李登輝氏、来日へ・・日中台米の思惑。
2004年 12月 17日
☆「李登輝氏、来日は観光」 日中関係に影響なし
細田官房長官
細田博之官房長官は十六日午前の記者会見で、
台湾の李登輝前総統が観光目的で
年末から来日を希望していることを明らかにしたうえで、
「家族旅行と理解し、
政府はビザ(入国査証)を発給する方針だ」と述べた。
また、「李氏は日本で
政治活動はしないものと理解している」と強調、
中国側には十五日に通告したことも明言した。
さらに「日本政府は二つの中国という立場はとらず、
台湾独立を支持しないことを明確にしておきたい」と述べ、
日中関係への「大きな影響はない」との考えを示した。
これに関連し、小泉純一郎首相は同日午前、
ビザ発給を「断る理由はない」と答えたうえで、
九月に見送り今回認めた背景に
台湾の立法委員選挙(総選挙)があるかとの問いに
「まあ諸情勢」と述べた。
町村信孝外相も同日午前、都内で講演し
「今や一市民が観光目的で来日するのを
断る理由はない」と語った。
(産経新聞)
大いにけっこうじゃないですか。
一私人として来日するのに拒む理由なんか無いね。
来日熱烈歓迎ですわ。
別に政治活動したっていいじゃないかとも思う。
まあ、そこまで日本政府に
肝っ玉を期待するのは無理でしょうが。
たぶん、前回平成13年4月の来日時のように
「政治的な言動をしない」などの条件を
付けるんでしょうね
伏線は、12月3日にマッチー外相が
台湾観光客のビザ免除を表明したこと。
*台湾観光客は査証免除 町村外相が表明
目的はあくまでも、愛知万博などへの
台湾観光客の来日促進を狙ったものだが、
良き政治家の必須要件は
一つの政策を二つ以上の目的に対して行うこと。
台湾観光客のビザ免除を行うならば、
李登輝氏が私人として来日するのを拒む理由はない。
おそらくこの時点で
李登輝氏へのビザ発行は織り込み済みだったんだろうね。
たぶん李登輝サイドへも
「これで大丈夫ですよ」とかの耳打ちがあったでしょう。
前回平成13年の
来日時の騒動に比べると隔世の感があるね。
あの時、河野洋平外相は
「ビザを免除するなら辞任する」とまで言い出し、
森首相が「これは私の命令だ!」と押し切った。
*2001年 李登輝氏 訪日問題 総合情報サイト
*Web東奥・特集/断面2001:
李氏ビザ問題で政府動揺/早急結論を強調する首相
これらのサイトを
ご覧になってもらえれば分かるが↑
当時、政界はビザ免除派と媚中派が綱引きしたが、
世論は全般的に李登輝氏に好意的だった。
あれから3年。
ホント、日本は変わったね。
で、お約束の如く、中国はこれに反発、
*中国、報復の可能性も 大使呼び撤回申し入れ
まあ、勝手に言ってろって。
日中関係の冷却化はこれで拍車がかかった。
日本が今まで封印していた国家主権に関わる問題を
堂々と主張し始め、
片や中国は従来の如く反日路線に乗ったまま。
この傾向は今後も止まらないでしょう。
この日中対決の構造は、
米国は歓迎してるんじゃないかな。
日本を代理人として中国の覇権拡張を封じ込め、
兵器市場はバンバン潤うと。
たぶん、米の意図はそういうとこだろうね。
一方の台湾もこの対決路線は歓迎だろう。
日中が対決すればするほどに、
日本国内の媚中派政治家・官僚が一掃され、
日本が台湾に接近してくるのは間違いない。
最近の陳水扁政権の日本への好意的発言は
全てこれを念頭に置いたもの。
*台湾「日米に事前連絡」中国原潜侵犯で陳総統
彼らは「日本カード」を手に入れようとしている。
日本は日本で、現在の中国の状況からすれば、
この対決路線を歩まざるをえない。
何故なら、中国は「妥協」という文字を知らないから。
あの国の反日一辺倒の路線に迎合すれば、
間違いなく国益は浸食される。
日本は米国や台湾の思惑に乗らざるをえない。
米の後援を受け、「台湾カード」を懐に入れ、
中国の対日戦略が変換するまでは、
腹をくくって、この路線を突き進むしかないでしょう。
*李登輝:Wikipedia
*日本李登輝友の会