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by misaki80sw

北の核と米国の軍事行使・・彼らの発想と原則。


北朝鮮核の6カ国協議堅持 米大統領が年末会見

 ブッシュ米大統領は20日、年末休暇を前に記者会見し、
 外交解決へ向けたこう着状態が続く北朝鮮の核問題に関して、
 金正日総書記に核兵器システムを放棄させるために
 「6カ国協議の継続を求めていく」と言明、
 引き続き多国間交渉の枠組みで
 粘り強く問題解決を進めていく姿勢を表明した。
 
 北朝鮮が2期目のブッシュ政権の外交方針を
 見極めることを優先させ、協議再開に応じない中、
 大統領自らが平和解決を強調し、
 早期参加を呼び掛けたといえる。
 
 また来年1月30日に予定される、
 イラクの国民議会選挙を経たイラク民主化が
 米国の「死活的な国益」につながると強調。
 「トラブルもあるだろうが、
 前進すると確信している」と述べ、
 選挙成功に自信を表明した。

   (共同通信)


米国が北朝鮮にどう対応するか?
いろんな情報と見解が飛び交ってます。

たとえば上記ニュースを見て、
「米国は弱腰だ」と断じる人あり。
「いや、単に六カ国協議を継続すると言っただけで、
軟化路線に転じたわけではない」という人あり。
同じニュースでも人それぞれだね。

昨日は昨日でこんなニュースが流れた。


対北直接対話を拡大 米方針転換、「6カ国」枠内で

 北朝鮮の核問題をめぐる
 六カ国協議再開問題を打開するため、
 米政府は十七日、北朝鮮が協議再開に応じた場合、
 協議の枠内で行われている米朝直接対話を拡大して
 実質的な交渉に一部入ることに同意する方針を決めた。

 ワシントンの朝鮮半島外交筋などが
 明らかにしたところによると、
 直接対話を拡大した場合、米国は、
 北朝鮮による核放棄の見返りとして与える条件や、
 北朝鮮が履行すべき条件の内容など、
 本来、六カ国協議本会議で話し合うべき問題についても
 議題とすることを拒否しない方針という。

   (産経新聞)


上の「六カ国協議堅持」のニュースと
ニュアンスが全然違うんですけどね。
もう、何を信じていいやら・・・

この手の錯綜する情報の何割かは、
故意に意図的に流した偽情報もあるだろうしね。
ここらへんは用心が必要ですな。


さて、様々な情報が乱れ飛ぶ北朝鮮情勢だけど、
私が、おそらくこうなるでしょうと、
高確率で言い切れることが2つあります。

まず1つめは北朝鮮の核ミサイル開発について。

何故、北は核ミサイルがほしいか?
答えは簡単です。
無敵になれるからです。

テポドンのような弾道ミサイルに核弾頭を搭載すれば
今のところ、これに対抗できる兵器はない。
米国産のMD(ミサイル防衛)は、
研究開発と実戦配備を
両方とも一緒に進めるという強引なやりかたで、
少しづつ配備が進みつつあるけど、
あれも、迎撃実験は成功したり失敗したりで、
いまいち信用性に欠ける。
仮に開発が順調に進んだとしても、
弾道ミサイルを100%迎撃できる保証があるわけではない。

普通の弾道ミサイルだったら、
「あっ、迎撃失敗しちゃった!」
ってのもアリかもしれないけど、
相手が核ミサイルだったらそれも許されない。

また、米国のような北朝鮮から遠く離れた国ならば、
ミサイルの発射から弾着までに一定の余裕があるけど、
日本のような近隣諸国の場合、
わずか7分程度の余裕しかない。
この時間はシビアだよ。

だから、核弾頭付きの弾道ミサイルを持つと言うことは、
現在の各国の対空防衛システムの現状から言えば、
ほぼ無敵に近い武器を持ったということ。
敵すべき者は無し。
つまり、脅し放題、恐喝し放題となる。

北朝鮮の現状から言えば、
経済の自主再建なんてほとんど無理。
外国から多額の資金を導入するしかない。
これを引き出す方法は
対外関係の悪化した北朝鮮にとって一つしかない。
「んじゃ、核をぶち込みましょうか?」と言うか、
ほのめかすなりして脅すこと。
他国もそれが恐いから妥協する。

これほど効果的な武器は他にない。
北朝鮮はそれを確信しているから、
他国と何度も核開発放棄で合意しても、
裏じゃ懲りずに開発を継続する。

経済援助をやるから核開発を放棄しろと言われても、
「分かった、分かった」と言いつつ、
金だけもらって、開発を継続する。
だって、金なんて使ってしまえば終わりだし、
相手国の意向によってどうとでも左右される。

でも、核ミサイルを保持することは、
「確実な儲け道」の第一歩。
これを持てば無敵の強盛大国。
だって絶対に防げないんだもん。

だから、北朝鮮は何があろうと、
他国と核放棄で笑顔で合意しようと、
国民が何百万も餓死しようと、
周辺諸国から蛇蝎の如く嫌われようと、
彼らは核ミサイルの開発を継続する。
これが最後にして確実な切り札だから。

ただ、これを覆す因子もある。
それは「金体制の崩壊」「北朝鮮の崩壊」
これを目の前に突きつけられた時。
すなわち外国の軍事力などで
自国や体制の崩壊が絶対に確実視される時。
その時は崩壊するよりは核放棄を選ぶでしょう。

北の発想は常に損得論。
核ミサイル開発を上回る状況が現れた時のみ、
これに傾く。
それ以外は開発継続で配備を急ぐ。
まさに単純明快。
こんな分かりやすい国はない。


さて、もう一つの確実なこと。
米国の北朝鮮対応です。

米国は今までの北との交渉から、
北の発想法は見抜いてるでしょう。
道理なんか一切通用しない。
徹底的な実利と力の信奉。
彼らの核に対する思いも見抜いてるでしょう。

であるならば、米国の対応はただ一つ。
出来るだけ交渉と取引で核放棄させる。
でも、それが駄目だったら軍事でいくよと。

米国にとっての悪夢は、
北朝鮮自身の核武装以上に、
それが周辺諸国へ波及すること。
「北に対抗すべく俺も持つ」
特に日本と韓国だね。

さらに切実なのは、
経済が崩壊した北朝鮮が核輸出をビジネスにすること。
「核とミサイルのセット販売!」
嗚呼、悪夢じゃないの。
途上国で極秘にほしがるところはいくらでもある。
そもそも北自体が、
弾道ミサイルと核技術のバーター取引を
パキスタンと行ってきた。
これほど需要のある商品はない。

北を基点に核が拡散していく。
国際秩序の根幹を揺るがす問題。
米国はこれには黙ってはいない。

よく北朝鮮はイラクと比べて
「石油も出ないから攻めたって割に合わない」
と言う人もいる。
まあ、確かにそうでしょう。
ただ、北の存在が局地的な不安定要因の範囲を超えて、
現世界秩序を揺るがす問題になれば話しは別。
米国は断固としてこれを潰す。
軍事力行使を厭わない。
かつての湾岸戦争を見れば分かるでしょう。

ただし、これを覆す因子がある。
イラク情勢のさらなる泥沼と米国経済の悪化。

米国とて二正面作戦は欲しない。
確かにイラクと違って
北に武力行使して、北を崩壊させたところで、
その後の占領統治までする必要はなく、
韓国と日本に尻ぬぐいさればいい。
その意味では安あがりに済む。
でもやっぱり、軍事力を使えば
その分の戦費は飛んでいくわけで、
イラクと経済の悪化次第によっては、
北の核問題で大胆な妥協を始める可能性もあるね。


まあ、2つの事を書きました。

◇いかなる犠牲を乗り越えても、必ず北朝鮮は
 核搭載弾道ミサイルを開発しようとすること

◇米国は対北朝鮮で最終的には軍事力を行使する。

これは高確率でそうなるでしょう。
北の発想法と米国の国家原則を見てれば
そう考えざるをえません。

ただ、別な因子が出てくれば分からない。
即ち、

◆北朝鮮・・体制崩壊・国家崩壊が目前となる。

◆米国・・イラク情勢の悪化、経済の悪化。

この状況になったら
両国は別な選択肢を選ぶでしょう。




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北朝鮮:金体制崩壊とシミュレーション Part,3
北朝鮮:金体制崩壊とシミュレーション Part,2
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by misaki80sw | 2004-12-21 21:09 | 韓国・北朝鮮関連