭は威力を遺憾なく発揮する。
 「米日の韓国攻撃」という刺激的なテーマと
 「南北共同の核兵器開発」という感性が結合した小説だ。
 その感性は「北朝鮮の核兵器も結局韓国の核兵器」
 という「核のロマン主義」に変わり、
 依然として現在進行形だ。

 ところが、韓国は、
 核兵器の開発によるリスクに耐えられるだろうか。
  核開発の過程で受けた侮辱について、
 中央(チュンアン)日報が出版した、
 『青瓦台秘書室』の第2編は、
 関係者の話を次のように伝えている。

 「76年に科学技術処長官室で開かれた、
 韓米原子力関連協議会に国務省次官補が出席した。
  同氏は、下品な言葉で
 『再処理の再の字にも触れるな』と話した。
 それが、韓国の位相だった」、
 「70年代中、韓国の米大使館・科学担当官は、
 韓国科学技術研究院(KIST)に一方的にやってきて、
 随時調べていた」。

 当時は力がなく、米国にやられたが、
 いまは少し強くなったから状況が違う、とも言えない。
 現在は、国際原子力機関(IAEA)に一々報告し、
 同機関が漏れなく調べている。
 問題点が捕捉され、
 国連安保理に付託されることにでもなったら、
 制裁が待っている。
 そうすれば、国家の信用度が墜落し、
 対外的依存度の高い韓国は、
 即時、さ迷うようになる。
 石油強国のリビアも核を放棄したくらいだ。

 最近、原子力研究所が
 ウラン0.2グラムを抽出したことについて
 「いよいよ核兵器の製造技術が確保できた」
 という喜びの見方がある。
 韓国としては嬉しいニュースだが、
 世界が疑惑の視線を送っているというのが問題だ。
 ロマンは現実ではないように
 「核のロマン主義」も、
 現実では力にならないとのところに悲劇がある。

   (中央日報)


これが彼らの発想。
こんなもんです。


「娘通信♪」関連過去記事

韓国核開発問題、安保理付託へ・・出るとこ出なさい。
韓国核開発疑惑(番外編)・・もうアホかと:その2
韓国核開発疑惑(その7)・・IAEA理事会「重大な懸念事項」
韓国核開発疑惑(その6)・・英国、安保理付託を主張!
韓国、今度はプルトニウム疑惑!?・・情報リークの意図は?
続報!「韓国、ウラン濃縮問題」・・最後の記事は怖いよ。
韓国、ウラン濃縮実験問題(その3)・・日本政府も仕事しろ!
韓国、ウラン濃縮実験問題(その2)・・マスコミは仕事しろ!
韓国、ウラン分離実験!・・ばれる前に喋っちゃおう。(その1)



さて、第7位です。

7位:東アジア共同体構想、本格化
    ◇日中韓+ASEANによる共同体
    ◇突如、浮かび出た共同体構想
    ◇日中枢軸
    
まさに突如、突如。
なんの国民的議論も無しに
いきなり浮かび上がった共同体構想。

昨年12月、東京で開催された、
ASEAN10カ国と日本の首脳会議の後、
「東京宣言」が発表され、
東アジア共同体実現を目指すことが表明された。

そして来年末にはマレーシアで、
日中韓+ASEANの首脳による、
「東アジア首脳会議」が開催されることが決まっている。

日本の保守層は3つに割れている。
推進派、反対派、無関心派。

この問題は事の大きさに比較して
マスコミの報道は相変わらず鈍いけど、
これを「第九位」にもってきたのは、
私は、これが日本の命運を左右する、
大問題だと思っているから。

私はこの構想に反対する。
何故なら同じ国家体制や経済体制、
あるいは共通する国家理念を持つ国同士ならば
組むことはかまわないけど、
あの異質な思考の中国とは組みようがない。

この構想を推進する連中は、
EUを念頭に置いてるけど、
EUの場合は均質な国同士の組み合わせであり、
その加盟に関しては厳格な審査がある。

東アジア共同体構想は、
始めに共同体ありきで、
経済よりも政治的な思惑が先行している。

今の各国の国力と国家戦略を考えると、
結局、この共同体の中心軸は日本と中国であり、
私はこの共同体を創設することで、
中国の利害関係や覇権拡張に
日本が引っ張られることを危惧している。

現在、この構想を推進しているのは、
政界・財界・官界の
「媚中派」「アジア・ロマン派」「反米派」の集合体。

拠点はここね↓

東アジア共同体評議会

中曽根元総理が代表となっており、
副代表と顧問は以下のとおり。

◇伊藤義郎  伊藤組社長
◇井上明義  三友システムアプレイザル社長
◇柿澤弘治  元外務大臣
◇服部靖夫  セイコーエプソン副会長
◇依田巽  エイベックス名誉会長
◇荒木浩  東京電力顧問
◇今井敬  新日本製鐵相談役名誉会長
◇上島重二  三井物産顧問
◇立石信雄  オムロン相談役
◇張富士夫  トヨタ自動車社長
◇成田豊  電通最高顧問
◇槙原稔  三菱商事相談役
◇宮内義彦  オリックス会長
◇宮原賢次  住友商事会長

官界からは、

◇井上正幸 文部科学省国際統括官
◇日下一正 経済産業省経済産業審議官
◇田中均 外務省外務審議官
◇谷内正太郎 内閣官房副長官補
◇薮中三十二 外務省アジア大洋州局長
◇渡辺博史 財務省財務官

などなど。

あの外務省チャイナスクールで高名な
田中均君もいる。

集う面々はそれぞれの思惑を秘めているが、
その中でも政界・財界・官界の中国贔屓の連中が、
昨今の日本国民の反中国感情の高まりに押されて、
起死回生の大逆転として飛びついたのが
この「東アジア共同体」構想というわけ。

まあ、この構想について論評し始めると
何千字も書いてしまいそうだから、
今日はここらで矛を収めとくけど、
これからもバンバン追求していきますよ~!


東アジア共同体に向けて、予想外に早い動き

韓中日3国、通貨統合問題を論議中 日本大使が明かす

JOG Wing:『東アジア共同体』という悪夢


娘通信♪関連過去記事
「東アジア共同体」への道・・進むべきか否か?



では、第6位!

6位:世界各地でテロ
    ◇スペインの列車爆破事件
    ◇ロシアの学校占拠事件
    ◇非対象戦の時代

テロと言えばアルカイダ。
今や世界のテロリストの親玉的な存在。
その中心はオサマ・ビン・ラディン。

ここでは2004年のテロの経緯よりも、
ビン・ラディンの戦略について書いておきます。

私はこの人の言動と
戦略をつぶさに観察してて思うのだけど、
まあ、頭の切れる人だね。
すごくシャープだと思う。

彼の戦略を箇条書きでまとめると、

目的:イスラム国家の建設
   イスラエルの滅亡
       ↓
大戦略:米国の国力を衰退させ、
    世界に対する関与を減少させる。
       ↓
小戦略:米国を戦闘地帯に引きずり込み、
    ゲリラ戦で国力を消耗させる。

こんな流れでしょう。

目的はあくまでも、
イスラム国家の建設と
宿敵イスラエルを滅亡させること。
「対米国」なんて、その手段に過ぎない。

たとえば、イラクで米軍が泥沼に陥ってるけど、
今、米軍がイラクから完全撤退すれば、
一番落胆するのはビン・ラディンでしょうね。
「なんで撤退しちゃうの?」って(笑)。

彼の目的は、イラクのような局部的な戦闘で
勝利を収めることではない。
イラクなんか彼にとっては単なる手段。
ここで「泥沼」「混沌」を作り出し、
米国の国力を消耗させる。
かつてのベトナムの再現を狙っている。

彼は思ったでしょう。
湾岸戦争やイラク戦争を見て、
正規軍同士の戦いでは
もはや米国には絶対に勝てない、と。

じゃあどうすればいいか?
国力自体を別な手段で衰退させればいい。

世界各地のテロもその一環で
テロ行使の理由は2つ。

◇米国や他の諸国に対する挑発。

◇秩序の混沌状態を作りだし、
 紛争地帯を意図的に作り出す。

ビン・ラディンはイラクだけではなく、
世界各地に泥沼状態を作りだし、
米国を中心とした世界の大国たちが
この混沌に足を取られて、
国力を衰退させるのを意図している。

ビン・ラディンの戦略は、
日本史でたとえるならば、
楠木正成の戦略に似ている。

山岳地帯の赤坂・千早城に、
反鎌倉・反北条の旗を掲げ、
鎌倉の大軍を引き寄せる。

ゲリラ戦・山岳戦で鎌倉政権を消耗させ、
その間に手薄となった各地方で、
反北条の軍勢が決起する。

日本史で類型を求めるとするならば、
正成の戦略が一番似ているね。
楠公ファンの皆様、ごめんなさい(笑)。


娘通信♪関連過去記事
ビンラディン、米大統領選へ影響力行使。
テロリストと諜報機関、ネット上の攻防戦。
学校占拠事件とアルカイダ・・非正規戦の時代。



次の5位~1位は、
数時間後に上梓します。

ひとまず、休憩です (;-_-) =3 フゥ
by misaki80sw | 2004-12-30 21:59 | 日本(政治経済)