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by misaki80sw

政府、武器輸出3原則見直し・・国家の理念次第でしょ。

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退役艦艇の輸出も 新防衛大綱 3原則見直し原案判明

 政府が十二月上旬に策定する、
 新たな「防衛計画の大綱」のなかで、
 武器輸出三原則の見直しに関する原案の内容
 が十八日、分かった。
 政府が同日、
 与党安全保障プロジェクトチームに提示したもので、
 武器輸出については、
 米国および米国中心の多国間の共同開発・生産に加え、
 退役した艦艇を東南アジア諸国に輸出するなどの
 テロ・海賊対策支援に関しても
 輸出を認めるよう盛り込んだ。
 
 また、輸出を解禁する一方、
 国際紛争などの助長を回避するという、
 平和国家としての基本理念を堅持すると強調。
 (1)政府による厳格な判断
 (2)輸出相手国以外の第三国への移転を制限するなど
    国際約束による担保
 (3)実際の武器の供与にあたっては個別具体的に判断
 という政府による管理方針も盛り込んだ。
 
 また、武器輸出三原則を見直す方法については
 新大綱に明記するか、新大綱の閣議決定に伴う、
 官房長官談話を出すかのいずれかで、
 武器輸出三原則の緩和を打ち出すことを想定している。
 
 この日の与党PTでは
 三原則の緩和に慎重な公明党が
 「厳格な歯止めが必要」と難色を示し、
 自民党と意見がまとまらず、
 来週以降に結論を持ち越した。

   (産経新聞)


大いにやるべし!

だいたい「武器輸出三原則」なんて言ってるけど、
本来の意味から外れてるじゃない。

そもそも「武器輸出三原則」とは、
1967年に佐藤内閣が表明した方針で、

1,共産国
2,国連決議により武器等の輪出を禁止されている国
3,国際紛争の当事国又はそのおそれのある国

この3パターンに対して、
武器輸出を禁止するとしたもの。

ところが三木内閣の時に、
海外への武器輸出を全て禁止してしまった。

だから「三原則」なんて言ってるけど、
実態は三原則もへったくれもないわけで、
単なる言葉の上だけの政策。

それにこれは法律ではなく、
単なる政府の「見解」に過ぎない。
変えようと思えばいつでも変えられるわけ。


さて、この武器輸出に関して、
政略面と倫理面の二つの観点から書きます。


<政略面>

現在の兵器は開発や生産にコストがかかる。
一国の経済力ではとてもまかなえるものではない。
特に航空機とかね。
だから共同開発がどうしても必要だし、
一定量の輸出をすることで、
一個あたりの単価も抑えられる。

日本があれだけの防衛費を使っておきながら、
この規模の軍隊しか維持できないのは、
一つは人件費が高いこと。
もう一つは国産兵器のコストが高いこと。
このコスト高を武器を輸出することで解消できる。

そして、自主開発した国産兵器を使うということは、
他国産兵器への過度な依存を避け、
他国からのコントロールを防ぐことが出来る。
まあ、自前でいいやつを開発して使うのが一番だよ。

さらに上記ニュースにもあるように、
海自の中古の艦船なども、
ASEAN諸国などから引き合いがある。
でも、輸出が禁止されているために出来ない。
インドネシアやマレーシアなどは
海賊対策などは切実な問題なのにね。

案として、
武器の輸出先は同盟国・友好国に限定すればいい。
たとえば、ASEAN・オーストラリア・
ニュージーランド・韓国・台湾・インド・ECなど。
米国相手の輸出は無理だろうけど、
技術提携は積極的に行えばいい。

これは自国および自国と価値観を共有する、
自由主義陣営の防御力を強化する方策。
単なる「もうけ話し」とか考えてるようじゃ、
発想が貧弱だと思う。

結局、武器輸出とは、

◇国産兵器による自主防衛体制の充実
◇自由主義陣営の強化

この2つと不可分なのさ。


<倫理面>

もちろん、武器輸出を解禁することは
人によっては抵抗はあるでしょう。
「死の商人」「人殺しの道具の売買」
そういう発想が浮かぶでしょう。

話しは少し飛んじゃうけど、
ちょい昔に、インドの民俗か何かの本を読んでいて、
とあるインドの地方の
厳格な教義の宗教のことが書いてあった。

その宗教は一切の殺生を禁じていて、
道を歩く時に蟻や草花を踏みつぶすのも罪悪としていた。
だから、そこのお坊さんたちは、
ろくに外出もままならず、
瞑想にふける日々を送っているそうな。

私はこれを読んで、
「こういう生き方もあるんだな」と思ったが、
同時に感じたのは、
「窮屈な生き方だな~」
「積極的に社会に貢献するとかの発想がないなあ」
ということ。

外出したら、蟻や草花を踏みつぶして
殺生をしてしまうかもしれないけど、
その分、積極的に生きることで
もっと大きな善を社会にもたらせばいいじゃないか、と。

まあ余談に流れてしまったけど、
武器輸出も同じだよ。
確かに輸出すれば、
それによって死ぬ人は出てくるでしょう。

「だから輸出はしません」も一つの論法だけど、
逆に、現在の世界の状況の中で、
あの暴力国家北朝鮮や覇権国家中国などが
武器を売って外貨を稼ぎ、
他国に輸出を行うことで影響力を行使している。
ロシアもしかり。

であるならば、日本は同盟国や友好国、
自由と民主主義の理念を共有する諸国に
優れた武器を輸出し、
この陣営の未来を守ることは大切だと思う。

考えてみるがいい。
中国やロシアが覇権を握った世界を。
私はそういう世界はゴメンだな。
わけの分からぬ覇権国家の増長を横目で見つつ、
「僕は人殺しの武器を売るのは嫌です」
なんて言ってるのは、
小善を得んとして大義を捨てるも同じ。

要は、「武器の輸出」を
国家としていかなる理念で行うかでしょう。
単なる金儲けならやめときなさい。
でも、自国と自由主義陣営の未来、
大きな理念を構想してやるのなら、
大いにやるべし!

私はそう思うよ。



武器輸出3原則
by misaki80sw | 2004-11-22 00:44 | 日本(政治経済)