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by misaki80sw

北朝鮮:金体制崩壊とシミュレーション Part,1


北朝鮮で体制批判ビラ 総書記の家庭背景も
 高度な内容政権中枢に人脈


 産経新聞は、北朝鮮の反政府グループが先月、
 平壌など北朝鮮国内の五十カ所でばらまいた、
 「金日成・金正日の十大うそ」と題するビラを入手した。
 故金日成主席と金正日総書記の家庭背景や、
 現体制の思想的な柱である「主体思想」を
 激しく批判する内容だ。
 衝撃を受けた北朝鮮当局は、グループを追及する一方、
 平壌で住民の思想点検に乗り出した。
 
 北朝鮮製のざら紙に
 ボールペンの手書きで書かれており、
 平壌、南浦、中朝国境の新義州、北部の清津、
 北東部の咸興といった都市部を中心に
 辺境もふくめた約五十カ所で散布された。
 一部は中国に持ち出しコピーされたというが、
 大部分は受け取った人々が筆写して枚数を増やし、
 地方に波及したという。
 ビラは金父子の出身について、
 北朝鮮国内ではタブーとされる表現で
 こう記述している。
 
 「金日成は富農の出身で、
 朝鮮労働党の階級路線からいえば敵対階層だ。
 万景台の生家は収穫期には小作まで雇い、
 金日成は小学校に自転車で通っていた。
 この資料は朝鮮労働党中央委員会歴史研究所資料室に
 保存されている」
 
 「金正日はユーラという名前でソ連国籍を持っていた。
 解放後、ソ連艦で帰国したソ連縁故者であり、
 (党の路線では)監視対象である」
 
 また、「『思想の主体』は人民を奴隷にした」
 「『政治の主体』は人民が主人どころか
 首領絶対主義世襲王国を作った」など、
 「主体思想」による独裁体制を痛烈に批判。
 「肉のスープと瓦屋根の家、
 絹の服(一九五七年の金日成の言葉)どころか
 (金父子は)わが人民を世界で一番悲惨な貧民に、
 この国を世界の落後者にした」と糾弾した。
 
 ビラは十月十日の党創建記念日の日付で
 先月から広まっており、
 事態を重く見た金正日政権は最近、
 平壌で全国国家安全保衛部(秘密警察)会議を開き、
 首謀者捜査の強化を命じる一方、
 平壌では「住民登録事業」と称して
 登録証の再発行と思想点検を行っている。

   (産経新聞)


2日前のニュースだけど、
これを見て半島の今後に関して、
北朝鮮崩壊と崩壊後の状況について、
あれこれと書いてみたくなりました。


<日本の経済制裁>

先日の「日朝実務者協議」。
詳細な内容がニュースで流れてきた。

日朝協議の詳細判明 北、国交正常化へ高圧的態度 
 日本側は終始防戦


内容は政府の内部資料とのこと。
誰かが意図的にリークしたんだろうね。

外務省は
「北朝鮮なりに努力がみられた」とか言ってたけど、
これ見ると、全然ちゃいますがな。

自民党の面々が日朝協議後から
「対北制裁を!」を叫んでた理由が分かるよ。
どこが「北朝鮮なりに努力」だよ。

まあ、対北制裁をやるやらぬは
所詮は小泉首相の決断次第なんだろうけど、
私はそれにあたって、
一つ留意すべきことを言っておきたい。

それはね、これをやることは
「北崩壊への一撃」になるってこと。

過日発表された自民党の「北制裁法案」。

対北経済制裁発動案 自民が中間報告
 対応次第2パターン提示


1,食糧や医療支援などの人道支援を凍結・延期する。

2,日本から北朝鮮へ運ぶすべての手荷物や
  物資、送金に報告義務を課す。

3,貿易や送金の部分停止を実施。

4,貿易、送金を全面停止。
  北朝鮮の貨客船「万景峰92」号など、
  特定船舶の入港を禁止。

5,漁船などを含むすべての船舶の入港を禁止。
  日朝間のモノ、カネ、ヒトの流れを完全に遮断。

1が「警告段階」で、
2~5が「制裁段階」。

まあ、安倍たんも言ってるけど、

<対北朝鮮>経済制裁は効果ある 安倍幹事長代理

これは北朝鮮への大打撃となる。
実施しなくとも、
ちらつかせるだけで大きな武器となる。

ああいう独裁国家では、
権力層は外部からの心理的圧迫にもろい。
日本がこれをちらつかせるだけで、
権力内部で葛藤と相克が始まるでしょう。

そして、今や北の経済は崩壊寸前。
これをなんとか支えてるのは
日本からの送金や日本相手の裏ビジネスの利益で、
このパイプを遮断されれば
あの国のとってはとどめの一撃になるでしょう。

まあ、べつに日本が制裁せずとも
すでに社会システムが破綻している北朝鮮は、
いずれは崩壊だろうけどね。
それが時勢の流れ。

経済制裁とは、日本にとっては
いわば「北を抹殺する鋭利な剣」。
最後の息の根を止めるとどめの一撃。
効果は半端じゃないよ。
これを自覚しないとね。

むろん私は、
だから止めとけって言ってるんじゃなくて、
やるなら波及効果を計算した上で、
準備と心構えをした上でやりなさいってこと。
単なる「北憎し」だけの感情論優先じゃ駄目。

シビアな言い方をするならば、
日本にとって北崩壊が一番都合のいい時に、
これを実施すればいい。

では、その時期とはいつか?
私は今だと思う。

私の予測では、
イラクの泥沼と国際競争力の低下で
いずれ米国は国力を衰退させていくと見ているから、
どうせ北が崩壊するなら、
米国が衰退する前に崩壊してほしい。

北崩壊後の半島の不安定な状況で、
日本が米国抜きで中国と対峙するのは、
ちと荷が重すぎる。

だから経済制裁は、
嫌な言い方だけど「今が旬」だよ。


<北崩壊後のシミュレーション>

では、北朝鮮崩壊後の状況を
シミュレーションしてみましょう。

北崩壊のパターンは3つ。

1,国家権力内部でのクーデター。
  
2,民衆の蜂起。

3,韓国へ南侵し自滅。

このうち、3の可能性はかなり低い。
やれるだけの国力が無くなっている。
だから、1と2のどちらか。

さて、これに対して
諸外国はどう動くか?


<<韓国>>

朝鮮半島全域での正当な支配権を持つ韓国なら、
介入の資格は充分。
自国の北域領土への進駐行為に過ぎない。

だが、重武装地帯の38度線を隔てて
北と向かい合っている韓国は、
短期間の速攻戦で北に進撃するのは無理。
よほど動乱が長期間続かない限りは、
すぐには北には介入できないでしょう。


<<中国>>

資格は無くとも、能力と意志は充分ある。
資格なんて、傀儡政権なり、
ダミー政権なりを適当にでっち上げて
そこからの介入要請にすればいい。
また、北の権力内部の反金正日派が、
まず後ろ盾として頼るのは中国でしょう。

すでに中朝国境には、
「脱北者対策」との名目で
数万の兵団が集結している。

中国軍、北朝鮮国境に3万人 北も呼応?憶測呼ぶ
「中国軍10万人が鴨緑江に駐留、北朝鮮に介入する準備」
中朝レポート

これは中国の無言の圧力であり、
一朝事あらば北へ侵攻する軍団でもある。

これが平壌目指して進撃するでしょうね。
中国は西側民主主義国家と
国境を接するのは好まない。
半島での緩衝地帯を欲するでしょうし、
傀儡国家を作ろうとするでしょう。

これが成功すれば、
半島の分断固定は
さらに数年から数十年延びるでしょう。


<<ロシア>>

ロシアは極東での発言権と軍事力を
旧ソ連時代に比べ大幅に低減させている。
よって単独で介入できる能力もなく、
大義名分も意志もない。

ただし、彼らもソ連譲りの俗物国家だから、
半島での己の発言権は欲するでしょう。

ロシアが必要とするのは相棒だな。
組む相手。
中国か米国から共同出兵を誘われれば、
有利な条件なら乗ってくるだろうね。


<<米国>>

米国も速攻戦で北に介入する能力はない。
ただし、衛星を通じた情報収集力は持っているので、
状況は刻一刻と把握することは出来る。

韓国に駐留している在韓米軍。
実は正式な名称は「在韓国連軍」。
つまり、彼らは世界で唯一の
正式に組織完結した国連軍。

朝鮮戦争終結後から、
国連軍として韓国に駐留している。
暴虐なる北朝鮮から半島全域を回復するために、
国際連合より派遣されたお墨付き十字軍。
戦争終結の際に彼らが北朝鮮と結んだのは、
「休戦協定」であって「終戦条約」ではない。
つまり未だ「休戦中」の建前。

米国は、この「国連軍」「休戦中」の古証文を
最大限に活用すると思う。
あれだけイラク戦争では排除した国連指向を、
北崩壊後では最大限に活用するでしょう。

北が崩壊すれば米国が阻止しようとするのは、
北への中国軍単独侵入。
これを阻止するために、

◇旧北朝鮮領の主権は韓国にあること。

◇外国勢力の侵入禁止。

◇国連主導による治安回復。

この3つあたりを盾に、
中国を牽制するんじゃないかな。

そして国連の旗の下で、
米・中・露・韓の各国による共同出兵。
これで中国の専横は防げる。
その時、日本が誘われるかは微妙だけどね(笑)。

これが米国流のシナリオでしょう。



さてさて、もうちょい書きたかったけど、
えらく長くなったので「パート1」ってことで、
ここらへんで「休戦」にしたいと思います(笑)。

パート2では、
「北崩壊と日本の国益と戦略」を
書きたいと思います。



時の言葉:在韓米軍
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by misaki80sw | 2004-11-21 01:33 | 韓国・北朝鮮関連